3戦連続初回に失点…第4戦先発は本田と発表
パ・リーグ王者の西武が早くも崖っぷちに立たされた。CSファイナルステージで2位・ソフトバンクにまさかの3連敗。直近2戦は先発投手が早々とKOされ、追いかける展開が続いている。
初戦先発・ニールは7回途中3失点と力投したが、第2戦先発の今井は3回途中6失点、第3戦先発・十亀は4回5失点で降板。西武はシーズン中のチーム防御率がリーグワーストの4.35で、同打率はリーグ1位の.265。今年も攻撃陣に引っ張られ2連覇を達成したチームだが、さすがに序盤から大量失点を喫してしまうと反撃ムードを作りづらい。
3連敗中はすべて1回表に失点。第4戦の予告先発と発表された本田には、まずは初回の失点を防ぎ、味方打線が先制するまで粘ってほしいところだ。いずれにせよ西武は、ファイナルステージを勝ち抜くために2勝1分け以上の結果が必須。そこで期待したいのが“オープナー”の採用だ。
オープナーとは、本来は試合途中から投入する救援投手を、先発マウンドに送り込む戦術。資金力が乏しくスターターの駒不足に苦しむタンパベイ・レイズが、2018年に本格導入。その手法はメジャー全体に広がりつつある。
主な利点は、ショートイニングに強い救援投手を、好打者が並ぶ上位打線に確実にぶつけられる点。特にメジャーでは、2番に強打者を入れるチームが多いため、そこにオープナーをぶつけ、打線が下位へ下っていくところで先発タイプの投手を投入。一方、立ちあがりを苦手にしている投手は上位打線との対戦を一旦避けることで、リスクを減らし試合に入っていくことができる。初回の失点が続いている現状の西武投手陣に、うってつけの戦術と言える。
救援左腕・小川は2戦連続0封、ラッキーボーイ牧原も封じる
仮に今後、オープナーを採用する場合、推薦したい投手は小川と平良だ。左腕の小川は中日時代に一軍での先発経験もあり、適応力にも期待ができる。
今季はレギュラーシーズン55試合に救援登板し防御率は2.58。安定感は西武救援陣屈指であり、今CSもすでに2度リリーフ登板し打者6人に対し無安打無失点。3試合で打率.429をマークし、1番打者として機能しているソフトバンク・牧原ともすでに2度対戦し、空振り三振と遊ゴロに退けている。
平良は変化球の精度を欠きコンディションが気になることろだが、その投げっぷりで観客を魅了できる投手。またもメジャーの話になるが、レイズは今季のワイルドカードを勝ち抜き、地区シリーズでメジャー最高勝率のアストロズと対戦。結果的に2勝3敗で敗退したが、2連敗後に2連勝し王者を追い詰めた。
負けられない第4戦に先発したのがオープナー要員のカスティーヨ。右腕は1回表、先頭打者に安打を許したものの、2番・ブラントリー、3番・アルトゥーベ、4番・ブレグマンを3者連続三振に仕留め、本拠地ファンのボルテージを高めた。その裏レイズ打線は、今季のサイ・ヤング賞最有力と言われているアストロズ先発・バーランダーから3点を先制。初回の攻防がすべてとなりレイズは4-1で勝利した。奪三振率が高い平良も、同様のパフォーマンスを実践できる可能性を秘める。今CSに限らず、いずれオープナー起用を試してほしい剛腕だ。
2勝4敗で敗退した昨年に続き、今年も短期決戦でソフトバンクに苦しめられている西武。ファイナルステージの開幕前、「ウチに奇策はない」と語っていた辻監督だが、現状打破へ、指揮官の思い切った采配にも期待したい。