2019.08.17 18:00 | ||||
東京ヤクルトスワローズ | 7 | 終了 | 5 | 中日ドラゴンズ |
神宮 |
「しっかりと自分のスイングができた」
鮮やかな放物線を描き、打球はヤクルトファンで埋まったライトスタンドへ着弾した。
17日、神宮球場で行われた中日戦で、ヤクルトの村上宗隆がプロ初の1試合2本のアーチ。19歳の若武者は「素直に嬉しい」と喜びを表現した。
まずは4回だ。この回の先頭打者として打席に入った村上は中日先発・柳の高めのストレートを打ち返し、右越えへ27号ソロ。2本目は6回二死の場面で、同じく柳から28号ソロを右中間席へ運んだ。
4月7日に柳と対戦したときはノーヒットに抑えられ、「凄く良い投手でした」と素直に相手を称えていたが、この日の2本目のホームランに関しては「しっかりと自分のスイングができた」と自画自賛。小川淳司監督も「彼のホームランは本当に効果的なホームランが多い。価値ある一発」と称えた。
この日は、若き大砲の活躍と、プロ10年目で初先発の平井から星-梅野-五十嵐-近藤-マクガフ-ハフと7投手をつないだ継投で勝利(7-5)。小川監督は「毎回ピンチで内容は褒められたものじゃないが、追い越されなかったというのと、四球を出しても失点を与えなかったというところは、よく粘れたかな」と話した。
清原に並ぶ「83」打点
村上の打点はこれで「83」となり、リーグトップ。高卒2年目以内では、1987年の清原和博(西武)に並び、1953年に中西太(西鉄)が記録した歴代トップの「86」にもあと3つと迫っている。
「常に打とうと思って打席に入っている」と頼もしい背番号55。8月に入って好調をキープしているが、「一つ一つが試行錯誤の繰り返し」と慢心はない。「1打席、1打席、集中してやっていくことが今できることだと思っている。これからも継続してやっていく」。そう語る19歳の進化が止まらない。
取材・文=別府勉(べっぷ・つとむ)