ニュース 2019.06.30. 11:30

トレードに新助っ人、支配下登録…7月は「緊急補強」に注目

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日本ハムと巨人に早くも動き。7月は“駆け込み”補強に注目です

リミットは1カ月……今年はどうなる?


 2019年もちょうど折り返し地点が近づき、プロ野球も交流戦が終了。7月12日(金)にはシーズンの折り返し地点となるオールスターゲームも控え、各チームが勝負の後半戦に向けた準備を進めていく。

 そんななか、巨人と日本ハムがひと足はやく動いた。6月26日、両球団間で2対2のトレードが成立。これまでの戦いぶりからリリーフ陣に不安を露呈した巨人は吉川光夫と宇佐見真吾を放出し、日本ハムから鍵谷陽平と藤岡貴裕の2投手を獲得した。

 このように、各チームが現状を踏まえたうえで積極的な補強に打って出るというのも、この時期の注目ポイントのひとつ。シーズン途中の移籍・補強があまり多くない日本球界ではあるが、いわゆる“デッドライン”となる7月31日が近づくにつれて、移籍市場は徐々に活性化していく。

 今回は過去5年における「7月の補強」に注目。各年のトピックスを振り返ってみた。


助っ人は“当たり”が多い?


<2018年>
「近年まれに見る活発な移籍市場」

 多くの球団が積極的な動きを見せ、トレードだけでも11人が移籍したという2018年。例えば、2016年に日本ハムの大逆転劇に貢献した岡大海がロッテに移籍したことは記憶に新しい。また、つい先日のトレードで日本ハムから巨人に移籍した藤岡貴裕も、このタイミングでロッテから日本ハムに移籍している。つまり、藤岡は“2年連続で7月にトレードで移籍”したということになる。

 その他、オリックスからDeNAに移籍した捕手の伊藤光や、阪神からソフトバンクに移籍した松田遼馬、中日から西武に移籍した小川龍也といったところが7月に移籍した主なところ。


 また、外国人選手では、ソフトバンクのアリエル・ミランダや西武のカイル・マーティン、中日のジョエリー・ロドリゲスといった、いわゆる「当たり外国人」が加入。育成選手から昇格した選手では、巨人のC.C.メルセデスやオリックスの佐野皓大、楽天の石橋良太といったところが、登録期限を迎える7月に支配下登録を掴み取った。

 こうして振り返ってみると、2018年7月の補強は「当たり」の選手が多かったと言えるだろう。


<2017年>
「外国人選手の移籍が目立つ」

 この年はトレードで7人が移籍し、育成から7人が昇格。海外からは2人の新外国人選手が加入した。トレードでは、長らく不調だった巨人のルイス・クルーズが金銭トレードで楽天へ。現在DeNAで活躍しているエドウィン・エスコバーは、この年のシーズン前に日ハムに加入したが、結果が残せずここでDeNAにトレードで放出されている。

 育成から昇格した選手では、現在楽天の中継ぎを支えている宋家豪がこのタイミングで支配下登録された。新外国人は阪神がジェイソン・ロジャース、ヤクルトがカルロス・リベロを獲得したが、残念ながら2人ともこのシーズンいっぱいで退団。全体的に外国人選手の移籍・加入が目立った年だった。


<2016年>
「トレードは1件だけ」

 2016年7月は活発な動きを見せるチームが少なく、トレードはヤクルト・八木亮祐とオリックス・近藤一樹の1件のみ。八木は新天地で活躍できなかったが、近藤はヤクルトの中継ぎ陣の一角に定着。今ではチームに欠かせない存在となった。また、育成からはヤクルトの由規(現楽天)、ソフトバンクの石川柊太など6人が昇格している。

 外国人選手も5人が新加入。前年末にソフトバンクを退団していたブライアン・ウルフが西武に加入し、2018年シーズン終了までの3シーズンを過ごした。また、楽天で3シーズン活躍したカルロス・ペゲーロも、このタイミングでカージナルス傘下3Aから楽天に加入している。


<2015年>
「新外国人の加入が目立つも……」

 2015年は、7月中にトレードは行われなかったが、育成からの昇格や新外国人選手の加入が目立った。この年は今季主力の離脱をきっかけに起用を増やしたソフトバンクの釜元豪が、育成から支配下へ昇格。昇格後は出場機会が得られない苦しいシーズンが続いていたが、育成加入から8年でようやくチャンスをつかんだ格好だ。

 新外国人選手は全部で6人。楽天がアガスティン・ムリーロ、巨人がアレックス・カステヤーノス、中日がドリュー・ネイラーを獲得している。しかし、ほとんどが2015年シーズンのみで退団。中にはロッテのベク・チャスンなど、一軍での出場が1試合もないまま退団した選手もいた。


<2014年>
「あのスラッガーが来日」

 2014年は7月22日にソフトバンクの新垣渚・日高亮とヤクルトの川島慶三・山中浩史という2対2のトレードが成立。それ以外は1件しかトレードは成立しなかった。

 外国人選手は5人が新加入。その中には、現在はソフトバンクに所属している球界屈指の強打者アルフレド・デスパイネもいた。ロッテに加入したデスパイネは、その後45試合で12本塁打と活躍。翌年の契約を勝ち取っている。

 また、2018年に西武に加入することになるヒースが、新外国人として広島に入団したのもこの時。途中加入ながら3勝0敗と好成績を残している。他には、DeNA時代のチェン・グァンユウがこのタイミングで育成から支配下に昇格。残念ながら活躍できずに退団となったが、後にロッテに加入すると、現在はリリーフ陣の一員として活躍を見せている。


文=中田ボンベ@dcp
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