支配下登録後ファームで初登板
各地で夏の甲子園の出場校が決まり始めた7月28日、楽天が育成選手契約を結んでいた由規投手(29)の支配下登録を発表した。
かつて「高校ビッグ3」と呼ばれ、12年前にドラ1として大きな注目を集めた由規も故障の影響などで昨シーズンオフにヤクルトを戦力外となり、楽天へと移籍。その後は故障が癒えていなかったこともあり、育成契約から再起を図っていた。
今シーズンの初登板は5月17日のイースタンリーグ西武戦。この試合で2回無失点、被安打1、奪三振2と、二軍戦とはいえ結果を残した。2戦目の登板となった6月2日のロッテ戦では、投球回数を伸ばし3回無失点。その後も登板間隔を空けつつ、7月26日までの7試合で12回を投げて無失点。奪った三振は14個と結果を残し、実力で支配下登録を勝ち取った。
しかし、由規にとって支配下登録がゴールではない。本人も主張していたように「まだまだスタートライン」であり、「一軍の戦力になる」ことが最終的な目標になってくる。ヤクルト時代の由規は先発として起用されてきたが、楽天でもそれは変わらない模様。石井一久GMは中継ぎでの起用に否定的な見解を示したということで、現時点では、あくまでも先発要員として考えられているようだ。
30日には、イースタンリーグのDeNA戦で支配下登録後初登板、DeNAの4番・細川に適時二塁打を打たれて今季初失点を喫するなど、2回2/3を投げて被安打6、与四球1の3失点(自責2)という結果に終わった。ここまで最長でも3イニングしか投げておらず、徐々にイニング数や登板間隔を調整していくことになるだろう。
▼ 由規(楽天)
19年:8試合1勝0敗1セーブ 防御率1.23
通算:90試合32勝36敗 防御率3.66
「高校ビッグ3」の中田翔、唐川侑己も健在
その由規と共に「高校ビッグ3」として在学中から注目されてきた中田翔(日本ハム)、唐川侑己(ロッテ)のふたりは、今シーズンもチームの主力として活躍している。
日本ハムの「4番」として君臨する中田は、ここまで打率.264、23本塁打、67打点を記録。本塁打は昨シーズンの25本にあと2と迫っており、2015年に記録したキャリア最多の30本を超える勢いだ。
特に7月以降、数字を伸ばしており、月間打率.303(76-23)、7本塁打はともに今シーズンベストの数字。中田の調子に合わせるかのように、チームも後半戦に入ってから好調を維持し、首位のソフトバンクを猛追。その打棒でチームを2016年以来の優勝に導けるか注目だ。
▼ 中田 翔(日本ハム)
19年: 94試合 打率.262 23本 67打点
通算:1273試合 打率.254 225本 816打点
一方、高卒1年目に5勝をマークし、3人の中で最も早く頭角を現した唐川は、その後も順調にキャリアを積み上げてきたものの、2014年以降は低迷。先発として思うような結果を残すことができずにいたが、昨シーズン途中から中継ぎにまわり、好結果を残した。
今シーズンも「オープナー」として起用された7月10日の日本ハム戦をのぞき、全て中継ぎでの登板。ここまでキャリア最多の33試合に登板して5勝3敗13ホールド、防御率3.56と、まずまずの数字を残してきた。30日のオリックス戦でも、セットアッパーとして登板。8回の1イニングを三者凡退で切り抜け、ホールドを記録している。
▼ 唐川侑己(ロッテ)
19年: 33試合 5勝 3敗13ホールド 防御率3.45
通算:239試合71勝69敗18ホールド 防御率3.73
2007年の高校生ドラフトで“高校ビッグ3”と呼ばれ話題をさらった3人も今年で30歳。新たな道を歩き出そうとしている高校時代からのライバルたちの行く末を楽しみにしたい。