かつてのMVP左腕と左の捕手を補強
日本ハムと巨人の両球団は26日、交換トレードの成立を発表。日本ハムは鍵谷陽平投手(28)と藤岡貴裕投手(29)の2名を放出し、吉川光夫投手(31)と宇佐見真吾捕手(26)を獲得した。
吉川はプロ13年目の31歳左腕。プロ入りから2016年までプレーした古巣に“復帰”する形となる。今季はリリーフ陣の一角として期待がかかるも、9試合の登板で0勝1敗、防御率9.95という成績。結果を残すことができていなかった。
かつて2012年には最優秀防御率のタイトルを獲得し、リーグMVPも受賞している男。古巣に戻ってもう一度輝きを取り戻すことができるのか、注目が集まる。
吉川とともに日本ハムに加入する宇佐見は、プロ4年目・26歳の捕手。強打の捕手として注目を集め、2017年には代打を主戦場に21試合に出場。打率.350に4本塁打と好成績を残したが、以降は思うような成績を残せず。今季はわずか3試合の出場にとどまっていた。
巨人の捕手陣には今季から炭谷銀仁朗が加わり、昨季までの正捕手である小林誠司、そして宇佐見と同じ「左の捕手」である大城卓三が一軍に定着。宇佐見を取り巻く環境はより厳しいものとなっていた。
日本ハムには清水優心という正捕手候補がいたものの、今季はケガでの出遅れもあって併用制が続いており、清水と石川亮、そしてベテランの鶴岡慎也という3人で出場機会を分け合っている。
加えて、日本ハムの捕手事情を見てみると、今季一軍でマスクを被った6名の捕手のうち、左打ちの選手はひとりもいない。この事実も宇佐見にとっては追い風となることだろう。新天地の飛躍に期待がかかる。
中継ぎ強化に本気
一方の巨人は、左右のピッチャーを補強した。今季は交流戦を終えて首位には立っているものの、チーム防御率3.68はリーグ3位の成績で、リリーフ陣に限れば3.83でリーグ4位と苦しい数字になっている。
チームとしてもこの課題をなんとか解決すべく、新助っ人ルビー・デラロサを獲得。しかし、そこで補強の手を緩めることなく、さらに2人のリリーフ候補を獲得して万全を期した格好だ。
鍵谷はプロ7年目の28歳右腕で、ルーキーイヤーからリリーフ陣の一角として奮闘。2015年からは3年連続で40試合以上に登板をし、2017年には60試合に登板するなど、ここまで通算253試合に登板している。
藤岡も2011年のドラフトでは目玉の一人として大きな注目を浴びた左腕で、昨季途中から日本ハムにトレード移籍。新天地では6試合に登板に留まるなど結果を残すことができなかったが、初めてのセ・リーグへの挑戦で新たなキッカケを掴むことができるだろうか。