ニュース 2019.09.08. 12:18

効果をすぐに実感!子どもが積極的になる「リーダーシップ」を育む|ヤキュイクキャンプ2019 Summer

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子どもたちの「考える力」を伸ばし、野球の技術だけではなく、今後の人生に役立つ「ライフスキル」を身につける『ヤキュイクキャンプ2019 Summer』。ヤキュイクキャンプならではの取り組みを、ライフスキルの項目に沿って計5回のシリーズで紹介していきます。第2回目のテーマは「リーダーシップ」です。

<ヤキュイクキャンプで高められる主なライフスキル>
1.考える力
2.リーダーシップ
3.感謝の心
4.チャレンジ
5.コミュニケーション


リーダーシップは誰もが持てる能力


「リーダー」という言葉を聞くとチームをまとめられるカリスマ性を持った選手を思い浮かべるかもしれません。しかし、そのような選手ばかりではありません。また、例え優秀なリーダーが存在しても、周りの選手がリーダーに頼りっぱなしのチームは、果たして良いチームと呼べるのでしょうか?

ヤキュイクキャンプではリーダーやキャプテンという制度を設けず、参加した子ども全員の「リーダーシップ」を育みます。

コーチたちは子どもたちに「練習や試合で一生懸命プレーすることもリーダーシップ。チームメイトに声をかけることもリーダーシップ。みんなが嫌だと思うことを率先して行うことも立派なリーダーシップです」と様々な場面で発揮できるライフスキルをわかりやすく説明していきます。

加えて「リーダーシップ」を身につけるためには「自分で決める」「自分の意見を言う」ことが重要だと理解させていきます。



そのために、グラウンドでは頻繁に少人数のチームを作り、より多くの人に対し自分の意見を伝えるシーンを設けます。最初は自分の意見を上手く言えなかった子どもが、自己主張をする経験を沢山得ることで、年上の子どもに対しても臆することなく自分の意見を言えるようになっていきます。

2009年の『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』で侍ジャパンのキャプテンを務めたイチロー選手は「よくチームにはリーダーが必要だという安易な発想があるが、今回のチームにはまったく必要なかった。それぞれが向上心を持って、何かをやろうとする気持ちがあれば、そういう形はいらない。むしろないほうがいいと思った」と優勝後のインタビューで発言しました。

リーダーとは指導者や統率者といった役割です。しかし、リーダーシップとはイチロー選手が言っていることに近い「大きなビジョンを描き、方向を示し、人々を巻き込んで実現する力」を意味しています。つまりリーダーリップは誰もが持てる能力というわけです。優秀なリーダーがいることよりも、2009年の侍ジャパンのように、チーム全員が「リーダーシップ」を持って団結し合える方がチームスポーツでは結果を残せるではないでしょうか。


「責任感を持つ」ことで率先して動けるようになる


チームのミーティングの中で「二塁のカバーリングは僕がする」とある子どもが宣言しました。これはコーチに与えられた役割ではなく、自分で考え決めた役割です。他人に与えられた役割ではなく、自分から「こうしたい」と思って行動する内発的動機づけで向上心はグンと高まります。実際のその子どもは試合中にカバーリングを怠ることなく、人一倍責任感を持って最後までプレーをしていました。

ボール拾いやグラウンド整備を率先して行うことも大事なリーダーシップです。コーチたちは子どもたちに強制するのではなく、率先して行った子どもをみんなの前で「カッコいい!」や「凄い!」と自然に褒めていきます。褒められて嫌な気分になる人はいませんよね?子どもたちも、段々とその行為がカッコいい行為だと頭で理解し、それまでは他人任せだった行為も自ら率先してできるようになっていきます。


特殊な環境だからこそより磨けるライフスキル


リーダーシップはグラウンドの外でも磨くことは可能です。旅館の玄関で自分の靴だけではなくみんなの靴を整理することや、食べ終わった食器を旅館の方が片付けをしやすいよう一か所にまとめることもリーダーシップを高めることに繋がります。

もちろんそういったことが最初からできる子もいれば、できない子もいます。ですが、キャンプで「人を思いやること」の大切さを伝えることで、徐々に他者への思いやりの気持ちが芽生え「自分だけよければいい」という感覚ではなく、キャンプに参加した全員が気持ちよく過ごすことを子どもたち一人ひとりが目指そうと努力し始めるのです。

1日目終了時の玄関の様子


2日目終了時の玄関様子


キャンプ後に行った保護者アンケートでは「大会前の平日に自分から6年生を誘って練習をしたり、通常の練習日の休憩中に自分から話しかける姿が増えました」「普段の練習で、周りへの声がけが増えたように感じます。特に思いやりのある声がけが出来るようになったと感じます」とキャンプで育んだリーダーシップを実感するコメントが多数寄せられました。

リーダーシップはスポーツだけではなく、様々な価値観を持つ人間が暮らす未来の社会では必要不可欠なライフスキルです。ヤキュイクキャンプという普段体験することができない特殊な環境だからこそ、多種多様なリーダーシップを子どもたちは磨けるのではないでしょうか。

次回はキャンプで育まれた「感謝の心」をテーマに、レポートします。
(取材・写真:細川良介)




ヤキュイクキャンプとは


侍ジャパンのアンダー世代でコーチ経験のある高橋雄太さんや、ご子息2人を侍ジャパンU-12に育てた宇野誠一さんなどのコーチ陣が、ライフスキル研究の第一人者である慶應義塾大学の東海林裕子教授による研修を受け、野球とライフスキルが融合されたカリキュラムを作成。野球の技術とともに「考える力」「リーダーシップ」「感謝の心」「チャレンジ」「コミュニケーション」を育む小学校中~高学年を対象としたキャンプです。
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