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天国と地獄、2つのペナントレースを味わった原ジャイアンツ

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通算1000勝を達成し、選手たちと記念写真に納まる巨人・原監督
 今週は巨人について。今年の巨人は、まるっきり裏切りっぱなしでもないし、かといって、前半の巨人なんかを見ると、ファンの皆さんの期待に十分に応えていたとも言いにくい。非常に難解なペナントレースをしています。


プラス要素とマイナス要素


 本質的には、年間を通して菅野投手が不調だということ。4・5月は良かったのですが、彼はその月が良ければいいという投手ではない。1シーズンを通して良くなければいけない投手ですから、その菅野投手が根底で不調だったというのは、巨人のマイナス面になったと思います。

 それからFA強化。丸選手と炭谷選手、これは文句なしに収穫ですね。この丸選手と炭谷選手。炭谷選手は途中、ケガをしてしまいましたが、もう大丈夫なようです。この2人が居なければ、巨人の陣容はどうなったかな?というような陣容です。やっぱり丸選手というのは流石のバッターでしたね。いい所で打ちますね、居るだけで価値がある打者。珍しく巨人のFA強化が大成功しました(笑)

 それからゲレーロ選手、ビヤヌエバ選手。この外国人ふたりは、何とも言えませんね。ゲレーロ選手は、ダメかなと思ったらホームランを打つ。ビヤヌエバ選手は、前半は良かったのですが後半はいいとこなし。ただ、年齢や体力から言って、彼はこれからの選手だと思うので、巨人が来年、ビヤヌエバ選手をどうするか、というのも評価の対象になっているのではないでしょうか。

 文句なしなのは、キャプテンの坂本選手。ホームランを30本以上打つことを予想した人はいなかったと思います。若い頃ならまだしも、30歳を超えてから。それも今まで年間30本を一度しか打ったことのない坂本選手が、30本を打つ。スローイングのエラーはりますが、守備でも大事な所で、良いプレーをする。

 あとは若手、一番目立ったのは、桜井投手ですかね。この投手も最初は心細くて、今年もダメかな?と思ったのですが、だんだん良くなって、一本の柱になりました。それから大城捕手。まだ未完成ですが、彼は何かするのではないか?というスリリングな良い面があります。若林選手は、後半になって疲れが見えますが、前半の働きは見事。左右両方打てるというのが、彼の武器だったと思います。

 問題は岡本選手。彼は苦しみましたが、数字は残しています。去年に比べると数字は出てないですし、チャンスで打てなかった印象もありますが、実質2年目ですからね。これからどんどん成長する選手だと思います。ですから、この辺は文句はないと思います。


ジェットコースター・シーズン


 そういった人員を抱えて、多少不安はありながら、巨人はペナントレースをスタートして、4月には16勝10敗とまずまず。5月には、おやおやと思うような9勝13敗。負ける内容も良くない。ましてや、菅野投手がどうか、という問題が、この辺から出てきました。6月は15勝7敗。おやおやという成績からコロッと変わる。坂本選手のホームラン、丸選手のホームラン。投手では山口投手が6月の月間MVPを獲ったというのもありました。この3人の評価が高かったと思いますね。

 そして交流戦。負け越さなければいいなと思っていたんですが、なんと11勝7敗。2000万円を獲得し、4月から交流戦までの成績が36勝30敗。まあまあという感じでしたね。
しかし、どうしても私が気になったのが、菅野投手がその間、彼らしい本当のボールを投げていなかったこと。勝つことは勝っていたけれど、菅野投手が不安を抱えたまま、ペナントレースの中盤に入っていく。

 これがどうかな?と思っていたら案の定、7月17日から4連敗を2回繰り返し、7月31日から8月4日まで再び4連敗。7月17日から8月6日まで、巨人は大きなエアポケットに入って5勝14敗。それまで良かったのに、5勝14敗って、同じ戦力なのにほんと考えられませんね。

 そして8月7日の中日戦、この日に連敗を脱出したわけですが、私はあまりにも巨人が気になったので、この日、原監督が何を考えているのか知りたくて、東京ドームに行きました。

 原監督は、物事をあまり悲観的に言う人ではないのですが、『だけど参りますね(笑)。こうやって天国から地獄、ジェットコースターに乗っているかのようなペナントレースをしていると、どっちが今の本当の力かな?と。我ながら、自分のチームを信頼できなくなりますよ(笑)』と、話してくれました。


うれしい誤算と今後への期待


 その時に監督が言ってくれたのが、菅野投手の完全復調。まあ、休むほどではないけれど、投げても5~6回でダメになってしまう。早く完全復調をして欲しいと。それから、心強いのは、若い桜井投手に安定感が出てきた。この桜井投手を大事に使いたい。山口投手も、どこか心配な所はあるんだけど、なんだかんだ負けない投手だと、監督からすると、負けない投手はもの凄い大事なんだと。それが山口投手なんだと。

 それから、高木京介投手も、まあまあ頑張っている。あと、使ってみたら素晴らしかったのが大竹だと。で、この際、中川投手ではなく、デラロサ投手を完全に抑えにしますと。8月7日の時点で、後半に向かう巨人の戦力の再計算が、原監督の頭の中にはあったようですね。

 打線も、岡本選手は去年よりも悪いけれども、我々はそう思っていない。まだ完成した打者ではないので、なんにも落ち込む必要はないと。実際考えると、予想以上の事が一杯あったし、岡本選手も、色々な人に色々な事を言われて、精神的にごちゃごちゃになった中で、これだけ頑張っているんだと。したがって、私は岡本選手を、それなりに評価していますよと。

 この間も原監督は、岡本選手に『お前さんは、未熟なんだから、OBとか、評論家とか、かつて凄い成績を上げた人たちは、色々な事を言ってくるだろうけれど、そんな事を全部聞いていたら、体が一つや二つあったって足りないんだから』と言ったそうです。

 で後藤コーチも、色々な人に、色々な事を言われているのはわかっていて、『それでもよく、我慢しています』と。元木コーチは『我々だって、腕を組んでみているわけじゃないんですよ』と。みんな岡本選手を気にしていましたね。ただ原監督だけは、こういう感じになるのは、予想通りだったから、そろそろこの状態を通り過ぎると、岡本選手ももうちょっと楽に打てるようになって、それが来シーズンにつながると思うので、そういう点から考えると、現状の岡本選手はまずまずだと思うということです。


優勝への道筋


 最後に原監督は、『春先から我が軍は、天国から地獄のようなとんでもないペナントレースをしています。今シーズン、うちの選手は、良い状態、悪い状態、両極端の中で戦ってきた、ふたつのペナントレースを味わってきました。こんな事は、選手たちも初めてだと思います。このふたつのペナントレースの中で、選手個人が一体何を得たか、何を考えたか、それを残りのゲームに出して欲しい。そうすると、絶対、闘志燃えるような場面が、一杯出てくると思います。それがファンにも受け入れられ、優勝にも繋がると思います。

 今年の選手は幸せですよ。天国と地獄、ふたつのペナントレースを味わっているんですから。この体験は決して無駄にならないと思います。あとは、選手の闘志に期待して、残りの試合を乗り切りたいと思います』と、この日の最後に、原監督から力強い言葉をいただきました。

 皆さんの頭の中でも、整理の出来ない、私も原稿を書いていて、整理が出来ない、そのくらい巨人は、上と下のペナントレースをやってしまいました。わずかに良い方の部分が優っているので、今のような成績になっていると思いますが、もうひと踏ん張り。僕は、原監督が言われる通り、このシーズンは選手にとって、非常に役に立ったと思います。
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