外野でスタメン出場も…
『第101回全国高校野球選手権大会』は履正社高校の初優勝で幕を閉じた。1年前は高校3年生だったロッテのドラフト4位ルーキーの山口航輝はこの夏、攻守に奮闘している。
山口は開幕から主に指名打者でスタメン出場することが多かったが、7月25日のDeNAとの二軍戦以降は外野でスタメン出場。「(疲労度が)全然違う。体全体の疲労感というのがやっぱりあります。守りでの集中と打席での集中があるので、そこで疲れが少しある」とここまでを振り返る。
疲労が影響か、指名打者の試合は28試合で打率.261(92-24)だったが、「守らせてもらえるようになって打席数も増えたんですけど、打席数が増えてから打てなくなってきて、だんだん率が下がってきた」と山口が話すように、外野手としてスタメンに名を連ねるようになった7月25日以降は、打率.187(75-14)と2割をきっている。
「疲れは多少あるかもしれないですけど、出してもらっている以上は疲れとか言っていられない。疲れを残さないようにするために、どうするかを考えてやっています」。自身の体調と日々向き合い、その日のベストを尽くせるようにプロとして準備している。
本塁打と打点はアップ
指名打者で出場しているときよりも打率は低いが、外野でスタメン出場している時の方が本塁打と打点は伸びている。8月18日に行われたDeNAとの二軍戦では『7番・左翼』で先発出場し、自身初となるバースデーアーチを放った。
また、バットもこれまで使っていた白木のバットから「前のバットのときに、(白木のバットを)くり抜いて、いい感じに振り抜きやすかったので、今回も変えようと思いました。色は自分がいいなと思っただけです」と手元が白色で先端が黒色のバットに変更。重さと長さは、これまで使用していたバットと変わらない。
8月も終盤に差し掛かり、1年目のシーズンも残すところあとわずか。「やるからには一軍でやりたい。少ないチャンスでも、そのチャンスをモノにできたらいいなと思います」と決意を述べたが、「今の自分のレベルのままでは(一軍に)いかせてもらうことは、簡単ではない」ことも理解している。外野でスタメン出場が増えてからやや苦しんでいるが、課題を克服しようと試行錯誤している。この壁を乗り越えた時に、新しい山口が見られるはずだ。
▼ 山口のスタメン出場試合の成績
指名打者:28試 率.261(92-24) 本0 点7
外野手 :25試 率.189(95-18) 本4 点9
※代打や途中出場を含めない
※2019年8月27日時点
取材・文=岩下雄太