二軍で防御率1.62
ロッテの成田翔は4月12日の日本ハムとの二軍戦で失点し、春季キャンプから続いていた実戦での連続無失点が16試合で途切れたが、それ以降も安定した投球を披露している。
二軍で好投を続けているが、一軍のリリーフ陣はリーグ2位の救援防御率2.50をマークしていることもあり、今季はまだ一軍に昇格できていない。
「やることは変わらないと思う。いつチャンスがきてもおかしくないと思うので、そのチャンスをモノにできるように下で準備したいと思います」。
5月7日終了時点で成田は、イースタン・リーグトップタイの18試合に登板。防御率は1.62と抜群の安定感を見せる。
投球の軸になる直球とスライダー
ここ最近の成田の投球を見ていると、特に武器であるスライダーが素晴らしい。4月28日のヤクルトとの二軍戦で、渡辺大樹に投じたスライダーはわずかにファウルとなったが、大きく曲がり、今季見てきた中でもかなり良いボールだった。
成田に聞いてみると、「あれはよかったと思います」と振り返った。ただ、「あれで空振りを取れなければダメだと思っていたので、その一発に仕留められるようにしたいと思います」と反省を忘れない。
ストレートも4月23日の巨人との二軍戦で、立岡宗一郎に3ボール2ストライクから投じた6球目の外角ストレートがズバッと決まり、成田の地元・秋田で行われた5月1日の楽天戦との二軍戦では岩見雅紀を外角のストレートで空振り三振に仕留めた。
二死走者なしから岩見を三振に取ったあと、マウンド上で雄叫びをあげた。本人は「自然と出ました。秋田なのでプレッシャーもあった」と話し、「フォーム自体もよかったですし、決めにいった球でしっかり空振りが取れたのでいいかなと思います」と本人も納得のいく1球となった。
「ストレートとスライダーの2球種で、外でカウントが取れていますし、(ストレートとスライダーの)コンビネーションはいいと思う。ただ外だけだと打たれると思うので、そこでインコースでしっかりツーシーム、チェンジアップがついてければ、バッターに的を絞らせないかなと思います」。
「松永さんを脅かす存在になれれば」
成田は一軍昇格を目指し二軍でアピールを続ける中、同じ高卒でプロ入りした5年目の岩下大輝、3年目の種市篤暉が一軍の先発ローテーションで奮闘している。
岩下や種市の存在について、成田は「自分は自分。活躍しているのはすごいなと思いますが、ポジションは違いますし、そこまで気にしていないです」と周りを気にすることなく、今は一軍に上がった時に戦力になれるよう自分の技術を磨く。
「自分も上がったときには落ちてこないよう結果を出していけるように、それこそ松永さんを脅かすような存在になれればチームとしても強くなるし、僕も成長していけると思う。そういうピッチャーを目指してやっていきたい」と目標を掲げた。
「状態はずっといいと思いますので、悪い状態になったとしても、最低限のピッチングができるようにしっかり準備をしていきたい」。一軍に呼ばれたときにすぐに戦力になれるよう、引き続き二軍で結果を残していく。
取材・文=岩下雄太