サンチェス

◆ 本塁打王争いでトップタイ

 ヤンキースで田中将大とバッテリーを組み、日本でもその存在はよく知られている捕手のゲーリー・サンチェス(26歳)が驚異的なペースで本塁打を量産している。

 昨季は故障が重なり、89試合出場、打率.186、18本塁打と低調な成績に終わった。しかし今季は、4月に2週間ほど戦列を離れたものの、現在はア・リーグトップタイの17本塁打を放っている。ア・リーグの本塁打王争いは、サンチェスを含めて4人が17本塁打で並ぶ激戦。しかしサンチェスの打席数は他の3人比べて圧倒的に少なく、僅かに「155」。他の3人が「216」から「242」なので、サンチェスのすごさがわかる。

▼ ア・リーグの本塁打王争い
17本:ブレグマン(アストロズ/55試合)
17本:ロサリオ (ツインズ/54試合)
17本:サンチェス(ヤンキース/37試合)
17本:スプリンガー(アストロズ/48試合)

 しかもサンチェスのポジションはケガのリスクも高く、最もハードといわれる捕手。ただし、今季出場した37試合のうち捕手として出場したのは29試合(11本塁打)。他に指名打者として6試合(6本塁打)、代打で2試合(本塁打なし)に出場しており、適度な休養や指名打者としての起用がプラスに作用しているのかもしれない。まだシーズンは3分の1を過ぎたところなので、本塁打王争いを語るには早計だが、サンチェスの才能から本塁打王に輝く可能性は十分あるだろう。

 長いメジャーリーグの歴史の中で主に捕手として出場し、そのタイトルを獲得したのはたった1人だけ。1970年代にレッズの黄金期を支えた“史上最強捕手”の異名を持つジョニー・ベンチである。ベンチは、22歳時の1970年に45本塁打、2年後には40本塁打を放ち、それぞれナ・リーグの本塁打王に輝いている(ともに打点王との2冠)。当時のベンチは、9割近くが捕手としての出場だったが、一塁、三塁のほかに外野も守るなど守備でもマルチな才能を発揮していた。

 そのベンチに続く史上2人目の偉業に向けて、最大の敵はやはり“ケガ”になるだろう。サンチェスは2015年のメジャーデビューからほぼ毎年のように故障者リスト(IL)入りしている。その壁を乗り越えることができれば、捕手としては史上2人目、ア・リーグでは初の快挙達成が現実味を帯びてくるはずだ。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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