球団史上初の初勝利から2日連続勝利
チームで今季5人目となるプロ初白星。交流戦から着々と勝ち星を積み重ね、パ・リーグの首位を走るソフトバンクに、またもや新星が誕生した。2015年ドラフト1位の高橋純平投手だ。
高橋は6月29日の日本ハム戦でプロ初勝利をマークすると、翌日の試合でも白星を掴み取り2日連続での勝利。初勝利の翌日に2勝目を挙げたのは、球団史上初のできごとだった。プロ入りから3シーズンで手にすることのできなかった白星が、またたく間にふたつも手に入ったということになる。
高校時代から超一線級と話題になっていた高橋は、2015年ドラフト会議で3球団競合の末、ソフトバンクに入団。1年目は一軍登板がなかったものの、ファームで7試合に投げ2勝1敗、防御率2.22と上々の滑り出しだった。
2年目は、開幕直後に中継ぎで一軍デビューを果たしたものの3回4失点と打ち込まれてしまう。この年はファームでも17試合で2勝4敗、防御率4.70と苦しみ、一軍登板の機会が再び巡ってくることはなかった。3年目の昨シーズンもファームで26試合に登板したが、1勝6敗、防御率6.46と、成績は右肩下がり。登板機会こそ増えていたが、ファームでも結果を残すことはできていなかった。
そんな高橋が、4年目の今シーズン、ようやく飛躍を遂げそうな気配を感じさせている。
中継ぎから先発ローテへの系譜
ファームで開幕を迎えた高橋だが、ウエスタンリーグでは4月終了時点で7試合に登板して、防御率0.90と結果を残し、5月1日に一軍へと昇格。その当日に中継ぎで3回無失点と好投し、その後は登板機会が訪れないままファームへ逆戻りとなった。しかし、5月24日に再び一軍昇格を果たすと中継ぎとして起用され、ここまで13試合に登板。防御率0.92と、素晴らしい投球を続けている。
現時点では勝ちパターンでの登板がメインではないものの、イニングまたぎはもちろん、ロングリリーフもいとわず故障者の多いブルペンを助けている。今後の起用方針はわからないが、当面は中継ぎとして起用されることになるだろう。
それぞれ状況は異なるが、過去を振り返るとソフトバンクは千賀滉大や石川柊太、そして今シーズンブレイクしている高橋礼も、与えられた役割の中で実績を残してから先発ローテを担うようになった。12球団随一の投手陣を揃えるチームにあって先発ローテ、勝ちパターンともに壁は高いが、その系譜に高橋純が加わることを期待させるピッチングを続けている。
また、2015年ドラフトにおいて高卒1位で入団したのは、平沢大河(ロッテ)、オコエ瑠偉(楽天)、小笠原慎之介(中日)と高橋の4人。昨シーズンまでの実績を見ると、3人に比べて高橋は遅れを取っていた印象もある。しかし、今シーズンの高橋は、3年間の遅れを一気に取り戻しそうな勢いだ。
まずは与えられた役割の中で、選手・首脳陣からの信頼をつかみとり、チームに欠くことのできない存在となれるか――。競争の激しいホークス投手陣の中で抜け出すには、結果を残し続けるしかない。
▼ 髙橋純平の今季成績
19年:13試合(19.2回)2勝0敗 防御率0.92 奪三振24
※数字は2019年7月2日終了時点