二軍も折り返し
プロ野球もあっという間に開幕から3カ月が過ぎ、週末にはペナントレースの前・後半を分けるオールスターゲームが行われる。
二軍の方も同様で、11日(木)のフレッシュオールスターが折り返し地点。10日にウエスタンの2試合が行われ、前半戦の全日程を終えた。
▼ イースタン・順位表
2位 楽 天 74試=41勝29敗4分(.586)
3位 巨 人 78試=39勝33敗6分(.542)
4位 DeNA 74試=38勝34敗2分(.528)
5位 西 武 73試=31勝40敗2分(.437)
6位 日本ハム 78試=31勝45敗2分(.408)
7位 ヤクルト 78試=31勝47敗0分(.397)
今季のイースタンは今岡真訪監督率いるロッテが首位ターン。とはいえ、6割超えの勝率をマークしながら2位とのゲーム差は「2」と圧倒的なリードがあるわけではない。特に戦力のアップダウンが激しい二軍の戦いだけに、どこが抜け出すのか最後まで目が離せない。
同期の活躍に刺激を受けて…
ここでは、個人成績を見ながら注目選手をピックアップしていきたい。まずは打者編から。
▼ 打率トップ5
.313 関根大気(DeNA)
.300 北村拓己(巨人)
.293 中山翔太(ヤクルト)
.289 細川成也(DeNA)
.282 茶谷健太(ロッテ)
▼ 本塁打トップ5
10本 細川成也(DeNA)
10本 安田尚憲(ロッテ)
9本 梶谷隆幸(DeNA)
9本 伊藤裕季也(DeNA)
8本 関根大気(DeNA)
▼ 打点トップ5
52点 安田尚憲(ロッテ)
48点 北村拓己(巨人)
37点 細川成也(DeNA)
33点 関根大気(DeNA)
31点 山崎 剛(楽天)
まず目につくのがDeNA勢の好調ぶり。名前を見ると一軍でレギュラー争いをしてほしい・しなければいけない選手もいるが、前半戦の最終盤で関根大気や細川成也といったところが一軍に昇格。逆襲のキーマンとしてチームを上位争いに導くことができるか、注目が集まる。
首位を走るロッテでは、高卒2年目の安田尚憲が奮闘中。浦和軍の不動の4番として74試合に出場し、打率.269(リーグ6位)・10本塁打(1位タイ)・52打点(1位)と3部門すべてで好成績を残している。
ドラフト時には清宮幸太郎(日本ハム)と並ぶ左の大砲として大きな注目を集めた男。昨季は一軍でプロ初本塁打を放つなど、今季は一気にレギュラー争いへと期待がふくらんだが、ブランドン・レアードの加入をはじめとする競争の激化から一軍に残ることができず、今季前半戦での一軍出場はゼロに終わった。
まだ高卒2年目・20歳とはいえ、セ・リーグでは同期入団の村上宗隆(ヤクルト)が大ブレイク。84試合に出場して20本塁打を放ち、一軍のオールスターにも選出されている。「刺激を受けるところはある」と語っている通り、やはり“一軍で結果を”という想いは強まっていることだろう。まずは後半戦での一軍昇格に向けて、アピールを続けたい。
育成右腕が投手二冠!
つづいて、投手部門を見ていこう。
▼ 防御率トップ5
1.94 相内 誠(西武)
2.00 中川虎大(DeNA)
2.00 小島和哉(ロッテ)
2.42 高田萌生(巨人)
2.49 中村稔弥(ロッテ)
▼ 勝利数トップ5
8勝 中川虎大(DeNA)
8勝 土肥星也(ロッテ)
6勝 中村稔弥(ロッテ)
5勝 相内 誠(西武)
5勝 菅原 秀(楽天)
▼ 奪三振トップ5
74個 中川虎大(DeNA)
67個 小島和哉(ロッテ)
66個 土肥星也(ロッテ)
63個 山田大樹(ヤクルト)
60個 館山昌平(ヤクルト)
イースタンの前半戦で“投手二冠”を達成したのが、DeNAの高卒2年目右腕・中川虎大(こお)だ。
背番号104の育成選手ながらリーグ最多タイの8勝を挙げ、奪三振もトップ。防御率もトップを走る西武・相内に迫るリーグ2位の好成績となっており、支配下登録へ向けて強烈なアピールに成功した。
DeNAはリーグ2位という好位置で前半戦を終えたものの、首位の巨人とは9.5ゲーム差。逆に3位以下はほとんど差のない団子状態となっており、巨人追撃と2位をめぐる混戦からの抜け出しのためには、前半戦にはなかったプラスアルファが不可欠になってくる。
特に先発陣を見ると、エースの今永昇太は8勝を挙げているものの、それに次ぐのがルーキーの上茶谷大河(5勝)と大貫晋一(4勝)というところ。東克樹や浜口遥大といった実績ある投手の状態が心もとないだけに、新星の台頭が待たれている。中川にとってはこれ以上ないチャンスと言えるだろう。
新規支配下登録の期限は7月末。デッドラインは迫ってきているが、中川虎大の名前は公示されるのか。こちらも注目だ。
文=尾崎直也