リーグ戦再開から1週間
プロ野球も開幕から3カ月が過ぎ、あっという間に7月戦線に突入。セ・パ交流戦も終わり、いよいよペナントの折り返し地点となるオールスターが近づいてきた。
交流戦が終わり、リーグ戦が再開してからちょうど1週間。各チームが前半戦のラストスパートを仕掛けようというなか、リーグ戦に戻ってキッカケを求めたいのが“交流戦で苦しんだ”選手たち。6試合×3週間という短期間ではあるが、やはり普段と違う相手、普段と違う場所での戦いで調子を崩した選手も当然ながらいる。
これから勝負の後半戦へと向かおうというなか、彼らが復調できるかどうかという点はチームにとって大きな要素になる。ここでは交流戦で苦しんだ選手の「その後」を取り上げてみたい。
▼ セ・パ交流戦の打率ワースト10
.157 清田育宏(ロッテ)
.160 井上晴哉(ロッテ)
.165 近本光司(阪神)
.175 田中広輔(広島)
.182 ソト(DeNA)
.183 坂本勇人(巨人)
.188 内川聖一(ソフトバンク)
.204 大和(DeNA)
.204 筒香嘉智(DeNA)
.204 デスパイネ(ソフトバンク)
※規定到達者のみ
好調な1・2番をどう還すか
交流戦の打率ランキングにおいて、ワースト1・2になってしまったのがロッテの2人。井上晴哉と清田育宏だ。
清田はプロ10年目を迎えた33歳の外野手。2015年には130試合の出場で打率.317をマークした経験があるものの、なかなか成績が安定せずにレギュラー定着とはならず。近年は打率2割台前半に低迷する苦しい日々を過ごしていた。
今季は4月後半からチャンスを掴むと、5月も21試合に出場して月間打率.318と好調をキープ。3番を任されるようになるが、交流戦に入ると一気に失速。6月は月間打率.209と一気に数字を落としてしまう。
一方の井上も即戦力として期待を受けながら頭角を現すまでに時間を要したが、プロ5年目の昨季は4番に定着して自己最多の133試合に出場。打率.292に24本塁打、99打点という好成績を残し、今季は開幕から不動の4番としてさらなる活躍に期待がかかっていた。
ところが、今季は開幕から一向に調子が上がらず。5月には25試合の出場で月間打率.302と持ち直したかに見せたものの、6月に入ると再び苦戦。取り返した4番の座を手放すことになってしまう。
それでも、交流戦が終わって7月に入ると、2人に再び復調の気配が。7月はまだ4試合しか消化していないとはいえ、清田は14打数5安打で打率.357と奮起。井上も11打数3安打で打率は.273だが、5日の西武戦では勝ち越しの適時打を放つなど、4試合で7打点を荒稼ぎ。お立ち台では「4番に帰りたいですけど、いまは自分の役割を一生懸命やりたい」と冷静に、それでいて力強く語った。
ロッテは荻野貴司と鈴木大地が交流戦で大暴れを見せ、両者ともリーグ戦再開後も好調をキープ。上位が元気ということは、その2人を本塁へと還す中軸の存在が重要になってくる。開幕から奮闘を見せたブランドン・レアードのバットにやや陰りが見えてきたなか、復調の気配を見せる清田と井上にかかる期待は大きい。
順位は5位といっても、2位の楽天までは2.5ゲーム差という大混戦。荻野・鈴木が出て清田・井上で還すという新たな流れが定着すれば、ロッテが後半戦のパ・リーグで台風の目となっても何ら不思議ではない。逆襲を期す中軸候補2人の奮闘に注目だ。
▼ 清田育宏
・交流戦成績
16試 打率.157(51-8) 本塁打0 打点10
出塁率.259 長打率.196 OPS.455
二塁打2 三塁打0 塁打数10 得点6
盗塁0(失敗1) 犠打0 犠飛0
四球7 死球0 三振14 併殺打0
―――――
[シーズン通算] 59試 打率.283(173-49) 本塁打5 打点30 盗塁1
※7月5日終了時点
▼ 井上晴哉
・交流戦成績
16試 打率.160(50-8) 本塁打2 打点6
出塁率.295 長打率.280 OPS.575
二塁打0 三塁打0 塁打数14 得点5
盗塁0(失敗0) 犠打0 犠飛1
四球7 死球3 三振16 併殺打1
―――――
[シーズン通算] 62試 打率.252(210-53) 本塁打13 打点38 盗塁0
※7月5日終了時点
文=尾崎直也