【プロ野球広島対中日】4回 サビエル・バティスタのヒットで1塁からホームへ向かい激走していた長野久義は3本間で転倒=マツダスタジアム 撮影日2019年04月25日 提供産経新聞

話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。本日は、4月23日~25日の中日3連戦にスタメン出場。めったにない“珍プレー”も見せつつ、チームの7連勝に貢献した広島・長野久義選手のエピソードを取り上げる。

25日、平成最後のマツダスタジアムでの公式戦となった、広島-中日戦。開幕以来、予想外の不振に苦しみ、16日、巨人に敗れた時点で今季最大の「借金8」を抱えたカープですが、17日に巨人の守護神・クックを攻略。土壇場で逆転勝ちを収めてから、連勝街道がスタートしました。崩壊寸前だった投手陣が立ち直り、DeNAを3タテ。中日にも連勝して6連勝。借金はいつの間にか「2」に減り、最下位から4位に浮上したのです。

実はこの中日3連戦、広島は、主砲・鈴木誠也が体調不良(右足を負傷?)のため3試合とも欠場するという緊急事態に見舞われましたが、代わって3試合とも「3番・ライト」で出場したのが、今季、巨人から移籍した長野でした。連勝中に突然4番不在となれば、チームの士気が下がりそうなところですが、さすがは長野。ベンチ内を明るく盛り上げ、24日の第2戦では3回、菊池涼介に続いて、2者連続となる2号ホームランを放ちました。本拠地・マツダスタジアムでは、移籍後待望の初アーチ。

「入るとは思わなかった。いい風に乗ってくれました。超満員のファンに応援してもらって、(それが)力になっている」

丸のFA移籍に伴う人的補償で、カープにやって来た長野。カープファンは「よく来てくれた!」と大歓迎。打席に立つたびに、毎回大歓声が上がっています。

25日、7連勝を懸けた中日との第3戦。エース・大瀬良を立てて臨んだ広島でしたが、打線が中日先発の新外国人・ロメロを打ちあぐね、序盤は0-0と投手戦のムード。4回、広島は1死から長野がヒットで出塁し、先制のチャンスを作ります。続く4番・バティスタが3塁線を破る長打を放ち、長野は3塁を蹴って、そのままホームイン……と誰もが思ったその瞬間、信じられないことが起こりました。

なんと、3塁ベースを回ったところで長野の足がもつれ、前のめりに転倒!慌てて起き上がりましたが、時すでに遅し。その間にボールは右翼・福田から捕手・加藤に転送され、長野は逃げる間もなく、ホーム目前でタッチアウトになってしまったのです……。

「振り向いたら(長野が)コケていた。ボケーッと立っていた」(広島・広瀬コーチ)

3塁コーチも本人も茫然とするしかなかった、前代未聞の珍プレー。結局、この回は無得点に終わりましたが、攻守交代で長野がライトの守備につく際、罵声が飛ぶどころか、スタンドから温かい拍手が送られたのです!「転んだのは仕方ないけぇ、次、頑張るんじゃ!」……いかに長野がカープファンから愛されているかを示す、印象的なワンシーンでした。

試合は8回、長野はこのミスを挽回する、地味ですが貴重な働きをします。8回、無死一塁の場面で、1塁ランナー・菊池涼を進めるセカンドゴロ。続くバティスタが三線、野間が死球で2死1・2塁としたところで、會澤に決勝の2点タイムリー2塁打が飛び出し、これで勝負ありました。9回も大瀬良がそのままマウンドに上がり、5年ぶりの完封勝利。7連勝でついに借金1、完済に王手をかけたのです。試合後、緒方監督は、長野のセカンドゴロについて

「いいつなぎだった」

と、チャンスをお膳立てして、後続に回したことを高く評価しました。また、お立ち台に立った會澤も、長野の走塁について聞かれると、ニヤリとして

「僕からは何も言えないです。後輩だったら言いますけど……」

いずれにせよ、勝ったことで長野のミスは致命的な失敗にならず、むしろカープナインに「格好の突っ込みネタ」を提供した形になりました。主砲不在を、陽気なキャラクターとプレー両面でカバーしたベテラン・長野は、4連覇を狙うチームにとって欠かせない存在なのです。

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ベースボールキング編集部

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