3試合で3得点…
ケガ人続出の誤算を抱えながらも、前半戦を首位で折り返したソフトバンク。さすがの選手層の厚さを見せつける格好にはなったが、そのままかんたんに押し切れるほど甘くはなかった。
本拠地に日本ハムを迎えた後半戦の開幕カードは3戦全敗。特に打撃陣が4安打1点・5安打2点・2安打0点と完全に沈黙してしまい、工藤公康監督も「切り替えていきましょう」と言うしかない状況。17日の試合に至っては内川聖一にアルフレド・デスパイネという中軸2人を欠いたラインナップ構成を強いられ、試合開始前からトーンダウンしていたファンも少なくなかった。
加えて、17日の試合では4番を任されるなど、苦しむ打線の中で奮闘を見せているユリスベル・グラシアルも、キューバ代表としてパン・アメリカ大会に出場するため19日の試合から離脱することが決まっている。まさに危機的状況を迎えているのだ。
そんな状況のいま、希望の光として待たれるのが“離脱者の復帰”。一軍のチームは3連敗を喫したものの、その間に二軍で復活をアピールした男がいる。内野の要・今宮健太だ。
今季は攻守でより大きな存在感
今年でプロ10年目を迎えた今宮。昨季はケガの影響もあって99試合の出場に留まり、5年連続で受賞していたゴールデングラブ賞を逃すという苦しい一年を過ごしたものの、背番号を「6」に変えて心機一転で挑んだ今季は開幕から攻守でチームに貢献。6月頭までは打率3割をキープするなど、例年以上の存在感を発揮していた。
ところが、6月に入るとその打棒に陰りが。14試合で月間打率.128という大ブレーキに加え、左太もも裏の痛みで戦線を離脱。2年ぶりにファン投票で選出されたオールスターにも出場することができず、歯がゆい想いを抱えたまま前半戦を終えることとなった。
それでも、オールスターブレイクを挟んだ7月15日(月)からファームで実戦に復帰を果たすと、初戦は3イニング限定での出場ながら適時打を放って2打数1安打2打点の活躍。まずは第一歩を踏み出すと、翌16日の試合でも安打を放ち、すかさず盗塁も成功。守備でも軽快なプレーを見せ、ファンを安心させた。
そして迎えた17日の試合。3試合連続で出場した今宮は、初回・先頭の第1打席で中日の左腕・小笠原慎之介からレフトスタンドへ豪快な先頭打者本塁打。復帰後最初のカードを無事に走り抜いただけでなく、走攻守すべてにおいて復活をアピールしてみせた。
ケガの箇所が箇所だけに無理は禁物とはいえ、一軍の状況を見ると救世主の登場が待たれるところ。今宮は嫌な流れを断ち切る希望の光となれるか、まずは19日の公示から目が離せない。