達成人数は19人も、達成回数は42回
「右打席より、左打席の方がいい感じで打てました。セギノール以来ですよね。これから『スギノール』と呼んでください」
このホームラン談話には、日本ハム以外のチームを応援している野球ファンも思わず笑ってしまったのではないか。
日本ハムの杉谷拳士は23日、本拠地・札幌ドームで行われた楽天戦の5回に今季1号のソロを放つと、つづく6回にも2号2ラン。1本目は右打席からレフトスタンドへ、2本目は左打席からライトスタンドに運ぶ2打席連発で、『左右両打席本塁打』の快挙を達成した。
『両打席本塁打』とは、「1人の打者が1試合のうちに左・右両打席で本塁打を打つ」という記録。1試合に本塁打を2本打つという時点でなかなかハードルが高いなか、それを異なる打席で打たなければいけないというのだから難易度は高い。
事実、長い歴史を誇るプロ野球史のなかでも達成したのは19人だけ。日本人に限れば杉谷で8人目という大変貴重な記録である。
ちなみに、達成者は19人も、達成された回数で言うと杉谷で42回目と人数のわりに多くなっている。個人による最多記録は、“スギノール”の由来であるフェルナンド・セギノールの9回。杉谷は“本家”にどれだけ近づくことができるだろうか。
両打席本塁打達成者
▼ 1人目:リッチー・シェーン(広島)
(1)1975年5月17日 vs.大洋
(3)1976年4月16日 vs.巨人
▼ 2人目:ジム・ラフィーバー(ロッテ)
(2)1975年5月30日 vs.太平洋
▼ 3人目:ロイ・ホワイト(巨人)
(4)1980年6月12日 vs.広島
▼ 4人目:ビクター・ハリス(近鉄)
(5)1981年7月5日 vs.西武
(9)1983年9月1日 vs.南海
▼ 5人目:松永浩美(阪急) ☆日本人初
(6)1982年5月15日 vs.日本ハム
(10)1983年9月23日 vs.南海
(11)1985年4月13日 vs.近鉄
(13)1987年10月15日 vs.日本ハム
=↓=(オリックス)=↓=
(17)1990年5月9日 vs.ロッテ
(18)1990年8月12日 vs.ダイエー
▼ 6人目:高橋慶彦(広島)
(7)1983年4月26日 vs.ヤクルト
▼ 7人目:スティーブ・オンティベロス(西武)
(8)1983年5月7日 vs.ロッテ
▼ 8人目:白井一幸(日本ハム)
(12)1987年7月8日 vs.近鉄
▼ 9人目:トニー・バナザード(南海)
(14)1988年9月8日 vs.近鉄
=↓=(ダイエー)=↓=
(15)1989年8月16日 vs.西武
(16)1989年10月6日 vs.ロッテ
▼ 10人目:オレステス・デストラーデ(西武)
(19)1990年9月9日 vs.オリックス
(20)1991年6月18日 vs.オリックス
(21)1991年10月3日 vs.日本ハム
▼ 11人目:ジョージ・ライト(ダイエー)
(22)1993年5月1日 vs.近鉄
▼ 12人目:マイカ・フランクリン(日本ハム)
(23)1999年4月10日 vs.ロッテ
▼ 13人目:メルビン・ニエベス(ダイエー)
(24)2000年6月20日 vs.オリックス
▼ 14人目:松井稼頭央(西武)
(25)2000年9月12日 vs.日本ハム
(26)2001年8月20日 vs.日本ハム
(30)2003年8月1日 vs.日本ハム
▼ 15人目:フェルナンド・セギノール(オリックス)
(27)2002年5月5日 vs.近鉄
(28)2002年5月6日 vs.ロッテ ☆2試合連続
(29)2002年7月26日 vs.近鉄
=↓=(日本ハム)=↓=
(33)2004年5月21日 vs.近鉄
(34)2004年6月29日 vs.ロッテ
(36)2006年9月9日 vs.オリックス
(37)2007年6月19日 vs.広島 ☆交流戦では史上初
=↓=(楽天)=↓=
(38)2008年8月30日 vs.ロッテ
(39)2009年8月18日 vs.日本ハム
▼ 16人目:金城龍彦(横浜)
(31)2003年8月13日 vs.阪神
(32)2003年8月16日 vs.広島
(35)2006年8月19日 vs.広島
▼ 17人目:赤田将吾(オリックス)
(40)2010年5月19日 vs.広島
▼ 18人目:田中和基(楽天)
(41)2018年8月1日 vs.オリックス
▼ 19人目:杉谷拳士(日本ハム)
(42)2019年5月23日 vs.楽天
※所属は1度目を記録した球団
※カッコ内の数字=プロ野球史上()度目