甲子園を感動の渦に包んだ一打
プロ野球セ・パ両リーグは19日、6月度の「スカパー!サヨナラ賞」受賞選手を発表。セ・リーグは阪神の原口文仁選手、パ・リーグはロッテの鈴木大地選手がともに初受賞を果たした。
原口は6月9日(日)に行われた日本ハム戦の9回、3対3で迎えた二死1・3塁の場面で登場。一塁走者が二塁へ進塁後、矢野監督の期待に応えセンター前へ安打を放ち勝負を決めた。
この試合、阪神は常に先手を許すも、リードを奪われた直後に試合を振り出しに戻し、試合は同点のまま9回裏へ。そして運命の9回裏に最高の筋書きが用意されていた。
二死走者なしの状況から、高山と北條が連打でつなぎ土壇場でチャンスを作ると、矢野監督は大病から復帰したばかりの原口選手を代打に指名。復帰後5試合目のこの日、様々な苦難を乗り越えての原口の一打に甲子園球場は感動の渦に包まれた。なお、原口のサヨナラ安打は、2017年6月15日の西武戦(甲子園)以来4度目のこと。
▼ 原口文仁・コメント
初めての「サヨナラ賞」頂きありがとうございます!
嬉しい気持ちとモチベーションの上がるこの受賞に感謝の気持ちでいっぱいです。
少し苦手としているピッチャーだったのですが、打席に立った時には自分のやるべきこと、スイングをしっかりイメージして臨みました。
あの最高の場面も含め、一軍の舞台に戻ってきて活躍できることが本当に幸せです!
チームの状況は少し苦しいですが、まだまだ諦めるような段階ではないので、ファンの皆さんの熱い声援に応えられるように頑張ります。
日々、球場やテレビの前での沢山の応援はチームの力になっています。
本当にありがとうございます!
生涯No.1サヨナラ打!?
パ・リーグからは、ロッテの鈴木大地が初受賞。6月16日(日)に行われた中日戦の9回裏に、5点差を逆転する劇的なサヨナラ打を放った。
この試合、ロッテは7回まで0-5と5点のリードを許す苦しい展開だったが、7回裏に鈴木選手のソロ本塁打で反撃開始。再び5点差の2-7で迎えた9回裏、先頭打者として打席に入った鈴木の2打席連続本塁打で1点を返すと、これが歴史的逆転勝利の始まりとなった。
その後、ロッテ打線が打者一巡の猛攻で、1点差として迎えた二死満塁で打席には再び鈴木。球場の盛り上がりが最高潮に達する中で、フルカウントからの6球目、バットを真っ二つに折りながら振り抜いた打球は1・2塁間を抜け右前へ逆転のサヨナラ安打となった。
9回裏に5点差以上を逆転してのサヨナラ勝利はプロ野球史上9度目。今季のロッテは、この試合までに3度のサヨナラ勝利があり、その3試合すべてで鈴木選手がサヨナラ打を記録。個人シーズン3度のサヨナラ打は55年ぶり3人目の球団タイ記録となった。鈴木選手は6月1日の西武戦でのサヨナラ安打に続き6月2度目、自身通算では5度目のサヨナラ打となった。
▼ 鈴木大地コメント
この度は、このような素晴らしい賞を頂き本当にありがとうございます。
僕自身「サヨナラ」は何度か打たしてもらっていますが、今回の「サヨナラ」は今までの中でも、そしてこれから先、野球人生がどうなるかはわかりませんが、その先の中でもナンバー1になる場面での1本になったと思います。
野球は最後まで何が起こるかわからないと言いますが、そういった試合を僕たちは最後まで諦めずやっているつもりです。
今回も、球場だけでなくTVの前のファンの方の応援も届いての結果だと思いますので、これからも応援よろしくお願いいたします!