真中満

◆ “平成最後”の「東京対決」

 ゴールデンウィーク(GW)も間近に迫り、いよいよ31年つづいた平成もカウントダウンに入った。そして首都“TOKYO”では、10連休となるGWの前後に、「平成最後と、令和最初の、東京対決。」と銘うたれた『オープンハウス TOKYO シリーズ 2019』が行われる。

 今年で5年目を迎える「TOKYOシリーズ」は、東京に本拠地を置く両チームの対戦を通し、東京のスポーツシーンを盛り上げていく毎年恒例の企画。奇しくも今年は、4月23日(火)~25日(木)に明治神宮野球場で行われるヤクルト-巨人戦は、“平成最後”の「東京対決」で、5月10日(金)~12日(日)に東京ドームで行われる巨人-ヤクルト戦は、“令和最初”の「東京対決」となる。

 その「東京対決」を前に、平成のヤクルトを選手として、そしてコーチ・監督として戦ってきた、現ニッポン放送解説者の真中満さんに、ここまでのヤクルト&巨人の状態や、間近にせまった『オープンハウス TOKYO シリーズ 2019』の展望などを語ってもらった。

真中さんが語る“平成最後”の東京対決
真中さんが期待を寄せる、令和の“ミスターTOKYO”候補

◆ プロ野球の象徴を叩いてこそ

 「子どもの頃から地上波を含めて報道されるのはジャイアンツが中心だったので、プロ野球といえばジャイアンツというイメージ。僕らはジャイアンツの選手のばかり見てきた」という栃木県出身の真中少年にとって巨人は、プロ野球そのものだった。

 そんななか、本人は1992年のドラフトでヤクルトからの指名を受ける。折しも、1990年(平成2年)に野村克也監督がヤクルトの指揮官に就任。翌年には11年ぶりのAクラスでシーズンを終え、92年(平成4年)にはセ・リーグを制覇。ヤクルトが徐々に強くなってきた時代だ。「どちらかというと、すごいジャイアンツをやっつけたいというアンチ的な学生時代を過ごしていた」という真中さんは、「ヤクルトに入れて正直よかった」と振り返る。

真中満

「ヤクルトに入ってチームの雰囲気を見ると、当時は野村監督で、やはりアンチジャイアンツ。ジャイアンツを叩かないことにはプロ野球は成り立たないといった、野村監督でしたからね(笑)。そこは僕にピッタリはまったというか、アンチという言い方は微妙ですけど、とにかくジャイアンツに勝って上に昇るというようなイメージでしたね。」

「同じ東京のチームでもありますし、強いチームでもあったので、チャレンジャーとしてジャイアンツとどこまで戦うかみたいな展開だった。ジャイアンツはバチバチ意識していましたよ。僕らもジャイアンツ戦くらいしかテレビに映らないわけですから、ジャイアンツ戦のときくらいは野球を見ているファンになんとかアピールするぞ!というようなつもりでジャイアンツと戦っていた思いがありますね。」

◆ 外国人選手の流出も…

「当時はFAに加えて(ドラフトの)逆指名制度もあり、ジャイアンツは良い選手をどんどん獲れていたいた。ヤクルトはどちらかというと、獲ってきた選手を使わざるを得なかった。そこで起用しているうちに、選手が揃ってきたというイメージなので、ちょうどめぐり合わせが良かったのかなと思いますけどね。」

 この時代は、ハウエル、ペタジーニ、ラミレス、グライシンガー、ゴンサレスなど、ヤクルトで活躍したのちに巨人へ移籍する選手が非常に多かった。一般的には、「ジャイアンツはヤクルトの良い選手ばかり獲っていく」というイメージを持っているが、真中さんは「僕らはそれほど感じていなかった。特に僕は外野手だったので、外野手の良いライバルがジャイアンツに行くと僕の出番は増えますから(笑)それもひとつプラスに考えて、その部分に関してやっかみみたいなのはなかった」と振り返る。

真中満

「ジャック・ハウエル、ペタジーニ、ラミレスもそうですかね。ま、ラミレスの場合は契約の問題でね。ジャイアンツのお金に目がくらんだわけではなく、ヤクルトと契約できなかったからジャイアンツに行ったので、その辺は色々ありますけど、グライシンガーも含めて良い選手はジャイアンツに行ってましたね(笑)」

◆ 優勝を争った両者

 そんな巨人との一戦で記憶に残る、印象に残る試合を尋ねると、真っ先に出てきたのは、喜ばしいものではなく、悔しい記憶だった。

「僕が印象に残っているのは、入団の3年目くらいかな。試合終盤の同点くらいの場面で、ショートの後方にフライが上がったんですよ。池山さんがショートで、僕がセンターで、お見合いみたいな感じでフライを落としてしまった。そこから6~7点入って負けた試合があったんですけど、その試合は非常に悔しかったというか、今でもすごい印象に残っている。あそこで捕っていればというタラレバなんですけどね。そのワンプレーでプロ野球の厳しさを感じた試合だった。」

