メッツのピート・アロンソ

◆ 生涯一度のタイトルを巡る戦い

 2019年も折り返し地点を過ぎ、あっという間に7月戦線に突入。メジャーリーグは現地時間7日に前半戦の全日程が終了した。

 シーズンの前・後半を分けるオールスターゲームは、現地時間9日にクリーブランド・インディアンスの本拠地であるプログレッシブ・フィールドで行われる。今回はその分岐点を前に、今季登場した“新星”たちに注目。ここまでの段階で新人王争いに名乗りをあげている若手選手たちを紹介したい。

◆ 投打にハイレベルな争い!

 ナ・リーグからは新人王候補として4人の名前を挙げるが、そのうち3人が野手となった。

 1人目は、24歳のスラッガー、ピート・アロンソ(メッツ)。なんと前半戦だけで30本塁打を記録した。新人王の資格を持つ選手が球宴までに30本以上の本塁打を放つのは、1987年のマーク・マグワイアと2017年のアーロン・ジャッジに次いで史上3人目。打率も.280と悪くない。ただし、得点圏打率は.230とややチャンスに弱く、打点は68とやや物足りない。それでも現時点での新人王の最有力候補はアロンソで間違いないだろう。

 アロンソに引けを取らないインパクトを残しているのが、フェルナンド・タティスJr.(パドレス)だ。20歳とは思えないバットさばきで、ここまで打率.327・14本塁打・33打点の好成績。足も速く、13盗塁も記録している。ケガのため1カ月以上離脱していたのは痛いが、1番打者ということもあり、規定打席には到達してくるだろう。最終的に3割・30本・30盗塁まで数字を伸ばせば、アロンソを逆転する可能性もありそうだ。

 3人目は、今季の新人打者として唯一打率3割にのせて前半戦を終えたアレックス・バードゥーゴ(ドジャース)だ。打率は.303と今季規定打席に達している新人選手で最も高いが、9本塁打・39打点はアロンソやタティスに比べるとやや見劣る。打撃以外では、強肩を武器とした守備力もアピールポイントになるだろう。ドジャースから新人王が誕生すれば、歴代断トツの19人目となる(2位はヤンキースの9人)。

 投手で唯一の候補入りは、21歳のマイク・ソロカ(ブレーブス)。カナダ出身の右腕は今季15試合に登板し、9勝1敗、防御率2.42というエース級の数字を並べている。9勝は今季の新人投手の中ではトップ(2位は7勝)。首位を走るブレーブスの投手陣の中でもその活躍ぶりと存在感はすでにエース格といえるだろう。9勝はリーグトップと1勝差で、最多勝の可能性も十分感じさせる。もし新人投手が最多勝に輝けば、1960年のチャック・エストラダ以来、実に59年ぶりとなる。

 ア・リーグに比べると、全体的にレベルが高い今季のナ・リーグ新人王争い。印象度では30本塁打のアロンソが頭一つ抜けているが、タティスとソロカなどにもまだチャンスは残っているだろう。後半戦も新人同士の激しい争いが見られそうだ。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

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この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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