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若手たちの躍進は!? 令和のTOKYO対決はコイツに注目

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ヤクルト・村上(左)と巨人・岡本

いよいよ新時代へ


 首都“TOKYO”を本拠地とする2チームによる「平成最後の東京対決」が終了。ゴールデンウィーク(GW)もはじまり、31年つづいた“平成”も残りわずかとなった。

 そこでベースボールキングでは、「令和最初の東京対決」に向けて、平成のヤクルトと巨人を、その傍らで見続けてきた、スポーツライターの長谷川晶一さんと、野球ライターの中溝康隆さんにご協力いただき、“新時代”令和の“ミスター東京”候補について話を聞いた。


――令和を代表するミスターTOKYO候補たちは?
≪長谷川さん≫
ヤクルトでは、村上宗隆廣岡大志高橋奎二ですかね。

村上はヤクルトにはいままでいなかったタイプだと思うんですよ。左の大砲で日本人。杉浦享さんとかいたんですけど、ちょっとタイプが違う。村上は「筒香タイプ」ってよく言われますけど、ああいうタイプはいなかったんじゃないかなと。背番号55って“ゴジラ”松井秀喜さんから、“赤ゴジラ”の嶋重宣さんとか、T-岡田(オリックス)とか、他球団の55番っていうと左の大砲ってイメージがありますけど、ヤクルトはかつて野口祥順(00~14年:通算8本塁打)とかが付けていた。ヤクルトには「左の大砲」というイメージがなかったので、村上が初めて55番を「和製大砲」として背負ってくれそうだなという期待があります。

廣岡大志は背番号36、まんま池山隆寛なんですよね。大型ショートで、「36」で、全身をバネのように使えるフィジカルがある。天性の長距離バッター。村上みたいにどっしりとした体格から飛ばすのではなくて、池山さんみたいに、しなやかな体で全身のバネですごい打球を打つ。それはどうしても魅力的ですよね。僕はヤクルトの「背番号1」って思い入れがあるんですけど、現在の山田哲人の後の最有力候補として、池山さんも「36」から「1」になりましたからね。同じように背番号1の系譜を継いでほしいなとは思います。まだまだ穴は多いですけどね。

高橋奎二は、タイプは違うけど、ヤクルトの本格派左腕って石井一久さん以来あまり浮かばない。どうしても石川雅規が左のエースだったから、石川の絶妙な投球術も魅力的だけど、パワーピッチャーとして石井一久みたいになって欲しいという期待を込めて高橋奎二ですかね。


巨人は気になる若手がいっぱいいますよね。吉川尚輝はものすごく魅力的。ああいう選手こそヤクルトっぽい気もするんですけど、ただ巨人みたいな大物スターばっかりなチームだからこそ、より居場所が作れるんじゃないかなと思うんですよね。

あと、敵ながらもどかしいのは小林誠司ですよね。大城卓三がすごいとか、宇佐見真吾がすごいとかもわからなくないし、炭谷銀仁朗を獲ってくるというのもいいんだけど、やっぱり菅野と組むだけじゃなくて、全部のピッチャーを受ける正捕手であってほしい。

一昨年のWBCでは小久保監督が正捕手不在に頭を悩ませていたそうなんですよ。2015年のプレミア12で呼んだヤクルトの中村悠平を正捕手に据えようと思っていたけど、16年は中村があまり良くなかった。そこで白羽の矢が立ったのが小林誠司。決め手にかけるところがあったようなことを仰っていたけど、WBCではミラクルな感じで打ってたじゃないですか(笑) ああいう部分も含めて華があるし、そういう何かを期待させるようなものがある。小林誠司には頑張ってほしいですね。

いま元ヤクルトの相川亮二さんが巨人のバッテリーコーチなので、相川さんの指導で小林誠司をもう一華咲かせて欲しいなと思いますね。1回だけ小林誠司をインタビューしたことあるんですけど、格好良いです。学校訪問で小学生の女の子が「格好良すぎる、良い匂いがした」って泣いたというエピソードもあるじゃないですか(笑) 取材したときに良い匂いしたんですよ。あの女の子が泣いたのはこの匂いか、と(笑)

【投票】ヤクルトのミスターTOKYO候補は?



≪中溝さん≫
正直、2000年代の最近は坂本勇人と山田哲人の時代だったと思うんです。で、ジャパンでも中心選手だった。じゃあ次の世代は……と考えた時に今年の東京シリーズをPRしていた2人、岡本和真村上宗隆というのは、それこそ令和の日本代表を背負うくらいのスラッガーだと思う。まあ巨人ファン的には、ドラフトで村上を1位指名しながらクジを外してるんで、夢のOM砲の実現はならなかったんですけど(笑)

当時の情報では、どうやら巨人は村上をまず捕手として指名したようなので、プロでも捕手をやっていたらこんなに早く一軍で出て来れなかった可能性が高い。だから、イチ野球ファンとしてはヤクルトに入って良かったんじゃないですかね。面構えもいいし、球界大物OBがテレビのインタビューで来て、それが終わると個人的に質問に行くようなハートの強さもある。アマ球界の実績や話題性じゃ清宮に先を行かれたけど、いつかこの学年は“村上世代”と呼ばれるかもしれませんよ。

