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今年は一味違う?離脱者続出も奮闘のヤクルト

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巨人に勝利し、タッチを交わす高梨(左端)らヤクルトナイン=東京ドーム(C)KYODO NEWS IMAGES

「開幕スタメン」残るは2人!?


 ヤクルトが主力を大量に欠きながら、ゴールデンウィーク明け最初のカードを勝ち越した。巨人との首位攻防カードを2勝1敗で制し、ゲーム差を縮めたことは大きいが、何よりも現在のチーム状況を考えれば非常に大きな勝ち越しだったと言えるだろう。

 ヤクルトはゴールデンウィークの12連戦を6勝5敗1分けで乗り切るも、この間にクローザーの石山泰稚と主砲のバレンティンが故障離脱。連休が明けて迎えた「令和最初のTOKYOシリーズ」を青木宣親が体調不良で欠場し、2戦目の途中に山田哲人も上半身のコンディション不良でベンチに退いた。

 開幕早々に切り込み隊長の坂口智隆を欠き、ここにきて相次いで打の柱を欠く緊急事態。カード勝ち越しを決めた5月12日・巨人戦のスタメンと、開幕戦のメンバーを並べると、ヤクルトの首脳陣がいかに苦しいやりくりを強いられているかがわかる。

▼ 3月29日・開幕戦スタメン
(一)坂口智隆 4/1 抹消
(中)青木宣親 5/10 途中交代
(二)山田哲人 5/11 途中交代
(左)バレンティン 5/3 抹消
(右)雄平
(三)村上宗隆
(遊)広岡大志 4/19 抹消
(捕)中村悠平
(投)小川泰弘

▼ 5月12日・巨人戦スタメン
(三)太田賢吾 4/2 登録
(左)山崎晃大朗 5/6 登録
(右)雄平
(一)村上宗隆  
(遊)西浦直亨 5/13 抹消
(二)宮本 丈 5/6 登録
(中)塩見泰隆 5/11 登録
(捕)井野 卓 4/21 登録
(投)高梨裕稔

 こうして比べると、投手と複数体制をとる捕手を除けば、開幕戦でスタメン入りした選手で残っているのは雄平と村上宗隆の2人のみ。開幕から1カ月半が経過し、どの球団もチーム状況に応じて試行錯誤を強いられているとはいえ、ここまでの事態になるとは思ってもみなかったはずだ。


バックアッパーが放つ希望の輝き


 かつてのヤクルトであれば故障者続出をきっかけにチームも下降線を辿っていたところだったが、チームが崩壊してもおかしくないほど大量の離脱者を出しながら、首位巨人を相手に2連勝でカード勝ち越しを決めた。その陰には、投手陣の好投に加えて、バックアップとして出場している若手野手たちの働きも見逃せない。

 そのひとりが4年目を迎えた山崎晃大朗だ。今季は故障の上田剛史に代わって5月6日に初昇格。昇格直後は荒木貴裕との併用が続いたが、東京ドームでの3連戦ではいずれも「2番」で先発出場し、3戦連続で安打をマークした(13打数6安打)。“バックアップのバックアップ”という立場で今季を迎えたが、味方の故障離脱で得た出場機会をモノにすべく必死のアピールを続けている。

 そして、今春に日本ハムからトレードで加入した太田賢吾の存在も大きい。開幕こそ二軍スタートだったが、そのファームで受けた川端慎吾のアドバイスをきっかけに打撃向上の糸口を掴んだ。故障の坂口に代わって4月2日に一軍昇格を果たすと、4月の月間打率.319で「1番」のポジションをつかむ。このところはやや打率を落としてきていたが、直近の巨人3連戦で2戦続けて適時打を放つなど、勝負強い打撃でチームを連勝に導いた。

 また、開幕からチームで唯一全試合出場を続けている19歳の村上宗隆は、はやくも“主軸のひとり”として活躍している。山田哲が途中交代した11日には、高卒2年目で2ケタ10号に乗せる先制弾。12日には打順を繰り上げる形でプロ入り後はじめて「4番」の座に座った。4番で快音とはいかなかったが、今季10本塁打は堂々のチームトップ。打点も山田哲人と並びリーグ3位タイ(27打点)と、10代であることを感じさせない佇まいで、いまや打線の主軸となっている。


 なお、出場を見送っていた山田、青木は14日からの広島遠征に帯同する見込みで、坂口もファームで実戦に戻っており、一軍復帰が近づいてきた。彼らが戦列に復帰するに越したことはないが、そこをカバーしてきた若手選手の活躍はヤクルト首脳陣、ファンにとっても頼もしい限りだろう。

 まだまだシーズンは序盤。チームの底力を問われるのはこれからだが、それでも緊急事態で挑んだ首位攻防3連戦で見せた戦いは、戦力の底上げを感じさせるものだった。「ヤ戦病院」と揶揄されてきたヤクルトが、今季終了後にどの位置にいるのか――。今後のツバメ軍団の戦いぶりにも注目したい。
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