大逆転劇を演出
開幕から1カ月以上が経過。ゴールデンウィーク期間の大型連戦も終わったが、両リーグともに抜け出しかけたソフトバンクと巨人が連敗するなど、依然として混戦模様が続いている。
選手個人に注目してみると、5月に入ってようやく本来の力を発揮してきた選手も多い。15日の日本ハム戦で2本塁打6打点を記録し、楽天の大逆転劇を演出した新外国人のジャバリ・ブラッシュもそのひとり。
開幕当初から打撃が低迷しており4月19日の時点では打率.200、期待された本塁打もわずかに1本だった。しかし、4月20日からの7試合連続安打で息を吹き返すと、5月に入ってからの11試合で7本塁打を記録。本塁打に加えて打点もチームトップの34打点と、恐怖の7番打者として上位争いを演じているチームに貢献している。5月は月間打率.382(34-13)、7本塁打と好調。トータルでも打率.288(111-32)まで上昇させた。
現状はのびのびと打たせたいとの方針から下位打線に位置しているが、好調が続くようであれば当初期待されていた主軸としての役割を担うことになるかもしれない。
同じ楽天では、主将の銀次も調子が上がっている。4月終了時点では打率.228(92-21)と苦しんでいたが、5月に入ってからは打率.404(47-19)と絶好調。5月9日のソフトバンク戦では、自身5度目のサヨナラ打となるバスターを決め、12日のオリックス戦では5打数5安打の固め打ちを披露した。6番と7番に入ることが多い銀次とブラッシュにあたりが出始めたことで、チームに活気が戻ってきたことは間違いない。
セパのヒットメーカーも復調!
パ・リーグ連覇を目指す西武は秋山翔吾が調子を上げ、スタメン落ちを経験するなど不振をかこっていた外崎修汰も連日の本塁打でチームを勝利に導くなど、復調の兆しを見せてる。
今季から主に3番を務めている秋山は、4月末で打率.233(99-23)とらしからぬ結果に終わっていたが、5月に入ると復調。5月上旬の猛烈な勢いは落ち着いてきたが、それでも打率.388(49-19)を記録し、シーズントータルでも打率.284まで持ち直してきた。ここから、ヒットメーカーの本領発揮といきたいところ。
その他には、アルフレド・デスパイネ(ソフトバンク)も2割前半だった3.4月から一転、5月の月間打率.341(41-14)、7本塁打と当たりが戻ってきた。シーズントータルでも打率.259、10本塁打。チームは柳田悠岐や上林誠知、中村晃など離脱者が多く苦しい戦いが続いているだけに、日本球界6年目の主砲にかかる期待は大きい。
深刻な不振に陥っていたDeNAの宮崎敏郎も、未だシーズン打率が「.215」ながら、5月に入ってからは打率.341をマーク。打球も徐々に上がりはじめており、2年連続3割越えのヒットメーカーの今後には要注目。調子を取り戻してきた“実力者”たちが、ペナントレースにどのような影響を及ぼすのか、楽しみだ。
▼ 5月に入って調子を上げてきた選手たち
・ブラッシュ(楽天)
3・4月:打率.247(77-19)/5本/14打点
5月 :打率.382(34-13)/7本/20打点
・銀次(楽天)
3・4月:打率.228(92-21)/0本/9打点
5月 :打率.404(47-19)/0本/5打点
・秋山翔吾(西武)
3・4月:打率.232(99-23)/1本/9打点
5月 :打率.382(49-19)/5本/7打点
・デスパイネ(ソフトバンク)
3・4月:打率.224(98-22)/3本/10打点
5月 :打率.341(41-14)/7本/13打点
・宮崎敏郎(DeNA)
3・4月:打率.165(103-17)/2本/4打点
5月 :打率.341(41-14)/4本/20打点
※数字は5月16日終了時点
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初出時、該当のチーム名に誤りがございました。大変失礼いたしました。(※15時50分訂正)