ニュース 2019.04.18. 17:21

好調なヤクルトと楽天 大胆なスクイズを選択する理由

無断転載禁止
【プロ野球楽天対ソフトバンク】試合前、談笑をする楽天・平石洋介監督(右)と前監督の梨田昌孝氏(左)=楽天生命パーク 写真提供:産経新聞社
話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。本日は、4月のプロ野球から「スクイズ」にまつわるエピソードを取り上げる。

「完全に自分の失敗。チームに申し訳ない気持ちでいっぱいです」(ヤクルト・廣岡)

4月17日に神宮球場で行われた、ヤクルト-阪神戦。試合は阪神が4番・大山の2ランで先制。しかし、好調の首位・ヤクルトは、8回にバレンティンが2点タイムリーを放って追い付き、同点のまま、9回ウラ、1死3塁と、サヨナラのチャンスを作ります。
バッターは途中から出場した、4年目の若手・廣岡。今年はブレイクを期待されながら、開幕から12試合ノーヒットと結果が出ていませんでした。犠飛でもサヨナラの場面でしたが、廣岡はカウント2-2と追い込まれ、ここでヤクルト・小川監督が採った作戦は……何と「スリーバントスクイズ」。ピッチャーが投げると同時に、3塁走者の村上が猛然とスタートを切って本塁へ突入しました。

高校野球ではよくある作戦ですが、プロでは非常に珍しく、阪神バッテリーも完全に無警戒。ところが、ジョンソンが投じた球は、外角低めに落ちるスライダーでした。廣岡はバットに当てることができず、突っ込んだ村上は本塁目前で挟まれ、タッチアウト。三振ゲッツーで、延長戦に突入となったのです。

試合は結局、延長12回の末、引き分けとなりましたが、追い付いてからはヤクルトに勝機が多かった試合。ヤクルトファンの間では「なぜ、あそこでスクイズ?」という声も挙がりましたが、小川監督は「そういう選択をした」と、失敗した廣岡を責めませんでした。
阪神バッテリーはスクイズを見破れず、ボールを外しに行かなかったので、廣岡が何とかバットに当て、前に転がしていればサヨナラだったのです。そう考えると作戦自体は間違いではなく、むしろスクイズを敢行したことで「ヤクルトは何をやって来るか分からないぞ」と思わせることに意味がある……そんな策士・小川監督の意図も見えて来ます。

実は小川監督、2018年のオープン戦から廣岡には何度かスクイズを命じており、成功させたこともあるのです。廣岡にとってもいい教訓になったでしょうし、こういったところに「育てて勝つ」ヤクルトの強さがあるような気がします。

スクイズを成功させるには「相手の裏をかく」ことが重要ですが、先日もスクイズをめぐる印象的なシーンがありました。
12日に行われた、パ・リーグ首位決戦・楽天−ソフトバンク戦(楽天生命パーク)。2-2の同点で迎えた8回ウラ、1死3塁のチャンスを迎えた楽天は、9番・オコエに代えて、チーム屈指のバントの名手・渡辺直を代打に送ります。
ソフトバンクバッテリー(モイネロ−甲斐)は当然、スクイズを警戒。ところが楽天・平石監督が出した指示は「自由に打っていい」。指揮官と同い年のベテラン・渡辺直は、試合後にこう語りました。

「スクイズは頭になかった。9割5分、打って返すつもりだった」

しかし当然ですが、ソフトバンクバッテリーはスクイズを警戒します。モイネロは「いつ仕掛けて来るんだ?」という重圧に耐えきれず、渡辺に死球を与えてしまいます。すかさず平石監督は、足の速い橋本を代走に送ってさらにプレッシャーをかけ、甲斐のパスボールを誘って勝ち越し。
なおも1死3塁となった場面で、1番・田中和基に平石監督は耳打ちします。「スクイズで行くぞ」。カウント2ボールになったところで、3塁走者・橋本がスタート。田中はみごとスクイズを決め、4-2で楽天が勝利。首位を守ったのです。

「整いましたね、状況が。(タイミングを)探っていたんですけど、いい流れがきた。ひるんでもしょうがない。(田中)和基を信頼して出した」

バントの名手を「おとり」に使い、その後の若手にスクイズを敢行させた「2段構え作戦」がまんまと当たり、してやったりの平石監督。則本・岸の両エースを故障で欠きながら単独首位にいるのは、こういった大胆な采配もあってのことなのです。

開幕前の予想を覆して首位にいる、ヤクルトと楽天(4/17現在)。こういう思いきった采配が振るえるのも、選手の能力をよく見極め、信頼しているからこそ。今後も両監督の采配に注目です。

【PR】東京ヤクルトスワローズを観戦するなら「DAZN Baseball」

Bクラスからの王座奪還を目指すヤクルトは村上宗隆と山田哲人の復活がカギを握る。2年目の吉村貢司郎を筆頭に若手投手の成長にも注目!

「DAZN Baseball」とは、月額2,300円(税込)でDAZNのプロ野球コンテンツをすべて楽しめるプランです(月々払いの年間プランのみ)。

プロ野球だけを楽しみたい方は、月額4,200円(税込)のDAZN Standard​よりも1,900円お得に視聴できます。

POINT

ペナントシリーズ、交流戦、CSまで余さず堪能できる!

② オフシーズンもドキュメンタリーやバズリプレイなどコンテンツが充実!

毎月2,300円でライブ配信・見逃し配信・ハイライトまで視聴可能!

【PR】「DMM×DAZNホーダイ」でプロ野球を観よう!

「DMM×DAZNホーダイ」とは、DMMプレミアムとDAZN Standardをセットで利用できるプラン。

単体契約ならDMMプレミアム月額550円(税込)、DAZN Standard月額4,200円(税込)のところ、本プランなら月額3,480円(税込)だからとってもお得です。

POINT

① 「DMM×DAZNホーダイ」なら単体契約より月額1,270円(税込)も安い!

② DAZNだけの契約と比較しても月額720円(税込)お得に楽しめる!

③ 新規入会月から最大3カ月間、「DMMポイント」を550ポイント付与!

ポスト シェア 送る
  • ショウアップナイター
  • ベースボールキング
FM