注目集まる“ポスト緒方”の行方
セ・リーグ4連覇を逃し、最後の最後で阪神にまくられてリーグ4位に終わった2019年の広島。セ・リーグの全日程が終了して4位が確定した翌日の10月1日、5年間チームを率いてきた緒方孝市氏は監督の座から退くことを発表した。
2015年に前任の野村謙二郎氏からチームを引き継ぎ、2016年に25年ぶりのリーグ優勝を達成。そこから3年連続でリーグ制覇を成し遂げた。この期間は憎らしいほどの強さを発揮してセの他球団を圧倒。ちなみに、リーグ連覇は37年ぶり、3連覇は球団初の快挙だった。
V逸に加えてのBクラス転落ということもあって、早々にチームの立て直しに動き始めた広島。やはり注目が集まるのは“次の監督”というところになるが、こちらも想像以上に早期決着を果たすかもしれない。
4日、複数のメディアが佐々岡真司投手コーチに監督就任への要請があったことを報道。本人からのコメントも出ており、数日中にも結論が出るのではないか、との見方もある。ネット上では様々な後任候補の予想や希望が挙がっていたが、これで佐々岡氏が一躍“最有力候補”へ躍り出た。
“投手出身監督”誕生なら球団53年ぶり!?
広島の歴代監督を振り返ってみると、驚くほどに野手出身の監督が多い。そこであらためて振り返ってみると、1950年の球団創設以降、投手出身の監督は2人しかいなかったことが分かった。
まず一人目は創設元年、初代監督に就任した石本秀一。1972年には野球殿堂入りも果たしている人物で、プロ野球計6球団で監督を務めた経歴を持つ名指導者だった。
そして二人目が、1965年の途中から今で言う“監督代行”のような形で監督に就任した長谷川良平。170センチに満たない身長ながら広島一筋14年で通算197勝を挙げた球団を代表する大投手で、監督としては計3シーズン戦い、2年目の4位というのが最高成績だった。
なんと、この長谷川を最後に、広島に投手出身の監督は出てこない。もし、佐々岡氏が来季の監督に決まれば、球団70年目にして史上3人目、実に53年ぶりの“投手出身監督”となる。
約半世紀ぶりの人事は実現するのか…。今後の動向から目が離せない。
広島・歴代監督
石本秀一(1950~1953途)=【投手】白石勝巳(1953途~1960、1963~1965途)=内野手
門前真佐人(1961~1962)=捕手
長谷川良平(1965途~1967)=【投手】
根本陸夫(1968~1972)=捕手
別当 薫(1973)=外野手
森永勝也(1974)=外野手
ジョー・ルーツ(1975途)=内野手
古葉竹識(1975途~1985)=内野手
阿南準郎(1986~1988)=内野手
山本浩二(1989~1993、2001~2005)=外野手
三村敏之(1994~1998)=内野手
達川晃豊(1999~2000)=捕手
マーティ・ブラウン(2006~2009)=外野手
野村謙二郎(2010~2014)=内野手
緒方孝市(2015~2019)=外野手