野村祐輔が先発登板
セ・リーグ4連覇を目指して今季を迎えた広島だが、ここまで浮き沈みの激しいシーズンを送っている。
セ・パ交流戦で最下位に沈み、その後11連敗。6月1日には「14」もあった貯金を全て使い果たし、7月17日には借金6と、1カ月半で20もの負け越しと苦しんだ。しかし、7月19日から行われた巨人との3連戦で3連勝を飾り、23日の中日戦にもサヨナラ勝ちを収めて4連勝。ギリギリのところで踏みとどまった。
ここまでの4連勝はいずれも、試合終盤での逆転や勝ち越しで勝利をものにしており、強かった広島が戻ってきた感もある。そんな広島に朗報が届いた。25日の予告先発が発表され、戦列を離れていた野村祐輔が復帰登板を果たす。
今シーズンの野村は、自身初登板となった4月3日の中日戦で7回1失点と好投。初勝利を手にし、幸先の良いスタートを切っていた。しかし、5月以降は打ち込まれるケースが増え、6月11日の日本ハム戦を最後に登録を抹消。ここまで11試合の登板で3勝3敗ながら、防御率は4.83。WHIP(1回に何人の走者を出したかを表す指標)は1.48、QS(6回以上自責点3以下)は45.5%の5回と物足りない数字が並んでいる。
そんな野村だが、ファームでは6月以降で3試合に登板。6月25日のオリックス戦では完封勝利をマークした。続く試合では5回5失点と崩れたものの、7月15日の阪神戦では7回2失点と立て直し、満を持して一軍昇格のゴーサインが出た。
中崎や岡田らもファームで調整中
緒方孝市監督も後半戦のキーマンに野村の名前を挙げており、その期待は大きい。先発ローテーションの一角として、輝きを取り戻してもらいたいところだろう。
野村の他にも、岡田明丈、中崎翔太、一岡竜司、薮田和樹といった、これまでの3連覇に貢献してきた投手たちがファームで汗を流している。一岡はコンディション不良ということもあり、ファームでの登板はないが、その他の3選手は7月に入ってから登板しており、一軍昇格に向けて調整を続けている。
同じように前半戦のほとんどをファームで過ごした今村猛は、7月3日に一軍に戻ってから7試合に登板して無失点(2勝0敗1ホールド)。7回を投げて与四球は「0」と、中継ぎとしてしっかりと結果を残している。
もともと一軍での実績がある選手たち。しっかりとファームで調整すれば、今村のように一軍でも結果はついてくるはず。これから迎える夏場は投手の疲労が残りやすい。また、優勝争い、順位争いも激しくなり精神的な負担も大きくなる。
その勝負どころに3連覇を経験している実績者たちが、フレッシュな状態で戻ってくれば、これ以上の補強はない。現在ファームで調整を続ける彼らが、野村や今村のように結果を残し、一軍での戦力となることに期待したいところ。広島が4連覇を果たすためのカギは、ファームにあるのかもしれない。
※数字は2019年7月21日終了時点