ニュース 2019.05.20. 11:30

開幕からまもなく2カ月!2019シーズン序盤戦を振り返る

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巨人・坂本勇人(C)KYODO NEWS IMAGES

原監督の心意気と


 ペナントレースが始まって間もなく2カ月ですが、皆さんは贔屓チームをどのようにご覧になっているのか。まずセントラルリーグでは、ジャイアンツの心意気といいますか、これはジャイアンツというか原監督の心意気ですね。

 絶対に優勝というものを背負ってジャイアンツのユニホームを着た原監督。とにかく後へ引く事ができないので、「絶対優勝」の決意でスタートから入っています。そういう戦い方が随所に見られますね。

 幸い原監督の期待通り、良く打って打線が機能しているような感じですね。それに乗せられて坂本が絶好調のスタートを切った。岡本はホームランがしばらく出ないなど、苦労していますけど、まだゲームは沢山残っているし、去年の実績もあります。彼は故障しない強い体を持っているので、年間を通じてコンスタントに働いてくれると思います。

 それから亀井。後半に少しへばってくるかもしれませんが、いまのところ元気で勝負強い打撃を見せ、流石ベテランという味を出している。坂本、丸、岡本という主力に、亀井というベテラン、さらに山本、重信、田中俊太といった多少脇役的な選手ではあるけれど、彼ら若手も攻守にわたってチームに活力を与えている。

 それらが全部混ざって原監督に強気のサインを、采配をもたらしているのではないかと思いますが、いずれにしてもジャイアンツは戦力が上手く噛み合ってきてますが、年間すべてがそうは上手くいかない。このチームが下火になった時に、原監督がどう操縦していくか、まあ彼は慣れていますからその辺は大丈夫だと思います。


原監督の試行錯誤


 それから、原監督の思い切りというのを感じたのが5月6日、今から2週間ほど前ですが、ビヤヌエバとゲレーロを2人揃って登録抹消にして、ファームに落としました。これは思い切った事するなと思ったんですが、あの時点でビヤヌエバとゲレーロは、数字も悪いし体のコンディションもあまりよくなかったと思うんですけれど、特にビヤヌエバは日本がはじめてなので、あそこでへばっちゃうと、梅雨時に入ってさらにへばります。あそこでへばってしまうとどうしようもないので、あの時点で原監督は思い切りよく2人を一線から外して、それでファームに落として調整を命じた。これによって、ビヤヌエバもゲレーロも、なんとなく梅雨時を乗り切れるような感じを持ったのではないかと思いました。

 その抜けた後に、重信、山本、田中俊太が入り込んで、のびのびやっていますね。恐らく原監督に煽てられたり、若いコーチに煽てられたりしているんでしょう。元木さんなんかに。彼は煽て上手ですから、上手く乗せられているんではないでしょうか。ますますジャイアンツの戦力というのが熱くなってきたような気がします。

 問題は投手陣で、特にリリーフです。先発も足りない事は足りないんですが、菅野、山口、それからメルセデス、新人の高橋。高橋が使えて良かったですね。これが年間使えるかどうか。これも難しいところです。

 私は疑問に思っているのですが、今村も時々先発だといいピッチングをしますね。ヤングマンというのは良いのだか悪いのだか分かりません。畠はもうちょっと。いいものを持っているんですから、この辺で入ってくれればいいのですが、この辺も少しのんびりした所があるんでしょうね。

 問題は、リリーフで中川が原監督の要望に応えて色々とコンスタントに投げているのですが、何しろ1シーズン年間を通して働いたというまだ経験がないので、これから暑い夏、梅雨、中川がいったいどれくらい体力的に持つかというと、ちょっと気になります。

 そしてマシソン。今年は特にキャンプもやっていないので、いわゆる強い体を作るという手順が抜けている。マシソンがどれくらい期待できるのか。彼が仕上がってくると、ボールも速いし日本の野球もよく知っているので、復活が待たれるところです。しかし、どこの球団が見ても投手陣が完璧という事はなかなかないので、どうやりくりしていくかというチーム力が一番だと思いますね。


どうなる?!パ・リーグ


 それからパ・リーグですが、これは面白いですね。交流戦でも分かるように、パ・リーグの実力というのはセより上です。人気実力共にセのほうが上と言われていましたけれど、指名打者制の導入とか、ドラフトで良い選手を巧みに指名していって、人気実力共に完全にセ・リーグを上回っている形です。セ・リーグは、交流戦でどの程度に被害を抑えるかという事に精一杯で、そういった意味でもパ・リーグがのびのびとペナントレースをやっているように思います。

 ただ、ソフトバンクは、柳田と中村が不在。内川も万全ではないし、上林も登録抹消中です。柳田、中村、上林、この3人が完全に戦力から離れているので、いくら戦力があるといっても、この辺りをどういう風に他の選手が補っていくのか。それから武田が先発でピリッとしないと、工藤監督も苦しいんじゃないのという感じですけれど、幸いな事に今年は千賀が好調で投手陣の中心になっています。

 西武は相変わらず打ちますね。面白いです。菊池、浅村が抜けましたけど、ガンガン点を取ったらいいんだろうという事で野球をやっていますね。あとは、これが1年間続くかどうか。楽天も同じような野球やっています。岸と則本を欠いて、これだけ頑張っているんですから。あのウィーラーとブラッシュという大型外国人2人が非常に人気があるようで非常に面白いですね。

 楽天は野球以外でも、球場を全面キャッシュレスにするなど、色々やっています。球場へ行ったらキャッシュは使えない。これがスムーズに機能していて、物を買う時に待たずに済むということで、ファンにも喜ばれているなど、楽天らしい新しい手を使っています。

 それからロッテは、強いんだか弱いんだか分からない。井上とか中村とか、角中がもっと打てばもっと熱くなってくると思います。日本ハムは、先発投手にリリーフ投手を持ってきて、本当の主戦投手を真ん中に使ったり、栗山監督が色々やっているということは、やっぱり投手陣が苦しいという事ですかね。

 オリックスは、宮内オーナーがシーズン始まる前に「私もかなり年をとった。もう色々先のことを考えていかなければならない。私が冥土へ行くお土産がまだ出来てないんだ。何とか監督、お土産を宜しく」と宮内監督に優勝しろというプレッシャーをかけています。宮内オーナーから見ると本当にそうだと思いますね。

 お金をかけてチームのフロント、主将にやりたいようにチームを任せておりました。なかなかいい選手がいるんだけれども成績が上がってこない。このオリックスあたりが本当に開き直ればもうちょっといいチームだと思うんですが、まあどうですかね。

 というように各チーム課題もあるし希望もあるし、色々抱えてこれから梅雨時、交流戦、夏場と入って行く訳で、本当にペナントレースはこれからが勝負所だと思います。


(ニッポン放送ショウアップナイター)
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