◆ 「しっかりと自分のスイングができた」

 鮮やかな放物線を描き、打球はヤクルトファンで埋まったライトスタンドへ着弾した。

 17日、神宮球場で行われた中日戦で、ヤクルトの村上宗隆がプロ初の1試合2本のアーチ。19歳の若武者は「素直に嬉しい」と喜びを表現した。

 まずは4回だ。この回の先頭打者として打席に入った村上は中日先発・柳の高めのストレートを打ち返し、右越えへ27号ソロ。2本目は6回二死の場面で、同じく柳から28号ソロを右中間席へ運んだ。

 4月7日に柳と対戦したときはノーヒットに抑えられ、「凄く良い投手でした」と素直に相手を称えていたが、この日の2本目のホームランに関しては「しっかりと自分のスイングができた」と自画自賛。小川淳司監督も「彼のホームランは本当に効果的なホームランが多い。価値ある一発」と称えた。

 この日は、若き大砲の活躍と、プロ10年目で初先発の平井から星-梅野-五十嵐-近藤-マクガフ-ハフと7投手をつないだ継投で勝利(7-5)。小川監督は「毎回ピンチで内容は褒められたものじゃないが、追い越されなかったというのと、四球を出しても失点を与えなかったというところは、よく粘れたかな」と話した。

◆ 清原に並ぶ「83」打点

 村上の打点はこれで「83」となり、リーグトップ。高卒2年目以内では、1987年の清原和博(西武)に並び、1953年に中西太(西鉄)が記録した歴代トップの「86」にもあと3つと迫っている。

 「常に打とうと思って打席に入っている」と頼もしい背番号55。8月に入って好調をキープしているが、「一つ一つが試行錯誤の繰り返し」と慢心はない。「1打席、1打席、集中してやっていくことが今できることだと思っている。これからも継続してやっていく」。そう語る19歳の進化が止まらない。

取材・文=別府勉(べっぷ・つとむ)

【別府勉・プロフィール】
1981年、神奈川県生まれ。野村克也監督時代の黄金期からヤクルトスワローズを応援し、学生時代を中心に全国各地の球場を回った。大学卒業後はスポーツ紙の取材編集の仕事を経て、Web業界へ。『ベースボールチャンネル』への寄稿を機に、野球ライターとして活動開始

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別府勉

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