ニュース 2019.11.03. 17:00

ロッテ・中村奨吾、今季1年を振り返り「迷惑をかけることが多かった」

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ロッテの中村奨吾[撮影日=2019年2月7日]

悔しいシーズンに


 「満足のいくシーズンではなかったです。成績、コンディションの部分で、チームに迷惑をかけることが多かったと思います」。

 ロッテの中村奨吾はプロ5年目の今季、悔しいシーズンとなった。

 昨季は全143試合にフルイニング出場し、打率.284、8本塁打、57打点、39盗塁の成績を残すなど、チームの中心選手に成長した。今季も4番・井上晴哉、16年のパ・リーグ本塁打王で今季から加入したレアードとともに打線を引っ張る活躍が期待された。

 開幕戦となった3月29日の楽天戦の第2打席、ライトへ今季初安打となる本塁打を放つと、開幕10試合を終えて打率.361、5本塁打、10打点、6盗塁と好スタートを切った。

 4月中旬に見舞われたアクシデントも関係したのか、調子を落とすと、3・4月が打率.233、5月は月間打率.184。6月に月間打率.301と3割を超えるアベレージも、7月が.193、8月が.250、クライマックス・シリーズ争いが佳境となった9月も打率.233と最後まで本来の姿を見せることができなかった。打順もシーズン序盤は3番を打っていたが、6番や7番で出場することも多かった。

 中村は昨年から打率を下げた原因について「アクシデントとかありながら、それを乗り越えられなかったというのが一番かなと思います」と反省。去年に比べて他球団の「マークが厳しくなったというのは、全然感じなかったですね」と配球面での変化は感じなかったとのことだ。

本塁打はキャリアハイ


 打率は.232だったが、17本塁打、59打点は昨季を上回り、出場試合数もチームで唯一全143試合に出場した。

 本塁打アップは昨年のオフに体重を6キロ増やしたことが関係しているのかと聞くと、中村は「バッティングに関しては毎年オフになって、そのシーズンの反省をして準備をするので、それが最初はうまくいっていたと思います。体重はアクシデントがあってから減ったので、関係ないと思います」と体重アップと本塁打量産は関係がないと明かした。

 本拠地・ZOZOマリンスタジアムでは今季から、外野席の手前に『ホームランラグーン』と呼ばれるエリアを設置。昨季までのフェンスの位置から最大で4メートル手前にフェンスがせり出した。中村は、ラグーンに飛び込む本塁打がレアード、鈴木大地と並びチームトップタイの3本だった。(筆者調べ)

 「しっかり振れば入るというのがあった。たとえばヤフオクドームとかだったら、角度をつけば入る感じはありましたけど、マリンに関しては(昨年まで)広いしフェンスが高いしというので、そういうのがあんまりなかった。そういう感覚が少しはあったと思います」。

 「ラグーンができたことも大きかったですが、フェンスが下がったことが一番大きかったのかなと思います。フェンスがなくなったことによって、狭くなったというイメージがつきやすかったのかなと思います」。

 また、全試合出場については、「自分の状態が良くないなかでも使ってもらったところもあった。もっと自分がコンディションをあげて調子を上げられたら良かったかなと思います」と1年間使ってくれた首脳陣に感謝しながらも、その期待に応えられなかったことを悔しがった。

ロッテ浦和での練習に参加


 現在マリーンズは鴨川で秋季キャンプを行っているが、中村はロッテ浦和球場での練習に参加している。

 全体練習から離れ別メニューでの調整が続いているが、ランニング、ダッシュ、ノック、ロングティーなどでみっちりと汗を流す。

 来季に向けてシーズンオフは「しっかり体のケアをして、1年間戦える体を作らないといけない。143試合だけでなくて、そのあとの試合(CS、日本シリーズ)も体がキツイとかいっていられない。しっかりと戦えるような体づくりから見直していきたいと思っています」と決意を述べた。

 今季は本人にとっても悔しい1年になり、来年こそはと思って過ごしているだろう。中村の体調が万全であれば、“打率3割、30本塁打、30盗塁”を達成するだけの力は持っている。来季は1本でも多く“魂込めた一打”をファンに魅せて欲しい。

取材・文=岩下雄太

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