ロッテの柿沼友哉

◆ 嬉しいプロ初安打

 5月25日に一軍昇格したロッテの柿沼友哉が、攻守で存在感を見せている。

 昨季は開幕一軍をつかんだが、わずか2試合の出場にとどまった。一軍では空回りする部分があったという。その反省を踏まえ柿沼は「自主トレから今年は、自分のやるべきことをしっかりやろうと決めた。それがうまくいい方向に自分のメンタルもコントロールできているかなと思います」と自身を分析する。

 今季は開幕二軍スタートとなったが、バットでは二軍で打率.304と3割を超えるアベレージを残した。ちなみにバットは2018年の自主トレで「バッティングが上手くいかなくて、加藤さんのバットで打った時にしっくりくる感じがあった」と加藤翔平のバットをモデルにしたものに変更。

 今季も加藤モデルのバットを継続しつつ、「基本的な形は変わらないんですけど、バットの先っぽをくりぬいてちょっと軽くしてみようかなと思ってアレンジしました。去年より一工夫ですね」と昨年よりも約10グラム軽くした。

 「キャンプのときは試行錯誤していました。それがシーズン始まって、しっかりハマってくるものがある。そこからは自分の中で固まった感じがありますね」と課題にしていた打撃で手応えをつかみつつあった。

 そして6月8日の巨人戦で、山口俊が投じた初球のストレートをレフト前に運び、プロ4年目で嬉しいプロ初安打をマーク。「根元さんからおめでとうという言葉をもらいました」と、一塁ベース上では昨季まで現役だった根元俊一コーチと握手を交わした。

◆ 冷静な判断で盗塁阻止

 守備面でも、「急遽吉田さんの怪我で出た試合なんですけど、自分のなかでは冷静にできたかなと思います」と走塁中に負傷した吉田裕太に代わり出場した6月7日の巨人戦で、冷静な判断で盗塁を阻止した。

 8回からマスクを被った柿沼は、一死一、二塁から巨人の重盗に「二塁ランナーのスタートが良かったのは見えていましたし、三塁はセーフだなと一瞬でわかりました。ただ、一塁ランナーが遅れているのは見えていた。なので、セカンドへ投げようと」と、スタートの遅れた一塁走者の重信慎之介を二塁で刺した。

 同日に放送された『ニッポン放送ショウアップナイター 巨人-ロッテ戦』で解説を務めた真中満氏も「なかなかセカンドへ放るのは難しいんですけど、しっかり一塁ランナーのスタートが遅れたのを見てしっかりセカンドへ送球しましたよね」と絶賛した。

 「チャンスがあれば、僕ができることをいつも通りやるだけ。もちろん出たいという気持ちはありますけど、出るんだじゃなくて、ファームでやってきたことをいつも通りやっていこうと思っています」。

 チーム事情でいえば、故障で離脱した正捕手の田村龍弘が二軍戦に出場しており、一軍復帰間近。田村が昇格となれば、捕手3人のなかから誰か一人ファームに落ちることが予想される。限られた機会のなかで、どこまで存在感を示せるか重要になってくる。アピールしようと肩に力を入れるのではなく、ファームでやってきたことを一軍の試合で出していく。

取材・文=岩下雄太

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