支配下選手になれず
支配下選手登録期限が31日で終了。19人の育成契約選手が支配下登録を勝ち取った一方で、支配下を勝ち取れなかった選手も多い。ロッテの育成選手・和田康士朗がその一人だ。
「まずは守備、走塁をしっかりしないと支配下選手になれないと思う。バッティングよりは守備、走塁を100%、ミスなしでできること。100%目指してやっていきたい」。
3月の時点でこのように目標を掲げていたが、支配下選手登録期限となる7月31日までに2ケタの背番号を勝ち取ることができなかった。
50メートル5秒8の俊足の和田は、走塁面で存在感を見せている。3月2日に行われた教育リーグの巨人戦では、「僕の武器は足。そこを見逃さず積極的な走塁。三塁コーチの小坂さんが、ストップと止めていた。僕は突っ込んでいって、(小坂コーチに)とまらずに良くいったと褒められました」とワイルドピッチで二塁から一気にホームインした。
シーズンが開幕してからも6月8日の巨人戦で、3-4の延長11回無死一塁から安田尚憲の打席中、一塁走者の和田はワイルドピッチで三塁へ進塁。安田の犠飛で同点のホームを踏んだ。相手の隙を突く見事な走塁を、ファームで何度も見せている。
二軍盗塁数はチームトップ
ファームでの盗塁数も、同じく俊足のルーキー・藤原恭大を抑えて、ここまでチームトップの13個をマークする。
7月30日の巨人戦では、代走で出場し1試合2盗塁を決めた。それでも本人は「全然ダメですね」と反省。その理由について「今日は、2つともスタートがダメでした。いいボールが来ていたらアウトだと思うので、全然ですね。一番の課題はスタートかなと思います」と説明した。
和田は13盗塁を決め、失敗の数は4個で成功率は.765、昨季の盗塁成功率.461を上回っているが、さらに成功率をあげるために「スタートの構えのところで、ちょっと揺れてみたりとか、反応しやすい姿勢を探しています」と試行錯誤している。
マーティンが加入した時点で支配下登録の枠数が70人となり、その時点でシーズン中の支配下登録選手になることができなくなった。「70人いかなかったとしても、実力不足だったと思う」と冷静に自己分析する。「来年もあると信じて、来年までにはしっかり支配下選手になりたいです」。武器である足に磨きをかけ、ソフトバンクの柳田悠岐を彷彿とさせるフルスイングで勝負していく。
取材・文=岩下雄太