◆ 大誤算の先発陣

 昨季のワールドシリーズ覇者で今季も優勝候補筆頭の呼び声が高いレッドソックスが苦しんでいる。

 今季開幕戦(現地時間3月28日)のマリナーズ戦でクリス・セールが打ち込まれ、4-12と大敗すると、その後も投打がかみ合わず、現在2勝6敗でア・リーグ東地区の最下位に沈んでいる。

 開幕からマリナーズとアスレチックス相手に、それぞれ敵地で1勝3敗と負け越し。ここまで消化した8試合は、いずれも5回裏を終えた時点でレッドソックスがビハインドという展開で、昨季のような試合運びができていない。

 最大の誤算は先発投手陣にある。開幕戦で炎上したセールは、自身2度目の登板で6回1失点と持ち直したが、打線の援護に恵まれず、0勝2敗スタート。そのセールも含めて、レッドソックスの先発投手はここまで0勝6敗、防御率はメジャーワーストの9.08と開幕ダッシュ失敗の最大の要因となっている。

 一方で救援陣は2勝0敗、防御率2.37と踏ん張っており、先発陣の復調が待たれるところ。ただし、昨季クレイグ・キンブレルが務めた守護神の座はいまだ確立されておらず、現在は安定している救援陣が今後チームのアキレス腱となる可能性も十分考えられる。

◆ 19年ぶりの連覇を目指して

 一方の打線は、4番指名打者のJ.D.マルティネスが絶好調だ。打率.364、3本塁打、8打点はいずれもチームトップ。逆にマルティネス以外のレギュラー野手の調子がまだ上がってきていない。それでも1試合平均得点は4.13(8試合で33得点)でほぼリーグ平均レベル。昨季MVPに輝いたムーキー・ベッツや若きスター、アンドルー・ベニンテンディらが調子を取り戻せば、得点力は一気に“通常モード”に突入するだろう。

 永遠のライバル、ヤンキースも3勝4敗と開幕ダッシュに成功したとは言えず、この地区はしばらく混戦模様になる可能性が高い。しかし数週間後には、昨季同様にライバルの2強がこの地区を支配していくだろう。

 西海岸での苦しい8連戦を終え、5日からはアリゾナでダイヤモンドバックスと3連戦を迎える。その後にようやくボストンでのホーム開幕戦を迎えるレッドソックス。今月中旬には敵地ニューヨークでヤンキースと2連戦が予定されているが、それまでに1つでも多く借金を返済しておきたい。

 ヤンキースが3連覇を成し遂げた2000年以降、連覇を成し遂げたチームはいないだけに、その険しい道のりを越え、19年ぶりの連覇を果たせるか注目だ。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

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この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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