2019.04.04 18:00 | ||||
東京ヤクルトスワローズ | 5 | 終了 | 10 | 横浜DeNAベイスターズ |
神宮 |
ラミレス監督は配置転換も示唆
2019年のプロ野球も開幕して1週間が経過した。まだたったの6試合を戦っただけであるから、チーム状況を判断するには時期尚早ではある。しかし、「気になるポイント」は各チームにたしかに存在するようだ。
DeNAの勝ちパターンにも、気になるポイントが見えた。DeNAは本拠地で迎えた開幕カードの中日戦を2勝1敗と勝ち越し、2カード目となるヤクルト戦に臨むため神宮球場へと乗り込んだ。その第1戦、1点リードで迎えた8回裏、勝ちパターンのパットンを投入。しかし、西浦直亨の適時二塁打などで4点を失い敗戦投手に。翌日の第2戦も同じような展開だった。3点リードで迎えた8回裏、ラミレス監督は再びパットンを投入。しかし、雄平に同点の3ラン本塁打を浴び降板となった。2日連続での救援失敗に、ラミレス監督も「(投げる)順番も含めこれから考える」とコメント。
迎えた3戦目は終盤でリードを大きく広げたため、パットンや抑えの山崎康晃は出番がなく、今後の起用法はまだわからない。ただ、ラミレス監督の言葉を見る限り、配置転換もあり得る状況と見ていいだろう。
DeNAは、これからの長いシーズンを戦ううえで重要となる、勝ちパターンを継続するのか、それとも再編成するのかの岐路に差し掛かった感がある。
2017年は山崎康晃が配置転換後に復調
現在のチーム状況を見ると、打順こそ固定されていないものの、宮﨑敏郎、筒香嘉智、ソト、ロペスと主軸打者は健在。ツボにはまったときの打線の破壊力は球界屈指であることは間違いないだろう。また、それに加え代打の切り札には、ここまで代打成功率10割(4-4)の佐野恵太も控えている。その他にも実績のある梶谷隆幸や桑原将志と野手は豊富だ。
中継ぎをはじめとした投手陣の頑張りがあれば、2017年シーズン以来2年ぶりとなるクライマックスシリーズ出場も決して不可能ではないチーム力がある。
その2017年のシーズン序盤、DeNAの勝ちパターンは今年と同じような状況になっていた。当時は守護神の山崎が打ち込まれていたが、ラミレス監督は山崎を抹消することなく中継ぎとして起用。その間、守護神にはパットンが入り緊急事態を凌いだ。
山崎は中継ぎでの調整が功を奏したのか、1カ月ほどで守護神に復帰。シーズンを通して68試合の登板で防御率1.64と素晴らしい数字を残している。その山崎とパットンの他にも、三上朋也、砂田毅樹、田中健二朗を加えた5人が60試合以上に登板し「60試合登板クインテット」を結成。中継ぎ陣の踏ん張りがあり、シーズン3位から日本シリーズへと駒を進めた。
投手の分業制があたりまえとなった昨今のプロ野球において、中継ぎ陣の重要性はあまりに大きい。その土台となるのが「勝ちパターン」。守護神、セットアッパーを固定し、そこから逆算して試合を進めていくのは、どこのチームも同じ。その「核」が崩れると、勝てる試合も落としてしまう。
もちろん、上位進出のためにパットンの力は欠かせない。配置転換なのか、登録抹消を経ての再調整なのか、それともこのままなのか……。ラミレス監督のチームマネジメントに注目が集まる。
※数字は2019年4月4日終了時点