ニュース

今年も野手が独占 栄えある「球宴MVP」の“その後”

無断転載禁止
第2戦では阪神のルーキー・近本光司がMVPに輝いた

オールスターMVPの“その後”は…?


 7月13日、阪神甲子園球場で『マイナビオールスターゲーム2019』の第2戦が行われ、セ・リーグがパ・リーグに大勝。2017年の第1戦からはじまった連敗を「5」で止め、3年連続の指揮・通算6戦目にして初勝利を挙げた緒方孝市監督(広島)も安堵の表情を浮かべた。

 最も輝いた選手を讃える「最優秀選手賞」、いわゆるMVPは地元・阪神の近本光司が受賞。12球団で唯一ルーキーながら夢の舞台に立った男は、第1打席でいきなり先頭打者本塁打をかっ飛ばすと、その後も打ちも打ったり5打数5安打。本塁打→二塁打→単打→二塁打と来て迎えた最終打席には、パ・リーグ守備陣のちょっとした“アシスト”も受けながら三塁打をマークしてオールスター史上2人目となるサイクル安打も達成した。

 公式戦ではないとはいえ、これだけの活躍を目の当りにしたら月曜日から再開するペナントレースでの期待も高まって当然。特に近本に関しては序盤こそ好スタートを切るも交流戦あたりから徐々に調子を落としていただけに、夢舞台での大暴れを復調のキッカケとしてもらいたいところ。

 そこで、今回は近年の「オールスターMVP」受賞者の“その後”に注目。オールスターの活躍を経て迎える後半戦は実り多きものとなるのか、はたまた苦しい戦いとなるのか。直近10年を振り返って傾向を探ってみた。


実は苦しむ選手が多い?


<2009年>
▼ 青木宣親(ヤクルト) 【↑】
後半戦:率.372 本9 点35
(前半戦:率.249 本7 点31)
⇒ 通算:率.303 本16 点66

▼ 松中信彦(ソフトバンク) 【↓】
後半戦:率.275 本7 点25
(前半戦:率.285 本16 点55)
⇒ 通算:率.279 本23 点80


<2010年>
▼ 阿部慎之助(巨人) 【↓】
後半戦:率.247 本14 点34
(前半戦:率.301 本30 点58)
⇒ 通算:率.281 本44 点92

▼ 片岡易之(西武) 【→】
後半戦:率.295 本3 点24
(前半戦:率.295 本10 点30)
⇒ 通算:率.295 本13 点54


<2011年>
▼ 畠山和洋(ヤクルト) 【↓】
後半戦:率.248 本12 点46
(前半戦:率.292 本11 点39)
⇒ 通算:率.269 本23 点85

▼ 中村剛也(西武) 【↑】
後半戦:率.278 本22 点62
(前半戦:率.260 本26 点54)
⇒ 通算:率.269 本48 点116

▼ 稲葉篤紀(日本ハム) 【↓】
後半戦:率.246 本5 点23
(前半戦:率.275 本7 点31)
⇒ 通算:率.262 本12 点54


<2012年>
▼ 中村紀洋(DeNA) 【↓】
後半戦;率.239 本3 点19 
(前半戦:率.295 本8 点42)
⇒ 通算:打率.274 本11 点61

▼ 陽岱鋼(日本ハム) 【↑】
後半戦:率.301 本2 点20
(前半戦:率.277 本5 点35)
⇒ 通算:率.287 本7 点55


<2013年>
▼ 新井貴浩(阪神) 【↓】
後半戦:率.233 本4 点29
(前半戦:率.293 本11 点41)
⇒ 通算:率.267 本15 点70

▼ 内川聖一(ソフトバンク) 【↓】
後半戦:率.294 本10 点40
(前半戦:率.332 本9 点52)
⇒ 通算:率.316 本19 点92


<2014年>
▼ ブラッド・エルドレッド(広島) 【↓】
後半戦:率.199 本8 点24
(前半戦:率.290 本29 点80)
⇒ 通算:率.260 本37 点104

▼ 柳田悠岐(ソフトバンク) 【↓】
後半戦:率.291 本3 点19
(前半戦:率.337 本12 点51)
⇒ 通算:率.317 本15 点70


<2015年>
▼ 会沢 翼(広島) 【↓】
後半戦:率.187 本2 点9
(前半戦:率.271 本4 点21)
⇒ 通算:率.246 本6 点30


<2016年>
▼ 筒香嘉智(DeNA) 【↑】
後半戦:率.342 本22 点53
(前半戦:率.308 本22 点57)
⇒ 通算:率.322 本44 点110

▼ 大谷翔平(日本ハム) 【→】
後半戦:率.316 本12 点40
(前半戦:率.331 本10 点27)
⇒ 通算:率.322 本22 点67


<2017年>
▼ 内川聖一(ソフトバンク) 【↓】
後半戦:率.237 本1 点4
(前半戦:率.307 本11 点46)
⇒ 通算:率.297 本12 点50

▼ アルフレド・デスパイネ(ソフトバンク) 【↓】
後半戦:率.252 本14 点43
(前半戦:率.269 本21 点60)
⇒ 通算:率.262 本35 点103


<2018年>
▼ 森 友哉(西武) 【↓】
後半戦:率.267 本7 点34
(前半戦:率.281 本9 点46)
⇒ 通算:率.275 本16 点80

▼ 源田壮亮(西武) 【↓】
後半戦:率.263 本3 点21
(前半戦:率.290 本1 点36)
⇒ 通算:率.278 本4 点57


 思い返してみると、昨季は前半戦の強さをそのままに西武勢が2日連続でMVPを獲得。後半戦も押し切って10年ぶりのリーグ制覇を成し遂げているものの、オールスターでMVPを受賞した2人は前半戦と比べるとやや成績を落としている。

 過去を振り返っても、どちらかと言えば数字を落とす選手の方が多い傾向。オールスターに選ばれるほどの活躍を見せた前半戦の活躍を、疲労の出てくる後半戦も維持していくというのは我々が思っている以上に難しいようだ。

 また、前半戦からの活躍が他球団から認められ、マークが厳しくなってくるということも苦しむ要因のひとつとして考えられる。一方で、そういった困難をすべて跳ねのけて後半戦に成績を伸ばした青木宣親や中村剛也、筒香嘉智といった選手たちは、いずれも球界を代表する選手へと成長を遂げた。

 オールスターゲームももちろん大事だが、本当に大事なのはオールスターの“その後”。スターダムを駆け上がっていくためには、一夜限りの活躍ではいけないということだ。

 2年連続でMVPに輝いた森、そしてルーキーながらヒーローになった近本はどうか。彼らが挑む後半戦から目が離せない。

ツイート シェア 送る

もっと読む

  • ALL
  • De
  • 西