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復活が待たれる巨人の大黒柱 菅野智之に見えた「異変の予兆」とは?

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5月15日の阪神戦、2回に追加点を許した菅野(中央)のもとに集まる巨人ナイン=東京ドーム(C)KYODO NEWS

球界のエースを襲った不調


 巨人のエース・菅野智之が、5月21日に一軍選手登録を抹消された。

 20日のブルペン投球中に違和感を覚えた模様で、故障での抹消は2016年の8月6日以来、実に3年ぶりのこと。2年連続で沢村賞の栄誉に輝き、押しも押されぬ大黒柱として今年も開幕投手を務めた右腕の離脱は、チームにとって大きな打撃だ。
 
 今季はここまで8試合に先発して5勝3敗、防御率は「4.36」。前回登板の5月15日・阪神戦では自身プロワーストとなる2ケタ・10失点を喫するなど、6回途中までに11安打を浴びてKOされた。

 思えば5月8日のDeNA戦でも、味方打線の援護のおかげで勝利こそ手にしたものの、被安打8で5失点と本調子にはほど遠い内容。登板予定だった22日のDeNA戦(東京ドーム)こそ不安を振り払う一戦としたいところだったが、結果はまさかの戦線離脱。三軍のリハビリ組に合流している。


“異変の予兆”は見えていた?


 誰もが驚いたエースの乱調。その要因はいろいろな角度から考えられているが、“異変の予兆”として紹介したいのが「被本塁打」の数だ。

 菅野のプロ1年目からのシーズン被本塁打数を見てみると、2013年から「10本・12本・10本・12本・10本・14本」ときて、平均すると11.3本という数字。ところが、今季は8試合登板時点で早くも13本もの本塁打を許している。ちなみに、被本塁打13はリーグワーストの数字だ。(※5月24日の試合前時点/次点がヤクルト・小川泰弘の9本)

▼ 年度別被本塁打と投球回
13年:10本(176回)
14年:12本(158.2回)
15年:10本(179回)
16年:12本(183.1回)
17年:10本(187.1回)
18年:14本(202回)
19年:13本(53.2回)


 速球は150キロを超え、スライダーは球界屈指の一級品。カットボール、ワンシームといった微妙な変化をつける球種も大きな武器だ。さらに、多投はしないもののフォークにカーブと変化球は多彩。加えてトップレベルの制球力も併せ持っている。2年連続で沢村賞を獲得した事実が証明するように、投手としての能力に関しては欠点を探す方が難しいとさえ言える。


 では、なぜ今季の菅野は苦しんでいるのか。考えられる要因のひとつに、長所が短所にすり替わっている可能性はないだろうか。

 与死球数を見てみると、こちらも13年から「5個・2個・7個・4個・1個・3個」で、今季はここまで「0個」となっている。

 “無駄な走者を出さない”という点では悪いことなどないように思える。しかし、相手打者の心理として、そのコントロールの良さが“安心感”につながっているという可能性は否めない。死球がほとんどないと思えば、外のボールでも躊躇なく踏み込んでいける要因にはなり得るだろう。

 もちろん、菅野の武器である制球力にケチのつけようはないが、18.44メートルの間の攻防の中で、“死球”と“厳しい攻め”は紙一重。多少荒々しいと感じるくらいのピッチングの方が、かえって打者に嫌な印象を植え付けるということもあるのではないか。

 最短の10日で戻れれば、31日の中日戦が復帰登板になる。スタートは絶好調もここに来て首位の座を広島に奪われるなど、交流戦前の踏ん張りどころを迎えている巨人だけに、エースの早期復調が待たれる。
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