好投を続ける要因は?
交流戦に入り、2勝5敗と苦しむロッテ。天候が気になるところだが今夜のDeNA戦は、6月5日の阪神戦で2勝目を挙げた岩下大輝が先発マウンドにあがる。岩下はここまで9試合に登板して、2勝1敗、防御率2.74、QSはチーム2位タイの4QSと安定した投球を見せる。
好投を続ける要因に「ゲームの流れで気を入れるところだったりするタイミングで、しっかり気持ちが入っていたり、コントロールミスが許されないところで低めに集められたりすることができている。そこではないかなと思っています」と挙げ、「初めて登板した時に比べたら、落ち着いて試合に入れるようになりました。多少なりとも慣れが出てきたのはいいかなと思います」と続けた。
2勝目を挙げた前回登板の阪神戦は「連打で得点されましたけど、切るところを切れたのでよかったと思います。5回に関しては、満足のいくピッチングではなかったですけど、リードを守れる状態で投げ切れたのでよかった」と4-1の4回に糸原健斗、糸井嘉男の連打で1点差に迫られ、なお二死一、三塁とピンチが続いたが大山悠輔をフォークで左飛。5回も先頭のマルテに内野安打、梅野隆太郎に四球を与えたが、高山俊を遊ゴロ、原口文仁を空振り三振、最後は木浪聖也を右飛に打ち取りピンチを脱した。
走者を背負ってからの投球に注目
特に今季は走者を背負ってから高い集中力を発揮。昨季得点圏での被打率が.345(29-10)だったが、今季は6月11日終了時点で得点圏での被打率は.156(45-7)とピンチになってからしっかりと打者をねじ伏せている。ちなみに規定投球回を到達しているパ・リーグの投手は12人いるが、得点圏の被打率を見ると1位が有原航平(日本ハム)の.086、2位が千賀滉大(ソフトバンク)の.107、3位が榊原翼(オリックス)の.145だ。
得点圏での被打率が示すように、走者を背負った場面でも、粘り強く打者を抑えているところに昨年からの成長を感じる。本人はピンチで抑えている要因について「特にはないですけど」としながらも、「日頃意識している低めであったり、キャッチャーとのコミュニケーションの取り方、サインだったり、息もあってきた部分もある」と説明。
「ある程度データを頭の中に入れてゲームに入ったりもしています。対戦したときの雰囲気、データに現れないタイミングだったり、投げている時にしか感じられないものもあります」とデータに頼るだけでなく、場面に応じて最善策を考えながら打者と勝負している。
ただ今夜のマウンドは、これまで岩下が先発時にマスクを被っていた吉田裕太が故障で離脱しており、いつもとは違うバッテリーとなる。吉田とバッテリーを組んだ時のようにしっかりと捕手とコミュニケーションを取り、粘り強い投球を見せることができるかがひとつポイントとなりそうだ。
取材・文=岩下雄太