「交流戦を制する者がペナントを制す」…?
6月も終わりが近づき、ペナントレースは前半戦の山場である交流戦が終了。少し間を空けて、あす28日(金)からはリーグ戦が再開する。
7月12日(金)のオールスター戦まで、前半戦のラストスパートとも言えるこれからの期間。交流戦で勢いに乗った選手は、リーグ戦に戻ってもその調子を持続することができるのか。また、交流戦で苦しんだチームは再開するリーグ戦で復調のキッカケを掴むことができるのか……。見どころは尽きない。
近年は6連戦×3週間の短期決戦で行われている交流戦。今年は最終戦までもつれた優勝争いの末、パ・リーグのソフトバンクが優勝。2年ぶりの奪還で、実に8度目の栄冠を掴んだ。
かつてもう少し試合数が多かった頃には、「交流戦を制する者がペナントを制す」というイメージもあったが、36試合から24試合、そして現在の18試合へと試合数が削減されてきたなか、近年はその傾向に変化は起こっているのだろうか。
ここでは、歴代交流戦優勝(=勝率第1位)チームの前半終了時の成績と後半戦の成績、そして最終成績をまとめてみた。
“36試合制”時代はロッテが連覇
▼ 2005年:ロッテ(24勝11敗1分)
[球宴前] 90試=56勝32敗2分(2位/4.5差)
[球宴後] 46試=28勝17敗1分
[通 算] 136試=84勝49敗3分(2位/4.5差)
☆2位からプレーオフ(現在のCS)を勝ち抜いて優勝、4連勝で日本一に。
▼ 2006年:ロッテ(23勝13敗)
[球宴前] 87試=46勝41敗0分(4位/5.5差)
[球宴後] 49試=19勝29敗1分
[通 算] 136試=65勝70敗1分(4位/16.5差)
※差=首位の場合は2位と、2位以下の場合は首位とのゲーム差
初年度の交流戦を制したのはボビー・バレンタイン率いるロッテ。36試合で貯金13を稼ぐ快進撃も、ソフトバンクが6月に15連勝をマークするなど急上昇したため、首位ターンはならなかった。
後半戦でもソフトバンクを逆転することができなかったが、4.5差の追走でアドバンテージを阻止(当時の首位チームは2位に5ゲーム差をつけなければ1勝のアドバンテージがなかった)。その「0.5」差が功を奏し、ロッテが敵地での死闘を制してプレーオフを突破。勢いのままに日本シリーズも制した。
ロッテは翌年の交流戦も制するも、リーグ内の戦いには苦戦。交流戦優勝後、オールスター明けの後半戦も勢いに乗ることができず、最終的には4位でシーズンを終えている。
優勝確率は「50%」…?
▼ 2007年:日本ハム(18勝5敗1分)
[球宴前] 87試=49勝34敗4分(1位/3.0差)
[球宴後] 57試=30勝26敗1分
[通 算] 144試=79勝60敗5分(1位/2.0差)
☆リーグ優勝
▼ 2008年:ソフトバンク(15勝9敗)
[球宴前] 93試=47勝46敗0分(4位/5.5差)
[球宴後] 51試=17勝31敗3分
[通 算] 144試=64勝77敗3分(6位/12.5差)
▼ 2009年:ソフトバンク(18勝5敗1分)
[球宴前] 84試=48勝34敗2分(2位/1.0差)
[球宴後] 60試=26勝31敗3分
[通 算] 144試=74勝65敗5分(3位/6.5差)
▼ 2010年:オリックス(16勝8敗)
[球宴前] 92試=45勝46敗1分(5位/6.5差)
[球宴後] 52試=24勝25敗3分
[通 算] 144試=69勝71敗4分(5位/7.5差)
▼ 2011年:ソフトバンク(18勝4敗2分)
[球宴前] 75試=47勝23敗5分(1位/0.0差)
[球宴後] 69試=41勝23敗5分
[通 算] 144試=88勝46敗10分(1位/17.5差)
☆リーグ優勝・日本一
▼ 2012年:巨人(17勝7敗)
[球宴前] 82試=47勝27敗8分(1位/4.5差)
[球宴後] 62試=39勝16敗7分
[通 算] 144試=86勝43敗15分(1位/10.5差)
☆リーグ優勝・日本一
▼ 2013年:ソフトバンク(15勝8敗1分)
[球宴前] 83試=40勝42敗1分(5位/7.0差)
[球宴後] 61試=33勝27敗1分
[通 算] 144試=73勝69敗2分(4位/9.5差)
▼ 2014年:巨人(16勝8敗)
[球宴前] 80試=47勝33敗0分(1位/3.5差)
[球宴後] 64試=35勝28敗1分
[通 算] 144試=82勝61敗1分(1位/7.0差)
☆リーグ優勝
“24試合制”時代は8シーズンのうち半数の4シーズンで交流戦優勝チームがリーグも制覇。日本一まで駆け上がったのはさらに半数の2チームとなった。
なかでも特筆すべきは2011年のソフトバンク。交流戦期間に18勝4敗2分と破竹の勢いで勝ち進み、勝率.818は交流戦史上最高記録。後半戦に入ってもその強さは衰えることなく、最終的には2位に17.5ゲームの差をつける圧勝だった。
“18試合制”は5回中4回ソフトバンクが優勝
▼ 2015年:ソフトバンク(12勝6敗)
[球宴前] 81試=50勝28敗3分(1位/3.5差)
[球宴後] 62試=40勝21敗1分
[通 算] 143試=90勝49敗4分(1位/12.0差)
☆リーグ優勝・日本一
▼ 2016年:ソフトバンク(13勝4敗1分)
[球宴前] 83試=54勝24敗5分(1位/6.0差)
[球宴後] 60試=29勝30敗1分
[通 算] 143試=83勝54敗6分(2位/2.5差)
▼ 2017年:ソフトバンク(12勝6敗)
[球宴前] 83試=53勝30敗0分(2位/1.5差)
[球宴後] 60試=41勝19敗0分
[通 算] 143試=94勝49敗0分(1位/13.5差)
☆リーグ優勝・日本一
▼ 2018年:ヤクルト(12勝6敗)
[球宴前] 77試=34勝42敗1分(6位/9.5差)
[球宴後] 66試=41勝24敗1分
[通 算] 143試=75勝66敗2分(2位/7.0差)
▼ 2019年:ソフトバンク(11勝5敗2分)
[球宴前] 72試=38勝30敗4分(1位/0.0差)※6月27日現在
[球宴後] ???
[通 算] ???
“18試合制”となってからは1年おきに交流戦優勝チームがリーグも制覇。これは単なる偶然だろうが、ソフトバンクとしては良いジンクスと言えるだろう。
また、リーグ制覇には届かなかったものの、昨年はヤクルトがリーグ最下位の状態から交流戦を制覇。すると、勢いのまま後半戦はリーグ3連覇を果たした広島をも上回る勝率を叩き出し、一気に2位まで浮上を果たしている。
果たして、ソフトバンクは交流戦につづいてリーグも獲ることができるのか。まずは再開するリーグ戦で、オールスター前までに混戦から頭ひとつ抜け出しておきたいところだ。