2019.05.21 18:30 | ||||
埼玉西武ライオンズ | 7 | 終了 | 6 | 福岡ソフトバンクホークス |
那覇 |
両リーグ最速の20号
打った瞬間にそれとわかる打球が沖縄の夜空を切り裂いて左中間スタンドへ。右手を高々と突き上げた西武の山川穂高選手が、両リーグ最速で20号に到達した。
常々、故郷への愛を口にしてきた和製大砲が「今までの野球人生の中で一番うれしいホームラン」と振り返った一発は、生まれ故郷に錦を飾る決勝3ランとなった。昨季の本塁打王が4月の月間MVPを獲得した勢いそのままに、5月も本塁打を量産し続けている。
シーズンを通して試合に出場したことがなかった昨季序盤は、明確な数字を明言することは避けてきたが、今年はシーズン前から昨季の47本塁打を上回る「シーズン50本」を目標に掲げてきた。昨季は11本塁打を記録した3・4月から一転、5月に入ると不振に喘ぎ、月間の本塁打数は3本、打率.221と苦しんだ。
▼ 2018年月別成績
3月: 1本( 4打点)打率.400
4月:10本(29打点)打率.329
5月: 3本(13打点)打率.221
6月: 5本(17打点)打率.250
7月: 8本(16打点)打率.347
8月: 9本(17打点)打率.217
9月:10本(25打点)打率.337
10月: 1本( 3打点)打率.316
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通算:47本(124打点)打率.281
しかし、今年は5月に入っても調子を落とすことなく、本塁打のペースはむしろ上昇。7試合を残している現時点で5月の月間本塁打は9本。自己ベストの月間10本塁打(2018年の4月と9月)を上回りそうな勢いだ。
もちろん、本人が語っている通り、このままのペースがシーズンの最後まで続くとは限らない。それでも、43試合を消化した現時点で算出すると、シーズン「66本」のハイペース。否が応にも期待は高まってくる。
▼ 2019年月別成績
<※5月21日終了時点>
3月:2本( 5打点)打率.154
4月:9本(26打点)打率.289
5月:9本(19打点)打率.303
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通算:20本(50打点)打率.284
ケガすることなくシーズンを全うできれば、目標までは残り100試合で30本。相手チームの警戒心が強まる中では簡単なことではないが、実績と現在の数字だけを見れば、十分に達成可能な目標と言えそうだ。
ちなみに、西武の日本人選手では、“おかわりくん”こと中村剛也が記録した48本塁打(2009年と2011年)が最高で、球団内ではカブレラが2003年に50本塁打、2002年に55本塁打を記録している。まずは1本1本の積み重ねになるが、50本塁打の“その先”にまで期待したくなる。
昨年の結婚に続き、つい先日には長女も誕生。公私ともに充実の時間を過ごす“有言実行”の男は、シーズンが終わる頃、どんな高みに到達しているのか楽しみだ。
▼ 本塁打のシーズン記録
60本 2013年:バレンティン(ヤクルト)130試合
55本 1964年:王 貞治(巨 人)140試合
55本 2001年:ローズ (近 鉄)140試合
55本 2002年:カブレラ(西 武)128試合
54本 1985年:バース (阪 神)126試合
52本 1963年:野村克也(南 海)150試合
52本 1985年:落合博満(ロッテ)130試合
51本 1950年:小鶴 誠(松 竹)130試合
51本 1973年:王 貞治(巨 人)130試合
51本 2003年:ローズ (近 鉄)138試合
50本 1977年:王 貞治(巨 人)131試合
50本 1986年:落合博満(ロッテ)130試合
50本 2002年:松井秀喜(巨 人)140試合
50本 2003年:カブレラ(西 武)124試合