オールスター明けは防御率2.45
ロッテの種市篤暉は、クライマックスシリーズ進出を目指し戦っているチームのなかで、先発ローテーションの一角としてオールスター明けはエース級の働きを見せる。
前回登板の1日のオリックス戦は「まあまあ良かったとは思うんですけど、僕のボールの感覚的にはそこまでの感じでした。全然腕が振れませんでした」とやや厳し目の自己評価も6回4失点(3自責点)とゲームは作った。
オールスター明けは7試合に登板しているが、5イニングより前に降板した試合はなく、ここ5試合はQS(6回3自責点以内)を達成するなど、44イニングを投げて、3勝1敗、防御率2.45の成績だ。
「今年はずっとどの球種でも空振りを取れている。そこは自信を持っていきたいと思います」と評価した一方で、「ただ被打率がちょっと高いので、早く追い込みたいなと思う中でボール先行してしまうのが、よくないところ。そこは前回も前々回も反省しなきゃなと思います」と反省することも忘れない。
クイックの速さも好投を続ける要因
今季は昨季に比べてストレートがムービングしなくなり、クイックも速くなった。特に走者を出してからも、粘り強いピッチングで抑えている印象がある。
クイックが速くなったことも、抑えられるようになった要因のひとつにあるのかと問うと「クイックが速くなって、盗塁もめちゃくちゃ少なくなりましたし、盗まれたのも減ったのかなと思うので、良くなったのではないかなと思います」と分析した。
野球日記もより具体的に
プロ入りから書いている野球日記も、一軍でプレーする時間が長くなった今季は昨季に比べてより具体的なことを記している。
「試合のときは丸々1ページ書いています。オリックス戦の後もしっかりと書きましたね」と話し、「試した感覚とかも書いたりしています。試合の中の状況、どんなボールを投げたかということを詳細に書いています」と明かした。
野球日記に記したことが多いに役立っているという。6イニング目以降、やや制球を乱す場面も見られたが、前回は6回も安定した投球で3つのアウトを全て空振り三振に抑えた。種市は「投球のテンポ、フォームのテンポをちょっと速くしました。動画を見てノートに書いて、いいときはテンポが速いので、ノートに書いていたから改善できた点。ノートに書いていたから抑えられたのだと思います」と話した。
ちなみに一軍に定着し始めてから新たに取り組みはじめたことは「特には新しいことはしていないですね」とのこと。「今年は(一軍)1年目なので、今は新しいことを考えずに、(シーズン)オフはしっかりとめちゃくちゃトレーニングしたいと思います」と日々を全力で過ごす。
シーズンも終盤に差し掛かり、CS争いがより激しくなってきた。種市が残り登板で目標に掲げた100イニング(現在96回1/3)、2桁勝利(現在7勝)を達成することができれば、マリーンズのCS進出も見えてくる。
取材・文=岩下雄太