NPB歴代最多の400勝
元国鉄(現ヤクルト)、巨人で投手として活躍し、引退後はロッテの監督も務めた金田正一(かねだ・まさいち)氏が6日午前4時38分、急性胆管炎による敗血症のため、東京都内の病院で亡くなった。86歳だった。
通夜・告別式は近親者のみで行われ、後日「お別れの会」を行う予定。愛知県出身の金田氏は、享栄商高を中退して1950年に国鉄に入団し、65年からは巨人軍に移籍して5年間プレー。前人未到の400勝を達成した69年限りで引退した。巨人時代の背番号「34」は永久欠番になっている。
▼ 歴代通算最多勝利数
1 金田正一:400勝298敗(1950-69)944登板
2 米田哲也:350勝285敗(1956-77)949登板
3 小山正明:320勝232敗(1953-73)856登板
4 鈴木啓示:317勝238敗(1966-85)703登板
5 別所毅彦:310勝178敗(1942-60)662登板
金田氏との対戦経験があり、かつてのチームメイトでもあるソフトバンクの王貞治会長は、今回の訃報を受けて球団を通じ、「巨人に入って初めて金田さんと対戦した時は、別格以上の、それこそ大別格な投手だと感じました。その後金田さんが巨人に入団してからは、野球に関して大変色々な形で指導していただきました。私にとって金田さんは大切な恩人の一人です。謹んでご冥福をお祈りします」とコメント。
ロッテでの現役時代に金田氏の指導を受けた経験を持つオリックスの西村徳文監督も「突然のことで、ビックリしております。金田さんが2回目のロッテの監督をされた時、私が選手会長をさせてもらっていたこともあり、野球のことももちろんですが、その他もたくさんのお話をしていただきました。監督を終えられた後もゴルフや食事などに連れていっていただき、いろいろなことを教えていただきました。私がロッテで監督をさせてもらっていた時も球場に足を運んでくださり、監督という仕事について、心構えなど、本当にたくさんのことを教えていただきました。最近、なかなかお会いすることができていなかったのですが、金田さんは元気というイメージしかありませんので、信じられない思いです。心よりご冥福をお祈りいたします」と、突然の知らせに驚いていた、
また、ロッテはかつての指揮官が亡くなったことを受け、ホームページ上に下記の追悼文を掲載。秋季練習前に黙とうを行い、参加メンバーは喪章を付けて練習を実施、ZOZOマリンスタジアムの正面ビジョン上の旗は半旗となっている。
▼ ロッテの追悼文
元国鉄、巨人軍投手で1973年にロッテの監督に就任し74年に日本一、78年限りで退任。その後、90年と91年にもロッテを率いた金田正一氏が10月6日、お亡くなりになりました。(享年86歳)。
ここに故人のご冥福をお祈りし、謹んでお知らせ申し上げます。
金田氏は400勝を挙げ、その背番号34は読売巨人軍の永久欠番となっています。
▼ 金田正一氏通算成績
50年 国鉄:30登板 8勝12敗 防3.93
51年 国鉄:56登板 22勝21敗 防2.83
52年 国鉄:64登板 24勝25敗 防3.17
53年 国鉄:47登板 23勝13敗 防2.37
54年 国鉄:53登板 23勝23敗 防2.63
55年 国鉄:62登板 29勝20敗 防1.78
56年 国鉄:68登板 25勝20敗 防1.74
57年 国鉄:61登板 28勝16敗 防1.63
58年 国鉄:56登板 31勝14敗 防1.30
59年 国鉄:58登板 21勝19敗 防2.54
60年 国鉄:57登板 20勝22敗 防2.58
61年 国鉄:57登板 20勝16敗 防2.12
62年 国鉄:48登板 22勝17敗 防1.73
63年 国鉄:53登板 30勝17敗 防1.98
64年 国鉄:44登板 27勝12敗 防2.79
65年 巨人:28登板 11勝6敗 防1.84
66年 巨人:19登板 4勝6敗 防3.43
67年 巨人:33登板 16勝5敗 防2.28
68年 巨人:32登板 11勝10敗 防3.46
69年 巨人:18登板 5勝4敗 防4.25
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通算:944登板 400勝298敗 防御率2.34