ロッテは近年、左投手の駒不足が課題のひとつになっている。最近5年間の左投手の白星を振り返ると、2014年に左腕全体で26勝を挙げているが、成瀬善久がFAでヤクルトに移籍した15年以降は11勝(15年)、5勝(16年)、4勝(17年)、4勝(18年)。特にここ3年は、全体で10勝に届いていない。今季もここまで1勝だ。ロッテの左投げの投手コーチでは07年の園川一美氏以来、12年ぶりに投手コーチに就任した大隣憲司投手コーチに、選手を指導するうえで心がけていることなどについて聞いた。
「昨季は、下半身を使える投球がいまいちできていなかった。大隣コーチから下半身主導の指導を受け、以前は上体だけで投げていたので、コントロールがつかなかったんですけど、下半身主体で投げることでコントロールがしやすくなった」(土肥星也)
「ネガティブですぐにどうしようと考え出す癖があるから試合になったらそんなことを考えなくてもいいから。バッターと勝負して、練習で悪かったところを考えてやっていけばいい。最近になって、大隣コーチが言っていることはこういうことなのかなと、分かるようになってきて、それも成果に出てきているのかなと思っています」(山本大貴)
土肥はファームトップの8勝、制球に苦しんでいた山本は制球を乱す場面が少なくなるなど、今季からロッテの二軍投手コーチを務め、チーム唯一の左の投手コーチでもある大隣憲司コーチの存在はかなり大きい。
選手を指導するうえで大隣コーチは「土肥、山本をはじめ、他のピッチャーを含めて見ている中で、どういう風に選手自身の良いときのフォーム、ボールに近づけられるのかなと。別に僕自身のフォームに近づけるとかは全く考えていない。これから選手が自分一人でいても気づけるようなことを一つでも多く伝えていければなという感覚ではいる。技術面の話をすることもありますが、100%正解じゃないと僕の中では思っている」と自主性を尊重する。
その根底には、「自分で自分のフォーム、ボールをわかっていないと、どっちみち一緒。教えてくださいと言ってくる選手がかわいいじゃなくて、言ってくるのはいいけど、伝えたら自分で考えないと。結局、自分たちで考えないと、見ることはできますけど、やるのは本人」との考えがある。
取材をしていても、一軍で活躍している投手の多くが、自分の武器と課題点を明確に理解し、プレーしている。大隣コーチも「できているから上にいる、できていないから下にいるかどうかはわからないですけど、そういう風に一人でも多くの選手の意識が変わり、その結果、一軍にいっても迷わないように、やってもらえればなと思っています」と自身の役割を口にする。
選手の自主性を促しつつ、一人でも多くの投手が一軍の舞台で輝けるよう、日々指導を続けている。
取材・文=岩下雄太
土肥、山本が大隣コーチの助言で躍動
「昨季は、下半身を使える投球がいまいちできていなかった。大隣コーチから下半身主導の指導を受け、以前は上体だけで投げていたので、コントロールがつかなかったんですけど、下半身主体で投げることでコントロールがしやすくなった」(土肥星也)
「ネガティブですぐにどうしようと考え出す癖があるから試合になったらそんなことを考えなくてもいいから。バッターと勝負して、練習で悪かったところを考えてやっていけばいい。最近になって、大隣コーチが言っていることはこういうことなのかなと、分かるようになってきて、それも成果に出てきているのかなと思っています」(山本大貴)
土肥はファームトップの8勝、制球に苦しんでいた山本は制球を乱す場面が少なくなるなど、今季からロッテの二軍投手コーチを務め、チーム唯一の左の投手コーチでもある大隣憲司コーチの存在はかなり大きい。
選手を指導するうえで大隣コーチは「土肥、山本をはじめ、他のピッチャーを含めて見ている中で、どういう風に選手自身の良いときのフォーム、ボールに近づけられるのかなと。別に僕自身のフォームに近づけるとかは全く考えていない。これから選手が自分一人でいても気づけるようなことを一つでも多く伝えていければなという感覚ではいる。技術面の話をすることもありますが、100%正解じゃないと僕の中では思っている」と自主性を尊重する。
その根底には、「自分で自分のフォーム、ボールをわかっていないと、どっちみち一緒。教えてくださいと言ってくる選手がかわいいじゃなくて、言ってくるのはいいけど、伝えたら自分で考えないと。結局、自分たちで考えないと、見ることはできますけど、やるのは本人」との考えがある。
取材をしていても、一軍で活躍している投手の多くが、自分の武器と課題点を明確に理解し、プレーしている。大隣コーチも「できているから上にいる、できていないから下にいるかどうかはわからないですけど、そういう風に一人でも多くの選手の意識が変わり、その結果、一軍にいっても迷わないように、やってもらえればなと思っています」と自身の役割を口にする。
選手の自主性を促しつつ、一人でも多くの投手が一軍の舞台で輝けるよう、日々指導を続けている。
取材・文=岩下雄太