リーグ戦再開から1週間
プロ野球も開幕から3カ月が過ぎ、あっという間に7月戦線に突入。セ・パ交流戦も終わり、いよいよペナントの折り返し地点となるオールスターが近づいてきた。
交流戦が終わり、リーグ戦が再開してからちょうど1週間。各チームが前半戦のラストスパートを仕掛けようというなか、キーマンとして期待されたのが“交流戦で勢いに乗った”選手たち。今年はたのしみな新星候補が頭角を現しただけでなく、ベテラン勢の奮闘も目立っただけに、彼らの「その後」を取り上げてみたい。
▼ セ・パ交流戦の打撃十傑
.368 荻野貴司(ロッテ)
.368 鈴木大地(ロッテ)
.368 糸井嘉男(阪神)
.349 ビシエド(中日)
.348 松田宣浩(ソフトバンク)
.348 中村剛也(西武)
.346 ブラッシュ(楽天)
.343 大島洋平(中日)
.341 中村悠平(ヤクルト)
※規定到達者のみ
史上初の“ルーキー首位打者”
今季の交流戦を通じて最も良い打率を残したのは、オリックスのドラフト7位ルーキー・中川圭太だった。
PL学園高から東洋大を経て、昨秋のドラフトでオリックスから指名を受けた23歳の内野手。当初は「NPB最後のPL戦士か」という部分で注目を集めたが、その中に1年目の交流戦から大活躍することを予想していた人は少なかったのではないか。
開幕はファームで迎えた中川だったが、4月に入って9試合連続安打をマークするなど徐々に調子を上げていくと、4月20日の楽天戦で一軍デビュー。代打で三振を喫したものの、4月24日のソフトバンク戦でプロ初安打を含む3打数2安打1打点と結果を残すと、徐々に出場機会も増えてゆく。
迎えた交流戦では全18試合に出場。前半の9試合こそ打率.273と特筆すべき成績ではなかったが、後半9試合は全試合で安打を放ち、うち6試合は複数安打をマーク。3安打が1試合に4安打も1試合と打ちまくり、打率にして.486という猛打で一気に首位打者まで駆け上がった。
15年の交流戦の歴史のなかで、ルーキーが首位打者に輝いたのは史上初のこと。後半戦では4番を任される機会も出てきたが、ここまで6試合の出場で打率は.222。マークが厳しくなったこともあるのか、やや数字を落としている。
オリックス打線は中軸の一人であるステフェン・ロメロをケガで欠く苦しい状況ではあるものの、緊急トレードでスティーブン・モヤを獲得。4日の試合では3番・吉田正尚、4番に中川、5番・モヤという新打線を試しており、中川にかかる期待は引き続き大きい。
チーム防御率(3.86)はリーグ2位というところを見ても、投手陣は踏ん張ることができているだけに、やはり勝ち切るためには打線の奮起が不可欠。後半戦の逆襲に向けて、中川のリーグ戦での爆発が待たれる。
▼ 中川圭太
・交流戦成績
18試 打率.386(70-27) 本塁打0 打点12
出塁率.419 長打率.471 OPS.890
二塁打4 三塁打1 塁打数33 得点8
盗塁1(失敗1) 犠打0 犠飛0
四球4 死球0 三振6 併殺打3
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[シーズン通算] 55試 打率.307(192-59) 本塁打1 打点19
※7月4日終了時点
文=尾崎直也