外野陣にアクシデントが続出
開幕から6カードを終えて9勝7敗2分、パ・リーグ2位につけているソフトバンク。昨季はリーグ3連覇こそ逃したものの、クライマックスシリーズを勝ち上がって2年連続日本一の偉業を達成。今季はリーグの覇権奪回と日本一3連覇を目指す戦いがスタートした。
ところが、リーグ2位という成績とは裏腹にチームは危機的状況を迎えている。中村晃の負傷離脱を皮切りに、チームの顔である柳田悠岐も肉離れで戦線を離脱。外野のレギュラー格を次々にアクシデントが襲うと、穴を埋めるべくして昇格した福田秀平や長谷川勇也といったところも負傷で離脱を強いられるなど、嫌な流れが続いている。
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— イレブンスポーツ (@ElevenSportsJP) 2019年4月16日
▼ タマスタ筑後
残酷な天使のテーゼに乗って、鷹の背番号135が躍動!
育成・田城飛翔選手が4安打の大暴れ😮
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そんななか、4月17日のゲームでは上林誠知が死球を受けて途中交代。本職は内野の川島慶三や牧原大成といったところが外野で出場することを余儀なくされた。
幸いなことに上林は骨に異常は見られず、翌日の試合にはスタメンで出場。それでも、打撲を抱えながらの強行出場となっており、不安は常に付きまとう。
しかし、一軍の登録メンバーを見てみると、外野手登録は上林のほかに釜元豪とアルフレド・デスパイネの2人だけ。釜元はこのところセンターに定着しているが、デスパイネは開幕から指名打者での出場しかない。
そのため、上でも触れているように内野手登録の川島や牧原、そして育成から支配下になったばかりの周東佑京が外野を守るケースが増えている。この状況でも二軍から昇格したのは高卒3年目の内野手・三森大貴ということで、彼らは今後も外野を守ることが多くなるだろう。まさに危機的な状況だ。
▼ ソフトバンクの外野手(支配下)
7 中村 晃 [+]右脇腹を痛めて離脱中
9 柳田悠岐 [+]左ひざ裏の肉離れで離脱中
24 長谷川勇也 [+] 右足を痛めて離脱中
32 塚田正義 [+] 4月に右ひざの手術
37 福田秀平 [+] 左わき腹を痛めて離脱中
43 江川智晃 [+] 3月にヘルニアの手術(復帰まで3カ月見込み)
51 上林誠知 ☆一軍も、死球で打撲
54 アルフレド・デスパイネ ☆一軍(指名打者で出場中)
59 水谷 瞬
60 釜元 豪 ☆一軍
64 真砂勇介 ※11日に登録抹消、再昇格は21日以降
背番号「135」の救世主候補
上のリストからも分かる通り、救世主となる選手を探すのも困難な状態。しかし、“支配下”に限定していた視野を広げてみれば、おもしろい存在がいる。高卒3年目の20歳・田城飛翔だ。
名門・八戸学院光星高から2016年の育成ドラフト3位でソフトバンクに入団した右投左打の外野手。背番号は「135」と大きいが、今季はウエスタンでレギュラーに定着。ここまで19試合に出場して、打率はリーグ2位の.364と好成績を残している。
特に4月に入ってからギアを上げ、4月18日終了時点で10試合連続安打を記録。16日の広島戦では1試合4安打をマークするなど、チームの外野陣が苦しくなってきたところに合わせるように猛烈なアピールを見せている。
ソフトバンクの育成選手といえば、今やエースと正捕手に成長した千賀滉大と甲斐拓也を筆頭に、上で触れた牧原や周東といったところも育成出身。昨季も大竹耕太郎が育成契約の入団1年目ながら支配下を勝ち取ってローテーションに定着するなど、振り返ってみると毎年のようにチームの主力になる新星が誕生しているのだ。
チームにとっては大きなピンチであるが、田城にとっては大きなチャンス。支配下即デビューからチームの救世主となるか。鷹の「135」の今後に注目だ。
田城飛翔・プロフィール
生年月日:1999年3月19日(20歳)身長/体重:178センチ/67キロ
投打:右投左打
経歴:八戸学院光星高-ソフトバンク(2016年育成ドラフト3位)
[今季成績] 19試 率.364(55-20) 本0 点8 ※ファーム