ニュース 2019.08.02. 17:00

セットアップは助っ人におまかせ?セのホールドランキングに見る流行

無断転載禁止
阪神のジョンソン(C)Kyodo News

勝利の方程式は外国人投手の独壇場?


 プロ野球の2019年シーズンも開幕から約4カ月が経ち、各チームが90試合前後を消化。両リーグとも前後半の折り返し時点では首位がやや抜け出しかけていたものの、ここに来て2位以下のチームが追い上げを見せており、勝負の8月戦線を前にまた様相が変わってきた。

 ここからの戦いで大きなカギを握るのが、選手たちの“疲労”。開幕から突っ走ってきた分、コンディションも過酷になってくるこの夏場で調子を崩してしまったり、最悪の場合はケガで戦列を離れてしまう選手というのも出てくる。

 なかでも毎日のように登板機会がある中継ぎ投手は特に負担の大きなポジション。そこで今季活躍している中継ぎ投手たちの顔ぶれを確認してみると、あることに気が付いた。セ・リーグのホールドランキングの上位に外国人選手の名前がずらっと並んでいるのだ。

 トップ5のうち、日本人選手は藤川球児(阪神)ただ一人。トップ10まで広げてみても、外国人選手が過半数を超える6名もいる。パ・リーグはトップ5で2名、トップ10に広げてみても外国人選手の名前は出てこず、セ・リーグの多さが際立っている。


外国人選手による熾烈なタイトル争い


 では、もう少し詳しく見ていこう。以下は8月1日終了時点での、セ・リーグのホールドポイント(ホールド+救援勝利)ランキング。

▼ セ・HPランキング
1位 31HP ピアース・ジョンソン(阪神)
2位 29HP ジョエリー・ロドリゲス(中日)
3位 27HP エドウィン・エスコバー(DeNA)
4位 26HP 藤川球児(阪神)
5位 22HP ヘロニモ・フランスア(広島)
6位 21HP デーブ・ハフ(ヤクルト)
6位 21HP 三嶋一輝(DeNA)
6位 21HP スペンサー・パットン(DeNA)
9位 19HP カイル・レグナルト(広島)
10位 17HP 中川皓太(巨人)
10位 17HP スコット・マクガフ(ヤクルト)
10位 17HP 近藤一樹(ヤクルト)
※2019年8月1日終了時点


 中継ぎ投手のタイトル争いの要件になるホールドポイントで見てみると、トップ10(※計12人)のうち実に8名が助っ人選手。パ・リーグはホールドランキングと同じでトップ10に外国人選手は2名しかおらず、ここでもセ・リーグの多さが際立っている。


 今年は特に差が開いているが、近年の傾向を見てみてもやはりセ・リーグの方が助っ人リリーバーの活躍が目立つ。

▼ HPランキング・トップ10に入った外国人選手の数
2018年 セ:3人/パ:1人
2017年 セ:6人/パ:3人
2016年 セ:4人/パ:3人


 要因は様々あれど、セ・リーグには指名打者制度がないという点がひとつ考えられる。投手への代打起用がある分、パ・リーグよりも中継ぎ投手の登板機会が多くなるため、そこの部分をタフな助っ人選手に任せる球団が多いのでは、という考察だ。

 長いシーズンを戦い抜くうえで、勝利の方程式がしっかりしているというのは大きな強みになる。後半戦に差し掛かり、疲労なども気になるところではあるが、チームを支える助っ人リリーバーたちの奮闘から目が離せない。

ポスト シェア 送る

もっと読む

  • ALL
  • De
  • 西