「良い方の試合だと、9回に僕が東京ドームで勝ち越しのタイムリーを打った試合があって、9回のウラに追いつかれて、延長に僕がホームランを打って勝った試合があった。1997年くらいかな。7連勝か8連勝目の試合で非常にインパクトのある一本だったね。」

 そして、選手としてだけでなく、指揮官としてもジャイアンツとの「東京対決」に幾度となく臨んできた真中さんの印象に強く残っているのが、リーグ優勝を成し遂げた2015年の9月27日に東京ドームで行われた一戦だった。

真中

「優勝した2015年に、シーズンも残り5~6試合というところで東京ドーム2連戦があったんですよ。で、1ゲームあるかないかのところだったので、連敗すれば苦しい、連勝すれば有利というところで、1戦目を落とした2戦目の試合がすごいインパクトがあった。」

「石川と菅野の投げ合いで、結果的には2-1で勝ったんですけど、お互いに出来がよくて、石川のタイムリーで先制したんですけど、5回で石川を代えたんですよ。で、6回、7回、8回、9回と中継ぎをうまくつないで、ゼロで抑えたんですけど、その試合の長さというか、7回からピンチつくって抑えて、ピンチ作って抑えてという展開があったので、非常に苦しいというか、長い試合というか、勝った瞬間のホッとした感覚というのは非常に覚えていますね。」

「そこでマジックが点灯したんですけど、あの試合を落としていたらと考えると非常に怖い試合だったので、インパクトのある試合でしたね。」

 結局、6投手による継投で必死の逃げ切りを見せたヤクルトが、リーグ3連覇中の巨人相手に敵地で競り勝ち、マジック「3」が点灯。そこから5日後の10月2日、神宮でのシーズン最終戦で阪神との延長戦を制し、2試合を残して14年ぶりのリーグ優勝を決めた。

 あれから4年、ここ3年は広島に独走を許してきた巨人とヤクルトだったが、今年はここまで“首都”東京の2チームがセ界をけん引している。平成最後の「東京対決」で両者がどのような戦いを見せるのか、要注目だ。

真中さんが語る“平成最後”の東京対決
真中さんが期待を寄せる、令和の“ミスターTOKYO”候補

◆ 神宮の看板直撃弾で東京の家1軒!?

 神宮球場の看板にホームランを直撃したスワローズ選手に「東京の家」をプレゼントする大型企画『オープンハウス・ホームラン賞』が今年も進行中。2016年の企画スタート以来4年越しの実現に向け、今年はトライビジョン横のロゴマークが約2倍になり、「東京に家を持つチャンス」も2倍になった。

 2018年にトライビジョンホームランを打ちこんだ青木宣親選手は、ロゴマークが2倍になったことについて「かなり大きくなった印象。今年こそは、だれか家一軒とってほしいですね」とコメント。今年の5本塁打中、神宮では4本のアーチを描いており、大きな期待がかかる(5月2日終了時点)。

 また、青木同様4本の本塁打を神宮で放ち、昨季の38本塁打中24本をレフトスタンドに放り込んだバレンティン選手「今年はビッグチャンス!できればレフトスタンドにもチャンス欲しいね。当たったら、小川監督にプレゼントします」と述べ、監督孝行を誓っている。

 ちなみに今年のヤクルトは、ここまでチーム全体で39本(30試合)の本塁打を放っているが、神宮では15試合で23本塁打を記録しており、期待は高まる。

▼ チーム別本塁打(神宮)
巨 人:7本(3試合)
広 島:6本(3試合)
DeNA:4本(3試合)
中 日:5本(3試合)
阪 神:2本(2試合)
※数字は5月2日終了時点

◆ オープンハウス・ホームラン賞の概要

①明治神宮球場バックスクリーン上部の看板(スローガンおよび社名ロゴ)、またはトライビジョン横の社名ロゴに、ホームランを直接当てたスワローズの選手に「東京の家」1軒プレゼント。

②トライビジョンの画面(インプレー時は広告が表示されません)に当てた場合には、ホームランを打った選手の直筆サインボールを、当日来場ポイント付与した「SWALLOWS CREW」の中から1名にプレゼント。
※対象試合:2019年度ヤクルト球団主催プロ野球公式戦ならびにクライマックスシリーズ


◆ 2018年の『オープンハウス・ホームラン賞』
第1号:青木宣親選手(6/5、ソフトバンク戦)
第2号:山田哲人選手(6/30、阪神戦、通算150号)
第3号:西浦直亨選手(8/19、阪神戦)
※3本とも上記概要の②に該当し、①に該当する「東京の家」を獲得した選手はまだいない

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この記事を書いたのは

ベースボールキング編集部

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