クイックでの投球に手応え
「やってきたことがいい形で出た。これを継続してできるようになればいいなと思います」。
今季ファームでワンポイントでの登板が多かったロッテの山本大貴が17日の楽天との二軍戦、2回をパーフェクトに抑えた。
14日の西武との二軍戦でも1イニングを三者凡退に抑えた山本は、この日は7点をビハインドの8回からマウンドに上がり、1番から始まる打順をわずか12球、簡単に3人で打ち取る。2イニング目となった9回も3人で片付け、2回を無失点に抑えた。
ここ最近は、「バランスだけを考えて投げるために」と走者がいない場面でもクイックで投げる。
クイックで投げ始めた理由について「足をあげてから投げにいくときに力が入りやすいので、力んで突っ込んでしまったりというのがあった。『クイックで投げてみれば』と大隣コーチ、小野コーチから言われたのをきっかけに、“やってみようかな”という感覚でやり始めました」と説明。クイックでの投球がハマり、個人的にいい形になりつつあるそうだ。
1イニングを完璧に抑える難しさを痛感
9月に入ってからワンポイントだけでなく、17日の楽天戦のようにイニングの頭から投げる機会も増えた。
山本は「(ブルペンで)作っている段階で気持ちが違うので、正直自分的にはランナーがいない方が難しい。1イニングを完璧に抑える難しさというのは、この1年ですごく感じた」と話す。
「ランナーがいる状態だったら、他のピッチャーのランナーで『絶対にランナーを返されないぞ!』と強い気持ちが持てるので、闘志が出やすくなる。ランナーがいた方が入りやすいと思う」とワンポントとイニングの頭から任されたときの心境の違いについて語った。
昨季を上回る登板数
今季はファームで、昨季の20試合を上回る45試合に登板している。シーズンも最終盤となり、疲労も溜まっているだろうが、山本は「ここまで投げられるとも予想していなかった。結果を残したいというのもありますし、投げていて抑えたら楽しいというのもある。そういう気持ちが強い。特別疲れたとか、肘が痛いとかはない。自分的にはもっと投げないとなと思いますね」と頼もしい言葉が返ってきた。
ファームでの登板数は増えた一方で、昨季はあった一軍での登板が今季はここまでない。もちろん目指すべきは一軍のマウンド。「一軍で投げられるようにと思ってやっていきたい」。力強い言葉を残し、室内練習場へ戻っていった。
【17日楽天戦の投球内容】
<8回>
島井:三振
卓丸:一ゴロ
橋本:三振
<9回>
和田恋:二ゴロ
山 下:二ゴロ
今 江:三飛
取材・文=岩下雄太