岡本は昨年の史上最年少の3割30本100打点が話題になりましたけど、まだ22歳。今年の大卒ルーキーと同学年って考えると、本当にすごい選手だなと。4番打者としての働きはもちろん、やっぱり期待するのは50本塁打ですよね。平成の日本人野手ではゴジラ松井しか到達しなかった金字塔。巨人の長い歴史でも王貞治、松井秀喜の2人のみ。ここに「昭和の王、平成の松井、令和の岡本」ってなってくれたらファンとしてはもう最高でしょう。

あとは両チームとも、ヤクルトの廣岡大志とか、巨人の吉川尚輝とか、良い内野手というか、これからチームの中心にならなきゃいけない若い選手がいますよね。個人的には大城にも期待しています。ちょっと打席の雰囲気が小笠原道大を彷彿とさせるというか、ガッツと同じ社会人出身の捕手でドラフト3位の左打者ということもあるし、打てるキャッチャーはやっぱり魅力的、どれだけスタメンのチャンスがあるかは分かりませんが、“キャッチャー大城”だけでなく、“スラッガー大城”にも注目していきたい。

まあ若手投手の方ではお互い苦労してるな……っていうのも正直ありますが(笑)もちろん若手だけじゃなく、平成を生き抜いた男たち、ヤクルトの青木、巨人の上原という、レジェンド枠も令和で引き続き見たいなというのもあります。「オレはまだ終わらねぇぞ」って、自分と同世代のベテラン選手に肩入れするっていうのもプロ野球観戦の魅力じゃないですか。

あとはやはりTOKYOシリーズなので、東京出身のスター選手。巨人の場合はあまりいないんですけど、ちょっと両チームともそこは地域密着として、もう少し発掘してほしい(笑) (かつて巨人でプレーした)矢野謙次は、東京の三鷹市出身で、國學院久我山高から國學院大學でしたけどね。野球ファンとしては、東京ダービーと言っているわりには、東京の選手、あんまりいないじゃんと(笑)そこは期待したいところ。それこそ鈴木誠也みたいな下町から出てくるスターみたいな。近い将来、そういう東京を舞台にしたサクセスストーリーは見てみたいなと。

【投票】巨人のミスターTOKYO候補は?



いざ、令和最初の東京対決へ!


――「東京シリーズ」で期待する戦いは?
≪長谷川さん≫
巨人対阪神を「伝統の一戦」って言うじゃないですか。もちろんそれに異論はないんですけど、ただ同じ東京を本拠地とするヤクルトと巨人っていうのも長年の因縁があることは間違いない。

V9とかで巨人の歴史だとか実績がすご過ぎたので、ヤクルトとか眼中になかったと思うんですよね。相手にもされてなかったと思うんだけど、平成になって野村監督時代にヤクルトが頑張った。今季の戦いを見ても、巨人に対して引け目を感じる必要は無いと思っている。なにしろ、巨人の大エース菅野智之から、3連続ホームランを打ったわけですから(笑)

堂々と東京の威信をかけて戦って欲しいし、あえて挑発的な言い方をするならば「東京に2つのチームはいらない」と(笑) "東京"を冠につけているのはヤクルトですからね。東京ヤクルトスワローズであって、向こうは東京読売ジャイアンツではないわけですから。

単なる企業名でしかない読売ジャイアンツではなく、東京のヤクルトスワローズという意味で、まさに「東京」の威信をかけてガチンコで戦ってほしいと思います。


≪中溝さん≫
オレの中では、平成プロ野球を最初に引っ張ったのは巨人とヤクルトだと思っている。そしてイチローの登場と野茂の渡米によって新時代が始まった。

野村ヤクルトと長嶋巨人は、ちょっと昭和の野球っぽい。感情むき出しというか、いっつも乱闘していたイメージ(笑) あそこまで感情が見える戦いっていうのは最後じゃないですかね。野球界でそこまでむき出しで。それが野村さんと長嶋さんの戦いだったのかな。

当時の巨人-ヤクルトがなぜ面白かったかと言ったら、両チームの力が競っていて、毎年のようにセ・リーグの優勝はどちらのチームかっていう状況だったから。東京のチーム同士でそういった状況は、長いプロ野球史で、この時期しかなかったと思う。

いやらしい話、昭和はどうしても巨人が大きくリードしていたし、長年けっこうお得意様にしていた、ヤクルト、大洋、みたいな感じだったのが、ヤクルトが強くなって、巨人もなりふり構わず主力を引き抜いたり、バリバリに意識するようになった。東京ダービーのはしりというか、はじまりは、あの90年代だった。

それが近年はちょっと薄れてきてるかな……とも感じていたんですが、今シーズンは両チームが首位争いをしているじゃないですか。先日の首位攻防の神宮3連戦も色々あってめちゃくちゃ面白かった。巨人が連勝したと思ったら、3戦目でエース菅野がまさかの3連発を浴びるという……。あれで菅野が次のヤクルト戦先発でどんな投球をするのかみたいな因縁が生まれるわけだから。これからもTOKYOシリーズは、令和の名勝負数え唄として期待したいですね。


令和の名勝負数え唄として


 令和最初の東京シリーズを前に、いよいよ始まったGWシリーズ。ヤクルトは12連戦、巨人は10連戦に臨み、5月10日(金)からは「令和最初のTOKYOシリーズ」で顔を合わせることになる。間近に迫った新時代、東京に本拠地を置く両チームの熱い戦いに注目だ。
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