後半戦は1試合平均得点で2点アップ
ここにきてセ・リーグ3連覇中の広島が勢いづいてきた。セ・パ交流戦明けから引き分けをはさみ11連敗を喫するなど苦しんだが、後半戦に入って14勝4敗と息を吹き返した。
7月19日から行われた巨人との3連戦から4カード連続で勝ち越し。最大12ゲームあった首位・巨人との差も2ゲームにまで縮めまった。
そんな好調な広島で、大きく変わったのが打順。後半戦の初戦となる7月15日のDeNA戦から上位打線を固定したことだ。昨シーズンオフに丸佳浩(現・巨人)が抜けたこともあり、打線の組み方で試行錯誤してきた今シーズンの広島。前半戦を見ていると、2番の菊池涼介、4番の鈴木誠也以外は固定できずチグハグ感があったことは否めなかった。
しかし、後半戦からは1番の西川龍馬から、菊池涼、バティスタ、鈴木、松山竜平(メヒア1試合、会沢1試合)と5番までをほぼ固定。その結果1試合平均安打は10.2本(前半戦は8.2本)で、得点数も3.8点から5.9点と、2点もアップしている。打線が機能した結果、後半戦の14勝4敗という快進撃につながっていると見ていいだろう。
そのなかでも、特に目覚ましかったのが西川の躍進だ。
今季の失策は「0」
後半戦から1番に定着した西川は、7月31日までにチームを勢いづける先頭打者本塁打を4本も記録。これは球団における、月間の先頭打者本塁打記録を更新する快挙だ。それも、わずか半月ほどで球団記録を塗り替えたことになる。
また、ここ2試合は無安打に終わっているが、後半戦18試合中15試合で安打を放つなど、存在感を示していた。その間、出塁できなかったのは1試合のみ。毎試合のように出塁が得点に結びつくなど、打線が機能している大きな要因の1つに、リードオフマン「1番・西川」の存在があった。
昨シーズンも規定打席には未到達ながら、打率.309(327-101)と活躍。一方、三塁手としてはリーグワーストとなる17失策と守備面で苦しみ、確固たるレギュラーの座をつかめずにいた。しかし今季は丸の移籍もあって、主に左翼、そして中堅を任され、ここまで失策は「0」。守備面での不安がなくなったことが、本人、そしてチームにも好影響を与えているのかもしれない。
今シーズンの広島は、3連覇を果たしたここ3年のように首位を独走しているわけではない。大きな浮き沈みがありながら、上位争いを繰り広げている状況というのが実情だ。
あすからは首位の巨人を3タテし、勢いに乗るDeNAとの3連戦。チーム別の今季対戦成績では苦手とするDeNAだが、あす先発の上茶谷とは、打率.600(5打数3安打)、3打点と好相性。後半戦における第1打席の打率が5割を超える西川が、リードオフマンとしてチームをぐいぐいと引っ張っていけるのか、その第1打席から注目したい。
▼ 西川の今季成績(前半/後半)
出場数:79試合/18試合
打 率:.264/.380
本塁打:5本/5本
打 点:35打点/15打点
出塁率:.297/.410
▼ 後半戦の打席別成績
第1打席の打率.529(17-9)
第2打席の打率.471(17-8)
第3打席の打率.188(16-3)
第4打席の打率.294(17-5)
第5打席の打率.500(10-5)
第6打席以降の打率.000(2-0)
▼ 今季カード別対戦成績
巨:打率.446/4本/11打点
中:打率.321/1本/ 5打点
ヤ:打率.290/1本/12打点
神:打率.246/1本/ 7打点
De:打率.224/0本/ 5打点
※数字は2019年8月4日終了時点