第101回 高校野球選手権大会
熊本工 3× - 2 山梨学院<1回戦 8月10日>
大会5日目の第2試合に組まれた1回戦最後の一戦は、延長12回に劇的な幕切れを迎えた。
試合は初回、山梨学院が連打で一死一・三塁の好機を作り出すと、4番・菅野秀斗の二ゴロの間に三塁走者が生還。併殺崩れで一塁に走者が残り、続く5番・野村健太の右安打で再び一三塁とする。さらにダブルスチールと相手守備の乱れもあり、先攻の山梨学院が2点を先制した。
一方の熊本工は、初回、2回と出塁した走者が、山梨学院の先発左腕・相沢利俊のけん制に刺され、送りバントも失敗するなど、ちぐはぐな攻めが続いた。それでも4回裏、この回の先頭・吉山綸太郎が四球を選ぶと、二死後に5番・森翔太郎が大きな飛球をレフトポール際へ。この打球で一塁走者の吉山が一気にホームを狙うと、山梨学院も素晴らしい中継プレーを見せたが、間一髪のタイミングでセーフ。熊本工は続く6番・青山典勢もレフトへ二塁打を放ち、連続長打で試合を振り出しに戻した。
その後は、両チームとも走者を出しながら得点を奪うには至らず、試合は9回を終わっても2-2で延長戦へ。熊本工は6回からマウンドに上がった村上仁将が粘り強いピッチングを披露し、対する山梨学院も先発の相沢が力投。しかし、タイブレークがチラつき始めた12回裏、一死走者なしで相沢が投じた140球目を7番・山口環生が降りぬくと、高々と上がった打球がバックスクリーンに。
熊本工が山口の劇的サヨナラ弾で、今大会初のサヨナラ勝ちで2回戦への進出を決めた。