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楽天ブラッシュがパ通算5万号アーチ~ホームベース踏み忘れでプロ野球10万号となった選手は?

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10回、サヨナラ3ランを放ちガッツポーズで一塁に向かう楽天・ブラッシュ=2019年8月27日 楽天生命パーク 写真提供:共同通信社
話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。8月27日に楽天のジャバリ・ブラッシュ選手が「パ・リーグ通算5万号」を打ったことにちなみ、今回は、プロ野球の「節目のホームラン」にまつわるエピソードを取り上げる。

「打ったあとは分かっていなかったけれど、非常に光栄に思うし、日本のプロ野球の歴史に自分の名前を残すことができて、とても嬉しい」

27日、楽天生命パークで行われた楽天-ロッテ戦で、4回、楽天・ブラッシュが、ロッテ・石川から25号本塁打を放ちましたが、これが「パ・リーグ通算5万号」のメモリアルアーチになりました。

25日の試合で「4万9999号」が出て、5万号にリーチがかかった状態で移動日を挟み、迎えた27日。この日パ・リーグは3試合が予定されていましたが、釧路でデーゲーム開催の日本ハム-西武戦ではホームランが出ず、京都で行われる予定だったオリックス-ソフトバンク戦も、雨のため中止。楽天-ロッテ戦で、最初にホームランを打った選手が、5万号で球史に名を残すことになったのです。

来日1年目で、その栄誉に預かったブラッシュ。延長10回には、酒居からサヨナラの26号3ランを放ち、メモリアル弾に花を添えました。

ブラッシュは、カリブ海に浮かぶヴァージン諸島のセント・トーマス島出身。暑い気候は慣れているかと思いきや、湿度が高い日本の夏は経験したことがなく苦しかったそうで、7月17日に22号を打ってから、1ヵ月以上も本塁打が出ない時期もありました。

8月21日に久々の23号を打つと、6試合で4本とアーチを量産。27日のゲームは、負けていたらロッテに並ばれていただけに、パ5万号を含むブラッシュの2発は、チームを救う貴重な本塁打となりました。

ところで……「セ・リーグ5万号」も今年(2019年)出ていますが、誰が打ったか覚えているでしょうか? 5月5日の阪神-DeNA戦で記念弾を放ったのは、阪神・福留孝介。しかもサヨナラ2ランでした。

42歳0ヵ月でのサヨナラ本塁打は、金本知憲・阪神前監督が持っていた「最年長サヨナラ弾」の記録・41歳1ヵ月を更新するセ・リーグ新記録。ここぞ、という節目にしっかり決める福留も、何か「持っている」選手です。

ちなみに過去、セ・リーグで節目となるメモリアル弾を放ったのは:
●1万号 末次民夫(巨人)1968年6月23日 広島戦(広島市民球場)
●2万号 岡田彰布(阪神)1980年8月19日 広島戦(広島市民球場)
●3万号 長嶋一茂(巨人)1993年4月23日 阪神戦(甲子園球場)
●4万号 清水隆行(巨人)2005年6月2日  日本ハム戦(札幌ドーム)

……実は、1万号から5万号の5発は、すべて巨人と阪神の選手が打っているのです。偶然ではありますが、日本のプロ野球の黎明期から歴史を創って来た両チームの選手が、節目の一発を放っているのは、興味深い事実です。

2リーグ分立(1950年)より前に出た本塁打も加えた、「プロ野球通算10万号」は2年前に出ています。2017年9月29日、ロッテ-オリックス戦(ZOZOマリンスタジアム)で記録され、打ったのはオリックスの、クリス・マレーロでした。NPBから贈られた賞金100万円を手にしています。

マレーロはこの年(2017年)、シーズン途中に来日。6月のデビュー戦(中日との交流戦)でいきなり「来日第1号」を放ちますが、何とホームベースを踏み忘れ、中日側からアピールを受けアウトに。本塁打も取り消されてしまいました(記録は三塁打)。

ということは……もしこのときちゃんとベースを踏んでいたら、10万号の栄誉も賞金も、他の選手のものになっていたわけです。

「踏み忘れで、日本のファンの方に名前を覚えてもらった。あれは残念だったが、それでこのホームランが10万号になった」

会見で満面の笑顔を見せたマレーロ。実は試合前に「10万号はオレが打つ!」とチームメイトに宣言。有言実行を果たしたのです。
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