不安を残す先発陣!?
プロ野球は後半戦がスタート。現時点において、セ・リーグは巨人が2位のDeNAに9.5ゲーム差をつけ、順位争いで大きくリードしている。しかし、2位以下は混戦模様。DeNA、阪神、中日、広島の4球団が2.5ゲーム差のなかでひしめき合っている。巨人を追いかけるためにも、まずはこの2位争いから抜け出すことが重要だ。
そのなかで鍵となるのは、やはり先発投手陣。近年は投手分業制が進み、中継ぎ陣にかかる比重は増えている。とはいえ、試合をつくる先発投手が揃っていなければ、勝利を掴むことは難しい。
目下のところ、巨人追走の一番手として目されているのが、2位のDeNA。オールスターゲームでも2回完全投球を見せたエースの今永昇太をはじめ、濵口遥大、井納翔一と2桁勝利経験者が3人。また、新人の上茶谷大河と大貫晋一、ひとり立ちしてきた平良拳太郎など、昨シーズンの新人王である東克樹を欠きながらも、頭数は揃っている。
ただし、先発陣の内容を見てみると、7月に入ってからクオリティスタート(先発が6回3失点以内)を達成したのが、17日の濵口のみ。後半戦が始まった15日以降、先発陣の井納、上茶谷は試合を作りきれず、濵口に関しても初回に4四球と一気に崩れてもおかしくない内容だった。
そんな中、大きな期待を寄せられているのが、20日の中日戦に先発する石田健大だ。
中継ぎで結果を残して先発へ
今シーズンの石田は、左肘痛で出遅れたが、ここまで23試合に登板して防御率1.82。左の中継ぎとしてチームに貢献してきた。また、24.2回を投げ27奪三振と、奪三振率(1試合に何個三振を奪うかを表す指標)も「9.85」と高水準をキープしている。そんな石田をラミレス監督は、オールスターゲーム前に抹消。先発調整を経て、いよいよ20日のマウンドに上がる。
石田は2桁勝利の経験こそないが、2016年には規定投球回に到達し9勝をマークした実績があり、翌2017年、そして2018年と2年連続開幕投手を任されるなど、期待値は大きい。今シーズンの初先発で好投を見せることができれば、そのままローテ入りを果たしても不思議ではない存在だ。
ラミレス監督はかねてから、「先発投手陣が鍵」とコメント。ここまで継投でやり繰りしてきた部分もあるが、夏場からシーズン終盤にかけては疲労の影響も大きくなってくる。石田の投球内容が、夏場の勝負どころの“やりくり”にも大きく影響を与えることになりそうだ。
近年ほどの爆発力は鳴りを潜めている打線に関しては、一足早くテコ入れを図ったラミレス監督。あとは先発に復帰する石田に加え、力をつけてきた若い投手たちが、2位集団から抜け出すべく、競争のなかでどんなピッチングを見せてくれるのか。先発陣の充実が、後半戦巻き返しのカギを握ることは間違いないだろう。
【DeNA先発陣のここまで】
▼ 井納翔一
登板:11試合(50.1回)
3勝4敗 防御率4.83
▼ 今永昇太
登板:16試合(110回)
8勝5敗 防御率2.78
▼ 大貫晋一
登板:11試合(51.2回)
4勝3敗 防御率4.70
▼ 濵口遥大
登板:11試合(56回)
4勝3敗 防御率2.41
▼ 上茶谷大河
登板:15試合(88.1回)
5勝3敗 防御率3.46
▼ 平良拳太郎
登板:5試合(27.1回)
1勝2敗 防御率1.98