手応えを掴みつつある走塁
「狙っていました」。
7月11日に行われた『プロ野球フレッシュオールスター2019』で、ロッテの藤原恭大が2盗塁を決めた。
イースタン・リーグ選抜の『1番・中堅』で先発出場した藤原は9回の第4打席に、ショートへの内野安打で出塁。続く代打・岸田行倫(巨人)の2球目に二盗を決めると、3球目に三盗を成功させた。
入団時にセールスポイントに“足”を挙げていた藤原は、春季キャンプで大塚明外野守備・走塁コーチから「リードの歩幅を確認するのと、スタートの構え、形が大事と言われました。リードの構えてからのスタートというのは、ずっと言われていました」と指導を受けた。
大塚コーチから教わったことを「今もやっている途中です。少しずつ良くなっています」と話す。
ここまでファームでは6盗塁。「数にしては少ないんですけど、内容としては、高校時代よりもいい。引き続き練習して、走れるようにしていきたいです」。
特にここ最近の試合を見ると、次の塁を狙う意識、盗塁への意識が強いように見える。7月2日に行われた巨人との三軍戦では、初回にレフト前ヒットで出塁すると、投手にプレッシャーをかけ次の塁を伺う姿勢を見せ、2回の第2打席でヒットを放ち出塁した後、見事に盗塁を決めた。
「盗塁するときの姿勢であったり、二塁からのシャッフルであったりと感覚がよくなってきた。一歩目もそのぶん、速く動けるので、そのぶんよくなったかなと思います」。
春季キャンプ前には足の速さに自信はあったが、走塁の技術に自信がないと話していた藤原は、プロの走塁を学び、試合に出場することで少しずつ自信をつかんでいる。
「試合もやりながら、練習のなかで映像で反応しながら、少しずつ余裕がでてきたというか、少しずつわかってきたというのがある。もう少しでもっと良くなるかなと思います」。
一軍で打つための準備の時期
打撃面では、6月1日の楽天戦との二軍戦から16日のDeNA戦にかけて7試合連続安打を放つなど、ここまで打率.230、3本塁打、14打点の成績を残す。
春季キャンプ、オープン戦を一軍で過ごし、開幕も一軍で迎え、一軍の投手の球を肌で体感した。一軍での経験が二軍の実戦で活きているかと問うと、藤原からは「活かせているというか、一軍のレベルが高いということはわかっているので、打ったりしても、一軍で打つためにと思ってやっています」という答えが返ってきた。
「満足ができないというか、もっとすごいピッチャーが出てくるので、一軍で打つための二軍の時期なのかなと思います」と一軍の投手に対応するため、日々の二軍戦に挑んでいる。
そんな藤原は、寮に戻ってからも、1日に配信された『マリーンズユーチューブチャンネルの広報カメラ』にもあったように、ティー打撃など自主練習を行うこともあるという。
「体づくりはもちろんですけど、もう1回一軍にあがりたい。もう一度一軍を経験したい。そのためには、自分の力を出さないと上がれない。しっかり力をつけながら、結果を出せるように、そこを目標にやっていきたいと思います」。再び一軍でプレーすることを目指し、攻・走・守の技術向上に励む。
取材・文=岩下雄太