何かを変えようと参加した内川との自主トレ
「体にしろ技術にしろ何かを変えないと駄目だと思って、勝負しないといけないと思った。内川さんといったらスゴく良い打者。ひとつでも多く吸収できればと思って、お願いしました」。
ソフトバンク・内川聖一、広島・鈴木誠也らと行った自主トレの前に、このように決意を述べていたロッテの三家和真は今季、プロ初安打、プロ初本塁打を放つなど成長を見せた。
ロッテ加入2年目の昨季はファームで111に出場しながらも、一軍の出場がなかった。3年目の今季に向けて“何かを変えよう”と内川との自主トレに参加した。
「打撃だったらこういうところを直したいなと思ったところを、内川さんとかからも同じ事を指摘された。右打席で癖が出やすいのがあった。その癖がある程度、直ってきたらちょっとは変わるんじゃないか。打つまでに自分から崩れていっているのがあったので、そこを見て学ぶこともできたし、教わることもできて良かったと思います」
「これをどう繋げていくかが大事。教わったことを継続していって、あとは結果がついてくれば僕もうれしい。内川さん、鈴木誠也にもいい形で見せる事ができたらいいんですけど、すぐに結果が出るかは分からない。継続することによって、見えてくるものがある」。
内川との自主トレ後にこのように話していた三家。今季も開幕は二軍スタートだったが、内川との自主トレで指摘された右打席の癖を修正し、「継続してやっていることがちょっとずつ良い形になってきた」と手応えをつかんだ。
6月21日に今季初昇格を果たすと、7月3日のオリックス戦で、プロ初安打。7月21日の日本ハム戦ではプロ初本塁打を放った。いずれも、これまで課題にしていた右打席で放ったものだった。その後も、8月1日のオリックス戦から3試合連続安打を放つなど、今季は25試合に出場して、打率.286(22-6)、1本塁打、5打点の成績を残した。
成長のきっかけ
三家は「今シーズンはじめに掲げたプロ初ヒットを含むキャリアハイという目標を達成したのは良かった」と喜んだが、「現状に満足することなく、もっともっとという感じでやっていきたいと思います」とさらなるレベルアップを誓った。
今季、キャリアハイを残した要因のひとつとして、内川から学んだことも大きいという。「自主トレで教わったことを継続してやっていって、感じもよくなってきましたし、そういう意味でちょっとずつ変わってきているなという部分がある」と好感触を掴んだ。
具体的に変化した点について三家は「悪くなったら癖が出るときは出るので、簡単に直るものではないと思っていますが、悪い癖が出る頻度が減ってきている」と話した。
「内川さんに教えていただいたことを、メモで残している。それを読み返したりして、こういう風にやってみるのもありかなとか、いろんな引き出しが増えて、戻るところがある感じがします」。調子が落ちてきたときに、メモを読み返し調子の悪い期間を短くできるようになったそうだ。
一軍でプレーして感じた課題
手応えを感じた一方、一軍でプレーする中で、改めて課題を感じたという。
「バッティングだったら、一軍で出してもらったときに、代打での出場が多くて、少ない打席で、ものにしなきゃいけないシチュエーションが多い。代打なので1打席で、まっすぐを打ちにいくタイミングで入っていくなか、浮いてきた初球の変化球に手を出していけるようにする練習もしないといけないなと感じました」
「走塁とかはまだまだ盗塁のスタートとか、どういう風にしたらスタートが早くきれるのか。トップスピードに乗れるのか、状況判断も含めて、一軍でやらせていただいたら、まだまだこういうところまで突き詰めていかないといけないとわかった。フェニックスもそうですし、来年に向けてキャンプもそうですし。課題を潰していきたいと思います」。
攻撃、走塁、守備での課題を克服し、さらにレベルアップして来年は一軍の戦力に欠かせない存在になっていきたいところだ。
取材・文=岩下雄太