○ DeNA 7-4 ヤクルト ●
<9月14日 横浜スタジアム>
7月30日のヤクルト戦で6勝目をあげてから、5度の先発機会で3敗を喫し、直近の中日戦(9月7日)では、1回2/3を6失点でKOされるなど精彩を欠いていたDeNAのドラフト1位ルーキー・上茶谷大河が待望の白星を手にした。
試合前日に「絶対負けない気持ちで」と、気を引き締めていた上茶谷。その心意気に、女房役が応える。初回に一塁手・ロペスのエラーで青木宣親に出塁を許すと、併殺崩れで一塁に残った山田哲が盗塁を試みる。しかし、ここまで38回連続で盗塁を成功している山田哲を、“女房役”の伊藤光が好送球で刺し、無失点で切り抜けた。
2回には先頭のバレンティンにストレートの四球を与えるが、続く雄平をフルカウントから三振に仕留め、スタートを切っていたバレンティンを伊藤が余裕をもって刺すなど、流れはDeNAに。3回は二死後、安打2本と四球で満塁のピンチで打席には山田哲。フルカウントまでもつれた勝負は、148キロ、渾身のストレートで空振り三振に斬ってとった上茶谷に軍配が上がった。
2点のリードを得て迎えた4回にも連続四球でピンチを迎え、松本直樹に適時打を許して1点差に迫られた。5回も二塁打と四球で無死一二塁とピンチの連続。しかし、山田哲、バレンティン、雄平の中軸を抑えてお役御免に。最終的には5回を102球、被安打4、奪三振3、与四球3、自責点1という内容だった。
その後、石田健大、三嶋一輝、エスコバー、山崎康晃の必勝リレーで負けられない一戦をものにした。
お立ち台に上がった上茶谷は、毎回走者を背負う苦しい展開にも、「粘り強く投げられた」と安堵の表情で語り、5回にバレンティンが放ったあわやホームランという当たりの中飛については「風に助けられました」と一言。久しぶりの勝利には「ハマスタで勝てるのは嬉しい」と笑顔を見せた。
ラミレス監督も上茶谷について「前回とは違って、ストレートに威力があった。タフなピッチングだったけど、勝てたことは大きい」と一定の評価を与えた。
試合後、上茶谷は前回の反省を生かし、「思い切り腕を振っていく。出し切る」をテーマにしたが、「結果はバタついてしまった。今後は出力をあげてもコントロールできるように」と反省しつつ、「腕を振ることはうまくいったかな」と自己分析した。
腕の振りに関しては、サードを守っていた筒香嘉智から「腕が振れていない」とアドバイスされたことがキッカケのひとつとなったとのこと。そういった経緯もあり、「打者目線で参考になった」と、キャプテンにも感謝の弁を述べた。
「ここから先は落とせない試合が続く。チームが勝てて良かった」と、 苦しい夏場もローテーションを守り切ったドラ1ルーキーに、久しぶりの勝ち星が付いた意味は、チームにとっても本人にとっても大きい。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)
<9月14日 横浜スタジアム>
7月30日のヤクルト戦で6勝目をあげてから、5度の先発機会で3敗を喫し、直近の中日戦(9月7日)では、1回2/3を6失点でKOされるなど精彩を欠いていたDeNAのドラフト1位ルーキー・上茶谷大河が待望の白星を手にした。
試合前日に「絶対負けない気持ちで」と、気を引き締めていた上茶谷。その心意気に、女房役が応える。初回に一塁手・ロペスのエラーで青木宣親に出塁を許すと、併殺崩れで一塁に残った山田哲が盗塁を試みる。しかし、ここまで38回連続で盗塁を成功している山田哲を、“女房役”の伊藤光が好送球で刺し、無失点で切り抜けた。
2回には先頭のバレンティンにストレートの四球を与えるが、続く雄平をフルカウントから三振に仕留め、スタートを切っていたバレンティンを伊藤が余裕をもって刺すなど、流れはDeNAに。3回は二死後、安打2本と四球で満塁のピンチで打席には山田哲。フルカウントまでもつれた勝負は、148キロ、渾身のストレートで空振り三振に斬ってとった上茶谷に軍配が上がった。
2点のリードを得て迎えた4回にも連続四球でピンチを迎え、松本直樹に適時打を許して1点差に迫られた。5回も二塁打と四球で無死一二塁とピンチの連続。しかし、山田哲、バレンティン、雄平の中軸を抑えてお役御免に。最終的には5回を102球、被安打4、奪三振3、与四球3、自責点1という内容だった。
その後、石田健大、三嶋一輝、エスコバー、山崎康晃の必勝リレーで負けられない一戦をものにした。
お立ち台に上がった上茶谷は、毎回走者を背負う苦しい展開にも、「粘り強く投げられた」と安堵の表情で語り、5回にバレンティンが放ったあわやホームランという当たりの中飛については「風に助けられました」と一言。久しぶりの勝利には「ハマスタで勝てるのは嬉しい」と笑顔を見せた。
ラミレス監督も上茶谷について「前回とは違って、ストレートに威力があった。タフなピッチングだったけど、勝てたことは大きい」と一定の評価を与えた。
試合後、上茶谷は前回の反省を生かし、「思い切り腕を振っていく。出し切る」をテーマにしたが、「結果はバタついてしまった。今後は出力をあげてもコントロールできるように」と反省しつつ、「腕を振ることはうまくいったかな」と自己分析した。
腕の振りに関しては、サードを守っていた筒香嘉智から「腕が振れていない」とアドバイスされたことがキッカケのひとつとなったとのこと。そういった経緯もあり、「打者目線で参考になった」と、キャプテンにも感謝の弁を述べた。
「ここから先は落とせない試合が続く。チームが勝てて良かった」と、 苦しい夏場もローテーションを守り切ったドラ1ルーキーに、久しぶりの勝ち星が付いた意味は、チームにとっても本人にとっても大きい。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)